およそ14年前の2009年のこと。当時、広島県で電気工事業を営んでいたながおか〔現:CIA(広島市)〕の長岡秀樹氏は、ある大手スーパーマーケットに防犯カメラを設置しないかと営業をかけていた。ところが同スーパーの担当者は、「(防犯カメラを設置したところで)万引きなんて絶対になくならないよ」と、あきれたように冷笑を浮かべた(図1)。
![“絶対に減らない”万引き犯罪を追い詰めた元電気工事業者の執念](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9e6075c595615b84b955bb817153d3034dcbdd0a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fatcl%2Fnxt%2Fcolumn%2F18%2F00138%2F082101351%2Ftopm.jpg%3F20220512)
物価の優等生と呼ばれ、庶民の食卓を代表する食材のひとつであった卵が高騰している。直接的には鳥インフルエンザの影響が大きいが、背景には価格をめぐる経済のパラダイムシフトがある。日本人の物価に対する価値観の転換が迫られていると考えるべきだろう。(加谷 珪一:経済評論家) 鳥インフルエンザだけが原因ではない これまで鶏卵の価格は、長く安定的に推移してきたが、全世界的な物価上昇の影響を受けて2021年から顕著に上昇するようになった。2022年の後半に入ってさらに価格が急騰、年明け以降は10個入りパックの平均価格が250円を突破した。 かつては1パックあたり200円前後が標準的であり、スーパーの特売日などではさらに安い価格で入手することも可能だった。多くの日本人にとって卵というのは、値段を気にせず買える食材のひとつと言ってよいだろう。 ここ半年間で価格が急騰した直接的な要因は鳥インフルエンザである。
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