政府は、2016年12月21日、長らく懸案事項だった高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を正式決定した。「もんじゅ」は結局、設計通りの定格出力運転を一度も達成せず、廃炉に至った。日本どころか世界的にも歴史的な不祥事である。産業技術者は、二度と同じ過ちを犯してはならない。何が原因なのか、歴史から学ぶことは、あまりにも多くある。 私は「もんじゅ」廃炉の真の原因は、ナショナル・プロジェクトの発足からの半世紀もの間に蓄積した矛盾にあると考えている。この矛盾が長期にわたり、ボディブローのように効いてプロジェクト自体の体力を消耗させてきた。事故や不祥事は限界点に達した組織を崩壊させる引き金を引いたにすぎない。それを説明する前に、まず、もんじゅプロジェクトの前段階から話を始めたい。
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