米国のオバマ政権のヒラリー・クリントン新国務長官が16日、日本を訪れた。インドネシア、韓国、中国というアジア4カ国歴訪の最初の訪問先が日本となった。クリントン長官は日本では17日から麻生太郎首相はじめ政府高官や民主党の小沢一郎代表らとの一連の会談にのぞみ、「日本重視」や「日米同盟重視」のメッセージを発信し始めた。日本側でもクリントン長官が最初の外国歴訪にアジアを選び、さらに日本をその最初の訪問国としたことを「日本重視」の証拠だとみなす向きも少なくない。 だがクリントン外交、ひいてはオバマ新政権の外交が本当に「日本重視」なのか。クリントン長官訪日のレトリック(修辞)を差し引き、オバマ政権の外交姿勢全体を眺めると、かなり異なる構図が浮上する。オバマ政権の対外戦略全体のなかでアジアとか日本がどのように位置づけられるのか。その実態を冷徹にみておくことは日米関係の現実的な運営のためにも、欠かせない