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メキシコと社会に関するobata9のブックマーク (3)

  • アメリカの雇用を奪う男たち

    今回の連載で何度か触れているように、米国内にいる不法移民の数は2007年をピークに減少傾向にある。とりわけ不法移民に占めるメキシコ人の数は減っており、国に帰る不法移民が増えている様子が見て取れる。 その理由として、金融危機による雇用減は確かにあったが、リスクを冒して国境を渡る必要がなくなっているという面も大きい。米国に密入国するまでもなく、メキシコ国内で割のいい雇用が得られるようになっているのだ。 実際に、ティフアナでは「シェルター」と呼ばれる企業が急速に拡大している。 シェルターとは、メキシコでの生産を希望する企業に、工場スペースの提供や労働者の調達、納税や会計、サプライヤーへの支払い手続き、通関業務やトラックの手配、その他のコンプライアンス対応などをまとめて面倒見る企業のことだ。 メキシコにはIMMEXという保税加工制度があり、その認可を得られれば、原材料や部品の輸入にかかる関税やV

    アメリカの雇用を奪う男たち
  • 売春婦と国境の“渡し屋”

    米税関国境警備局(CBP)によれば、2017年に米国に流入した人間は、典型的な一日として見ると、陸路、海路、空路の合計で108万人に上る。そのうち徒歩や自動車で国境を越える人はおよそ70万人で、65億ドル(約7150億円)相当の製品が米国に輸入される。世界最大のGDP(国内総生産)と消費力を誇る米国。世界中の人やモノを引きつけているという一端が見て取れる。 そんな巨大な“ブラックホール”に国境を接しているメキシコ・ティフアナにも様々なモノが集まる。国境沿いの工場で生産された工業製品、そういった工場に雇用の口を求める労働者、メキシコを経由して米国に流れるドラッグ、自国の貧困や暴力から逃れる中南米の不法移民、集まる男を相手にする娼婦たち--。 前回紹介した退役軍人の支援施設、通称「バンカー」のヘクターと別れた後、取材班はティフアナ市内でひとりの男と会うことになっていた。 エドアルド。彼もまた強

    売春婦と国境の“渡し屋”
  • アメリカ人になれなかった男たち

    目の前の大男は国境のフェンスの前に立つと、赤茶けた柵に自分の名前を書き始めた。「Joaquin Aviles(ホアキン・アヴィレス)」。周囲の柵を見ると、同じように白いペンキに名前が描かれている。 「ここに名前があるのは、米国のために尽くし、米国から追い出された男たちだ」 ホアキンはかつて精鋭が集まる米海兵隊に所属していたが、今はフェンスのこちら側、つまりメキシコ側にいる。つまらない犯罪に手を染めたと言えばそれまでだが、米国人として生まれ育った自分がなぜ国外追放の憂き目にあうのか釈然としない思いも抱えている。 名前が書かれたフェンスは“米国人”だった彼らの墓標。自分は今ここにいる――。名前を書き込んでいるのは、それを歴史の中に刻み込むためだ。 すぐ隣では、米国とメキシコで離ればなれになった家族がフェンス越しに話している。ここ、Friendship Parkでは毎週、土曜と日曜の午前10時か

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