最初はやはりバイデンの不用意発言から 8月2日から3日にわたって行われた、アメリカのナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問は大きな国際ニュースとなった。と同時に、中国側の激しい反応を引き起こして台湾海峡の緊張を高めたようにも見える。ここでは一度、この一件の経緯を徹底的に検証して、緊張を作り出そうとする中国側の本音を探ってみよう。 ことの始まりは7月18日に、英紙フィナンシャル・タイムズが、ペロシ氏が8月におけるアシア歴訪の一環として「台湾訪問を予定している」と報じたことにある。しかしそのとき、中国側は外務省の報道官が定例の記者会見では通常通りの「反対」を表明したものの、それほどの強い反応を示さなかった。実際、その時点ではペロシ氏自身が「台湾訪問する」とは一切言っていなかったから、中国政府としてはしばらく様子見するような態度であった。 転機が訪れたのは7月20日であった。その日、アメリカのバイデ
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