近く政界を引退するドイツのアンゲラ・メルケル首相(67)。4期16年にわたり、ドイツを率いてきたメルケル氏は、最大の貿易相手国である中国に融和姿勢を取ってきた。科学者出身の女性宰相であるメルケル氏の素顔に迫った決定的評伝『メルケル 世界一の宰相』から、中国・習近平国家主席とのエピソードを再構成して紹介する。(全2回の1回目。後編を読む) 「敵を憎むな。判断が鈍る」 「敵を憎むな。判断が鈍る」――映画『ゴッドファーザー・パートⅢ』でアル・パチーノ演じるマフィアのボスによるセリフだ。長年にわたり中国の独裁政権の相手をしてきたドイツ首相メルケルだったら、きっとこのセリフに賛同するだろう。 西側諸国の代表として民主主義や人権を擁護するメルケルは、中国やロシアといった独裁国家のリーダーたちとは真逆な価値観の持ち主だ。しかし、正義感に駆られるまま、国際社会の面前で独裁者を吊るし上げても、結果的には逆効
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