消費税の撤廃などを訴えた「れいわ新選組」が参院選で約230万票を獲得したことから、同党が経済政策として掲げるMMT(現代貨幣理論)が大きな注目を集めている。MMTが異端の経済学とされているせいか、推進する人も反対する人も異様なまでに感情的であり、本当のところどのような理論なのか客観的に紹介されるケースは少ない。以下では可能な限り、分かりやすくMMTについて解説してみたい。 限界指摘されてきた既存の財政施策 MMTは、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授らが提唱している経済理論で、主流派の経済学とはかなり趣が異なっている。ごく簡単に説明すると、自国通貨建てであればインフレが発生するまで財政出動が可能という理屈である。 まず経済理論にあまり詳しくない人のために、経済政策のイロハについて説明しておこう。 経済政策に関する議論では、いろいろと小難しい理屈がやりとりされており、こうした難