気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 春節(旧暦の正月)前の1月23日午後、列車に15時間とバスに7時間も揺られ続けて、黎虹良(リー・ホンリャン)はようやく実家の門前にたどり着いた。彼の心はあまり弾んでいなかった。このチワン族(中国の少数民族の1つ)の青年は、昨年はろくに稼げなかったからだ。 黎は小柄で、黒ずんだ顔に柔らかそうなヒゲを生やしている。これまでヒゲの手入れをしたことはなさそうだ。まだ18歳なのに、既に3年の出稼ぎ経験があり、広東省の東莞市や深セン市の工場を10カ所以上も渡り歩いてきた。 2006年、黎は広西チワン族自治区の電気機械中等専門学校を1年で中退し、叔父と一緒に東莞市の電子機器工場で働くことにした。叔父が工場の現場主任を務めており、両親は15歳の息子が異郷の地
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