防衛予算を約2倍に 2022年2月27日。この日、ドイツのオラフ・ショルツ首相が連邦議会で行った演説は「同国を変えた」演説として歴史に残るだろう。同首相は1990年代の東西冷戦終結以来ドイツが続けてきた「防衛軽視」の姿勢を180度変えて、ロシアの脅威に対抗するため軍備増強の方針を打ち出したのだ。同首相は「ドイツ連邦軍を、確実に祖国を守ることができる近代的な軍隊に作り替える」と宣言した。 具体的には、連邦軍のために1000億ユーロ(約13兆円)の特別基金を今年創設して、兵員数の増加、兵器の近代化、装備の調達、同盟国との新兵器の共同開発などに充てる。基金の財源は、国債を発行して賄う。ロシア軍のウクライナ侵攻前に決められていた今年の防衛予算は、503億ユーロ(約6兆5390億円)だった。この503億ユーロに特別基金の一部を加えて約1000億ユーロとする。つまり独政府は、2022年に連邦軍に投じる
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