前回は、様々起こり得る危機事象の種類に因らず、結果として経営リソースが大きなダメージを受けた際にも、お客様との信頼関係を損なうことなく、より強固で長期的な関係性を維持することを目指して策定するBCPと、BCMの本質について触れました。今回は、柔軟かつ臨機応変に対応できる、企業の永続性につながる強い組織力、組織のレジリエンスについて考えてみます。 1.レジリエンス(Resilience)とは (1)一般的な定義 近年、レジリエンスという言葉は多方面で使用されており、その文脈から強靭さや回復力を意味する場合が多くあります。まずは定義や一般的な意味を確認しておきましょう。JIS22300では “複雑かつ変化する環境下での組織の適応できる能力(注記 レジリエンスは、中断・阻害を引き起こすリスクを運営管理する組織の力である)”*7と定義されています。英和辞典では「弾力、弾性、復元力」と、またいくつか