一連の文書問題でなおも揺れる兵庫県。斎藤元彦知事が昨年3月の定例会見で、自身を告発した県民局長の降格人事を発表してからちょうど1年が経過した。県設置の第三者調査委員会がまとめた調査報告書に対し、斎藤知事は「私自身は見解が違う」と述べるなど、なお従来の主張は変えていない。前回に続き、報告書の記述から、問題が起こった原因と県職員や県議会の反応をお伝えする。(以下、文中敬称略) 【前回から読む】 ◎「許せない!」斎藤元彦知事が机を叩いた音は隣の秘書課まで響き渡った——第三者調査委員会の報告書を読み解く (松本 創:ノンフィクションライター) 「一番問題なのはコミュニケーションギャップ」 「われわれは、知事の個人的な資質を問題にするつもりはございません。問題はむしろ、制度とか組織の問題として考えないといけないだろうと。その点で一番問題なのはコミュニケーションギャップ、ないしは不足だろうと思います」
