「エネルギー危機」を逆手に揺さぶりをかける原発ロビー団体 ドイツ最後の原発、年末の停止はやめて来春まで稼働させておきませんか? ドイツのバイエルン州にある原子力発電所「イーザル2」。残りの2ヵ所と合わせて、2022年末に操業停止の予定だが… Photo: Armin Weigel/dpa/Getty Images
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ウクライナ侵攻にともない、欧米諸国はロシアに対して厳しい経済制裁を課した。だが、その影響はロシア一般市民の生活に及んでいても、肝心の大統領にとってはあまり痛手ではないようだ。プーチンが資産を隠しているのは明らかなのに、どうしてそれを突き止めることに、こんなにも手を焼いているのか。そこには、複雑なからくりが隠されていた。 それは、ある裁判における421ページに及ぶ法廷書類のなかの、たった一行に記されている。ほぼ付け足しのようなその一行から得られるのは、ジュネーブでのある会食の席で、2人のビジネスマンが「プーチン氏に贈られたクルーザー」の話をしていたという情報だ。 これは、ある海運会社関係の財務関連で争われた裁判で、2010年に出されたロンドン裁判所の判決文だ。長年探し求められてきた、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と高級クルーザーや航空機、別荘などの資産との直接的な関連を公的証拠で示した
2000年代初頭にロシアでもっとも裕福なオリガルヒの一人だったミハイル・ホドルコフスキーは、プーチンに失脚させられた過去を持つ。野党に財政支援をしていた彼は2003年に逮捕され、所有していた石油会社も奪われ、10年間の禁錮刑を経てイギリスに亡命した。 プーチンをよく知るホドルコフスキーは、「無法者」のプーチンに対してNATOはもっと厳しい態度に出るべきだと英誌で訴える。 NATOのリーダーは無法者と対峙する術を持たない 私は20年近くプーチン大統領と個人的に対立してきた。その結果、私はロシアで10年間投獄され、帰国すれば終身刑という警告とともにその後追放された。 誰がそんなことをしたのか、私は知っているつもりだ。だからこそ私は、ジョー・バイデン大統領やエマニュエル・マクロン大統領、ナフタリ・ベネット首相といった西側諸国の指導者たちの敗北主義的アプローチに絶望している。 彼らの行動が有権者に
核兵器を使う可能性はあるのか。米「CNN」によるこの質問に対して、22日、ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は「我が国の存亡に関わる脅威があれば、あり得る」と答えた。 この時使われる可能性として高い兵器のひとつが、小規模な分ハードルが低く「使いやすい」とされる小型の核兵器だ。広島に落とされた原爆を基準に、威力がその半分のものから、2%ほどのものまで、世界にはさまざまな小型核がある。 もしロシアがこれを撃った場合、世界はどう反応するのだろうか。核戦争に発展するのだろうか? 米紙「ニューヨーク・タイムズ」が専門家に聞いた。 ロシアは核武装を実用的なものと考えている 冷戦時の核兵器はその破壊力において、広島を破壊した原爆を凌駕していた。実験爆発では、ワシントンの兵器が最大で広島の1000倍、モスクワの兵器には3000倍の威力があった。 これには「巨大な報復の可能性」という脅威を見せることに
スイスでは、妙に未来的な棺型のカプセルが自殺幇助に使われることになるかもしれない。この「サルコ」の開発者にスイスの公共メディア「SwissInfo」が取材し、その概要をスイスのフランス語メディア「ル・タン」が報じている。 このカプセルを開発したのは、オーストラリア人の医師フィリップ・ニチキだ。ニチキはこれを2022年には市販したいと考えている。 「カプセル内に窒素が充満する仕組みで、低酸素症(酸素供給の不足)と低炭酸症(血液中の二酸化炭素量の低下)によって」死に至るという。 3Dプリンターで製造されるこの装置は、内部に寝そべった人がボタンを押してガスの放出が始まる前に、AIを使って質問し「本人の知的能力の確認」もするという。つまり、医師の幇助が不要なのだ。 「意識を失う前に少し頭がぼんやりし、やや陶酔感もある。パニックや窒息感はありません」とニチキは言う。
有害化学物質を集めて海を漂い続ける シンガポール船籍の「エクスプレス・パール」が5月20日にインド洋で炎上し、6月2日には化学物質やプラスチックを大量に積んだまま沈没した。米「ABCニュース」はその後、「ウミガメ176匹、イルカ20頭、そしてクジラが4頭」、スリランカの海岸に打ち上げられたことを7月に報じている。 国連はこれをスリランカ史上「最悪の海難事故」としているが、英紙「ガーディアン」によると、海に最も影響を与えているのは「同船が積んでいた重油や硝酸、水酸化ナトリウム、メタノールではない。最も重大な被害は、レンズ豆大のプラスチックペレット(ナードル)が詰まったコンテナ87個が流出したことによるもの」なのだという。 「ナードル」とは生産前のプラスチックペレットのことで、身の回りにあるすべてのプラスチック製品の構成要素だ。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどでで
「勝ったのはイスラム原理主義ではない。20年に及ぶこの戦争で勝ったのはヘロインである」 組織犯罪に詳しいイタリア人作家ロベルト・サヴィアーノが、タリバンのカブール制圧に関して、伊「コリエーレ・デラ・セラ」紙のコラムで独自の分析を披露している。 サヴィアーノに言わせれば、タリバンをイスラム原理主義の民兵組織だと考えるのは「間違い」だという。「タリバンは麻薬密売組織」というのが彼の持論なのである。その論拠となるのは国連薬物犯罪事務所(UNODC)の報告書だ。サヴィアーノはこう書く。 「少なくとも20年前から、この報告書のデータに変化はない。世界のヘロインの90%がアフガニスタンで生産されているのだ。これはタリバンが南米の犯罪組織とともに、世界最強の麻薬密売集団になっていることを意味している」 しかも、いまやタリバンが扱うのはヘロインだけではない。この10年ほどで「ハシシやマリファナの分野でもタ
ミャンマーでは、2月1日のクーデター以来、軍政に反対する市民が弾圧され、少なくとも1006人以上の市民が殺害、7338人以上が拘束されるなど(人権団体AAPP調べ。8月18日現在)、混乱状態が続いている。 現地では報道機関も軍の標的にされ、その実態が外から見えにくくなるなか、多くの市民たちが現地の状況をSNS上で発信し続けてきた。 NHKの取材班はそのような市民による映像や情報を集め、ミャンマーで起きたことを解析している。その検証の結果、世界でこれまで明らかになっていなかった事実が浮かび上がってきたという。 その検証結果をもとに制作された「NHKスペシャル 混迷ミャンマー 軍弾圧の闇に迫る」の公開(8月22日放送)に先駆け、番組全体を統括した善家賢チーフ・プロデューサー、およびオープンソースの情報を解析・検証した松島剛太チーフ・プロデューサーから話を聞いた。 なぜ軍は自国民を殺せるのか ─
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