こんにちは。本連載では、3回にわたって、製造業に大きな進歩をもたらすデジタルツインの姿について述べていきたいと思います。 昨今の製造業のプロセス改革という文脈の中で、インダストリアルIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)とともに、デジタルツインという言葉もよく聞かれます。一方、デジタルデータを用いること自体は今までも広く行われてきました。デジタルツインとは、既存の製造業におけるデジタル活用と何が異なるのでしょうか。 デジタルツインとは、開発中の製品または生産システムについて、生産のプロセスや性能を正確に表す複数の領域を包含するデジタルモデルです。つまり、単なるCADデータや、MES(製造実行システム)上のオーダー情報ではなく、それらがお互いにつながり、フィードバックのループを形成することが必要となります(図1)。 デジタルツインの重要な目的の1つは、製品性能および生産工程のシミュ
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