工学博士 渡辺 千賀恵氏(前編)新たな潮流続々、レンタサイクルの魅力再発見 ●日本人が最初に自分で運転する乗り物といえば、おそらく自転車だろう。特別な技術や免許証がなくても乗ることができ、ごく一般的な自転車であれば1~2万円で手に入れられる、非常に身近な乗り物である。 ●社団法人自転車協会の調査を基にした、財団法人自転車産業振興協会の「都道府県別自転車保有台数」の統計資料によれば、自転車の保有台数は右肩上がりで伸びている。2006年には7200万台近くに達し、1人1台とすれば、国民の約6割が保有している計算になる。 ●これだけの台数が出回れば問題も発生する。駅前の駐輪場は常に満杯。周辺には放置自転車があふれ、乗り捨てられた自転車が朽ちた姿をさらす。2006年度に東京都市区町村が撤去した放置自転車は90万9000台。そのうち、引き取り手がなく処分されたのは約半数の42万2000台に上る