ジム・ロジャーズさんは「移民を受け入れて人口を増やさないと日本は衰退する」と警鐘を鳴らしています。これに対して水野さんは「日本はもう経済成長を追い求めなくてもよい」と主張されていますね。 水野和夫氏:ええ、むしろ第2次世界大戦後の急成長の方が異常でした。経済成長を支えた人口の増加も、エネルギー消費量の増大も異常なペースでした。こんな異常が続けばそのうち日本列島が人で埋まることになりますし、化石燃料だって有限ですから、持続可能ではありません。 いずれ異常な膨張を是正する時期を迎えます。日本はすでにその段階に突入しています。1990年代初頭にバブル経済が崩壊してからの景気低迷を日本人は「失われた30年」などと称していますが、私は正常化に向けたプロセスだと捉えています。 日本だけではありません。英国の歴史家エリック・ホブズボームが、「遠い将来の歴史家は20世紀を『異常な世紀』として記録するだろう
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