ここ数年,環境規制に対する読者の関心はかつてないほど高まっています。ご存知の通り,2006年7月にRoHS指令が施行されたからです。「規制を遵守」と言葉では簡単に聞こえますが,設計や開発,生産など現場の苦労は想像以上に大きいものでした。サプライ・チェーンの見直しに始まり,従来培ってきた実装技術を一から変更しなければならなかったためです。しかも実装技術の変更に伴い,予期しない様々なトラブルにも見舞われました。こうした多大な労力を払ってきたからこそ,読者の関心が高かったのでしょう。 欧州でのRoHS指令は,これから始まる環境規制時代の始まりに過ぎません。欧州では今後,約3万種類の化学物質を規制する「REACH」や環境に配慮した機器設計を求める「EuP指令」など,次々と環境規制を打ち出しています。しかも欧州での規制は世界各地に飛び火しているのが現在の潮流となっています。欧州での規制とは少しずつ形