「つまみ食いを我慢できる子は将来成功する」「目を描いた看板を立てると犯罪が減る」――。有名な心理学の実験を検証してみると、再現できない事態が相次いでいる。望む結果が出るまで実験を繰り返したり、結果が出た後に仮説を作り替えたりする操作が容認されていた背景があるようだ。信頼を失う恐れがあり、改めようとする動きが出ている。ノーベル賞のパロディー版として人気がある「イグ・ノーベル賞」は9月、ドイツの心
本当なら実名を出すのも憚られるところなのですが、22歳ですし、タレント活動もされているということで法的には問題なさそうだってことで魚拓も置いておきます。 何がまずいかと言いますと、まず東京大学に限らず国立大学には概念として学部生には満期退学はあまり意味を持っておらず、常識的には大学として最大居られる年数在籍したが最終年度で卒業できなかった人のことを満期退学と称するぐらいで、その場合はおおむね最大8年、海外留学や大学側の事情による場合などは10年が限度です。ただ、本件では4年(または4年と半年)で東京大学を退学した運びの話ですから、満期退学とは言わないとされます。 また、記事にあるように「教授らを呆然とさせた」とタイトルで書かれていたので、当の教授に電話して「お前んとこ学生がなんか言ってるようだけど呆然としたの」と尋ねたところ「呆然とするわけないだろ。いろんな人にそれを聞かれて『こっちが聞き
剽窃については、こっちの記事を読んでください。 oxon.hatenablog.com 1. 経緯 2021/7/4 にある国際会議のプロシーディングス論文(以降、論文 A)を読んでいたところ、そのイントロに見覚えのある複数の文章を見つけ、さらにページを進めると自分が作った図と全く同じ、ただしその著者がいちから作り直したものが掲載されていました。 お、僕の論文を剽窃している他の論文を見つけてしまったぞ。どうしよう、このボタンは押してみたい。— OKUMURA, Akira(奥村 曉) (@AkiraOkumura) July 4, 2021 この論文に cite されているなというのは前から知っていたのだけど、ちょっと調べ物をしていて読んでみたらイントロでとんでもない量の剽窃が、という。https://t.co/mvyGZbAKgZ— OKUMURA, Akira(奥村 曉) (@Akir
拙著『ブッダという男』の「あとがき」に端を発し、馬場紀寿先生(東京大学教授)が、2024年2月1日付けで、拙論(清水[2016])に研究倫理上の問題があるとして佛教大学仏教学会に申入書を送付して、当方に「追補」を請求していました(申入書は馬場先生のresearchmap上で公開)。 その後、佛教大学仏教学会において一月弱に渡り対応に関する協議が行われ、2024年2月29日付けの書面にて、当方に、馬場先生の「追補」の請求を差し置いたうえで、『佛教大学仏教学会紀要』の紙面上で馬場先生に回答として反論するスペースを与えるという連絡がありました。 つきまして、馬場先生が公開された「研究不正、もしくは研究倫理に悖る行為」の告発については、既に当方がresearchmap上で公開しています「反論」が佛教大学に受け入れられ、双方から聴取して不正の有無を調査したり、第三者委員会を設立したりするまでもなく、
以前、別のブログに書いていた内容の、加筆修正の上での再掲になります。社会人だけでなく、留学生で私の研究科・研究室に来たいという方にもご参考になるかと思います。 はじめにここでは、社会人で社会科学系の大学院に行きたい人向けのガイド、というよりも「注意書き」をまとめています。これまでに大学院進学をご希望される方とお話しする中で、たまに、ご期待と提供できるものの間にずれがあって、入学されてから期待外れになってしまっては申し訳ないな、と思うことがありました。そんなときは誤魔化さずに率直にお伝えするのですが、そうしたことの中で、共通的な事柄をまとめています。 なお以下の話は、2年制の修士課程(博士前期課程)、または、3年制の博士後期課程の大学院で、修士論文/博士論文を書いて修了するところを想定しています(※注1)。一部の専門職大学院では1年間で修士号取得できたり、修士論文を書かずに修了できますが、そ
という記事が出たのがSNSで回ってきたので,一体何だろうと思って読んでみたら,疑問しか浮かんでこなかった。化学者で発明家の村木風海さんに関する記事で,温暖化を止める研究に専念するために東大を中退したということが記事になっていた。 小学4年生のときから化学者として活動する村木さんは2019年、推薦入試で東大理科一類に入学。東大では1、2年生は一般教養の勉強をしなければならない。「化学の勉強をしたくて入ったのですが、授業は数学や物理ばかり。最初の2年間はウズウズしていた期間でした」。3年生になって、ようやく専門の勉強が始まったが、基本は座学が中心。村木さんが本当にやりかったことができるようになったのは、研究室に入った4年生のときだった。 https://news.yahoo.co.jp/articles/5a70c9160e3326cd8438ec57e81a4a93fb4b2d16 化学の知
株式会社日本システム企画(以下、日本システム企画社)が販売している商品で、マンションなど集合住宅において水道管に外側から「NMRパイプテクター」と名付けられた装置を取り付けると、管の中の赤錆が黒錆に変わるため配管設備を更新しなくても数十年保たせることができる、という通称「謎水装置」と言われる機器が販売されています。 そもそも仕組みが良く分からないので、私たちのような大規模タワーマンションの管理組合などでは「そのような機序が不明な装置を入れるべきではない」という判断も働くのですが、老朽化が進み、管理組合や住民に科学リテラシーがない人たちが多いと「少しでも配管保守工事が先延ばしにできるなら」とこの機器を採用してしまう物件があるということで、問題になっていました。 単に、科学的根拠が分からない製品がそれなりの高額で売られているという案件であるというだけでも大変なことなのかなと思います。しかしなが
hesopennです。私はある誤解をしていたので、それを説明しておきます。私は指摘されるまでBhuller, Havnes, Leuven and Mogstad (2013)は指摘されて追記したのであり、最初は無かったことに気付いていませんでした。さすがに発表されてからこんな短時間で批判と修正が入っているとはちょっと想像していませんでした。申し訳ありません。この誤解をしていた旨を堂々とここに追記しておくべきでした。またそのような誤解を読者に与えていたのであれば(与えていたと思います)申し訳ないです。 とはいえ、手嶋氏に論文を読み、それを説明する資格はない、という意見に変わりません。無査読の論文を大々的に紹介し、それの結果に反するトップジャーナルに掲載された論文を提示されたにもかかわらず、あたかもそれが重要でないような(その論文が元の論文と食い違うことも述べず)扱いをすることは研究を自分の
昨年11月末より当時情報学環(以下、学環)特任准教授だった大澤昇平氏のツイッターにおける数々の差別発言が学内外で大きく問題になった。大澤氏は「弊社Daisyでは中国人は採用しません」などと発言し、東大は1月15日付けで大澤氏に懲戒解雇処分を下した。一方で、問題発生後の東大の一連の対応に批判の声も上がっている。当時大澤氏のツイートの不適切さを指摘し謝罪する声明などを出していた越塚登学環長に学環の対応の振り返りや再発防止策について聞いた。 (取材・楊海沙) まずは大学の責任に触れるべきだった 「元特任准教授は当時学環の一員であり、我々学環が組織として事態を未然に防げなかったという結果責任はあると考えています」と越塚学環長は言う。大澤氏は特定短時間勤務有期雇用教職員であり常勤と採用プロセスは異なるが、常勤の教員と同様に人事教授会の決議等を経て採用されている。その意味で採用責任は越塚学環長にもある
","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"
研究不正の調査研究で研究不正 2014年のSTAP細胞事件後も止むことがない研究不正。 私自身、研究不正の問題に関心を持ち、Yahoo!ニュース個人に何度も記事を書いてきた。 サイエンス誌があぶり出す「医学研究不正大国」ニッポンネイチャー誌が糾弾~日本発最悪の研究不正が暴く日本の大学の「不備」 こうした記事を書いてきたのは、国民のお金を原資として行われる研究が少しでもよいものになってほしいと願っているからだ。まっとうな研究者が報われ、研究成果が人類のためにプラスになるような社会になってほしいと思う。 国や関連機関も、研究不正を減らし、健全で公正な責任ある研究活動を推進する(研究公正の)ために、様々な取り組みをしている。 その一つが日本医療研究開発機構(AMED)による「研究公正高度化モデル開発支援事業」だ。 公募要領には以下のように書かれている。 (1) 現状と課題 日本医療研究開発機構は
東京電力福島第一原発で建屋が爆発した2011年3月12日、福島県川俣町の避難所では40歳未満の避難者全員が甲状腺被曝を防ぐためにヨウ化カリウムを服用した 甲状腺検査は医学研究倫理に反している 本稿では福島で現在行われている甲状腺検査について考える。最初に結論を書いてしまうと、筆者はここで、甲状腺検査が医学研究倫理に反しており、受診者の人権を侵害しているので即刻中止するべきと提言する。 甲状腺に対する放射線影響の有無を知りたいという希望が医学の世界やあるいは広く一般にあるのはわかる。しかし、甲状腺がんのように進行の遅いがんを無症状のうちにスクリーニングで発見してしまうことには利益がなく害だけがあるので、その希望は捨てなくてはならない。科学よりも受診者個人の利益が優先するというのが倫理だからである。 放射線影響は九分九厘ないと考えられるが、もちろん絶対にゼロだとは言い切れない。だからといって、
研究者がインターネット上で研究技術を販売するビジネス「研究スキル売買」の存在が明らかになった。こうしたサイトを介して研究スキルを購入して学術論文を完成させた関東地方の私立大教員の40代女性が毎日新聞の取材に応じた。女性は国際学術誌へ投稿する論文に盛り込むデータの解析や本文の執筆などに関する研究スキルを約8万円で購入したという。スキルの購入を禁止する決まりはないが、女性は研究倫理違反行為に該当する恐れがないか不安を感じている。 8万円「投稿できるなら安い」 女性は2018年に大学の医療系学部に着任。医療現場での仕事の経験が長く、論文を執筆した経験が乏しかったため、所属先の教授に研究や論文執筆の指導を仰いだ。だが、「あなたからお金をもらっているわけではないから、教えるなんて思っていない」と突き放された。 教授から毎週呼び出され、「何で研究しないのか」「そういう人が大学の教員である必要はない」と
リンク集目次 国内外の状況 政府機関・国際機関等 学術情報 疫学論文 分子生物学/ウイルス学論文 臨床論文 インフォデミック関係 ワクチン関係 変異株関係 時系列メモ目次 新型コロナウイルス(2020年1月6日,11日) インペリグループによる患者数推定(2020年1月18日) 患者数急増,西浦さんたちの論文(2020年1月20日,23日) WHOはPHEIC宣言せず(2020年1月23-24日) 絶対リスクと相対リスク(2020年1月26日) 研究ラッシュが起こるかも(2020年1月27日) なぜ新感染症でなく指定感染症なのか? なぜ厚労省令でなく閣議決定なのか?(2020年1月27日) コロナウイルスに対する個人防御(2020年1月27日) 国内ヒト=ヒト感染発生(2020年1月28日) フォローアップセンター設置,緊急避難等(2020年1月29日) PHEICの宣言(2020年1月3
毎日新聞での「キャンセルカルチャー」擁護記事で五野井郁夫先生という方が話題になっていたので、その記事の元ネタらしき『世界』2023年6月号の五野井郁夫「キャンセルカルチャーはデモクラシーを窒息させるのか」という論文をめくってみました。『世界』とかのいわゆる論壇・総合雑誌に載ってる文章こそ「論文」だっていう感じがありますよね。重大な社会的問題を論じるのだ!って感じ。 さてこの文章いろいろ問題があると思いました。いちいち書けないのですが、奴隷商エドワード・コルストンやレオポルド二世の像なんかが「21世紀の公共空間には不要」で「芸術的価値や資料的価値をことさらに強調したいのであれば、人目につかない倉庫で保管すればよいだけの話」であり、「大っぴらに他者を傷つけたいとの願望は自身の脳内に収めて」おけ、といった文章には驚きましたが、それより次の文章ですね。 思想信条の自由とは、J・S・ミルが『自由論』
世界最大規模の画像掲示板である4chanは、多くの匿名ユーザーによりサブカルチャーから政治まで幅広いトピックの会話が交わされていますが、比較的検閲が緩いため過激な言論やヘイトスピーチの温床にもなっています。YouTuberのYannic Kilcher氏が、4chanの中でも特に物議を醸す「/pol/(Politically Incorrect板、政治的非中立/政治的に正しくない/非ポリコレ板)」から抽出した330万件のスレッドで訓練したAI「GPT-4chan」を作ったところ、過激で人種差別的な発言をまき散らす「ヘイトスピーチマシン」が誕生してしまったとのことです。 This is the worst AI ever - YouTube AI Trained on 4Chan Becomes ‘Hate Speech Machine’ https://www.vice.com/en/ar
北海道大学の研究グループが世界的な科学雑誌「サイエンス」に発表した研究成果などの5つの論文について、大学は、実験データに800か所以上のねつ造や改ざんがあったとする調査結果を公表しました。 これは、北海道大学が20日に記者会見を開いて明らかにしました。 ねつ造などがあったと認定されたのは、北海道大学の澤村正也教授の研究グループが、おととしまでの4年間に発表した5つの論文で、このうち2020年に発表した論文は大豆などの植物油から、環境にやさしいプラスチックの生成につながる新たな技術として科学雑誌「サイエンス」にも掲載されました。 いずれの論文も現在は退職しているフィリピン国籍の研究者が書いたもので、去年4月、不正を指摘する匿名の告発を受けてすでに取り下げられていますが、その後の大学の調査で、実験データなど合わせて836か所に、ねつ造や改ざんを認定したということです。 大学は論文を書いた研究者
同志社大学は9月9日、他者の論文を盗用する不正行為があったとして同大学大学院司法研究科の教授を懲戒処分にしたと発表した。問題の教授は「ネット上の学生の文章には、著作権は存在しないと誤解していた」と弁明したという。教授はすでに退職している。 2021年7月21日、同大学に対して「司法研究科の教授が不正行為をした疑いがある」と告発があり、調査を実施。盗用の疑いがあった論文3本に、他人のデータや研究成果などを不適切に使用したことが認められたという。 不正行為が行われた背景について同志社大は「(問題の教授は)学外の業務を多く担当するなど大変多忙な中、急いで論文の校正を行う状況にあり、自己の処理能力を超えて業務を引き受けたことが一因」と説明。また問題の教授は「インターネットに載っている学生執筆の文章などには、著作権は存在しないから自由に利用してよいと誤解していた」としている。 同志社大は、盗用のあっ
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関西大学は11月30日、60代の男性教授の論文1本で盗用を認定した、と発表した。教授だけの名前で投稿した論文の文章の70%が、教授が主査を務めた学生の修士論文の表現と同じだったという。今後、大学の懲戒規定に基づき、教授への処分を決める。 関西大によると、論文は2020年に大学のウェブ上の論文集に掲載された。今年3月に研究不正に関する窓口に「論文の内容が、教授が主査を務めた修了生の修士論文の内容と酷似している」という趣旨の匿名の告発があり、大学の調査委員会が調べていた。 聞き取りに対し、教授は「非常に良い論文だったが、論文の著者が自分の名前で発表する意向がないということだったので、自分の単著として公表して形に残したかった」などと説明したという。通常、修士論文は公表されない。原稿の段階では修了生との共同研究と注記していたが、最終段階で消したとしている。 教授は修了生に口頭で許可を得たとしている
各位 平素よりご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。 さて、小会発行の下記書籍に、研究倫理上不適切な箇所が複数ページにわたって存在することを確認しましたため、本書を絶版・回収することといたしました。本書をお買い求めくださった読者の皆様や各機関には、心よりお詫び申し上げます。下記のとおり回収期間を設けて返金対応をさせていただきますので、期日までに着払いにてご返送くださいますようお願い申し上げます。返金は口座振込にて対応させていただきますので、ご返送の際に振込先の口座情報を記した紙をご同封ください。 また、書店各位におかれましては、大変恐縮ですが、販売会社様経由にてご返品くださいますようお願い申し上げます。貴店にて本書を購入なさったお客様からのお問い合わせがございましたら、小会にて対応いたしますので、下記連絡先をご案内くださいますようお願いいたします。 ご迷惑をおかけしますことを深くお詫びいた
はじめに 下記の話題に関して,「言語の研究者は(軽々しく/何があっても)ことば遣いに関する規範に口出しするのは良くない」という反応を見かけたので,関連して今の自分の考えを少し書いておこうと思いました。 togetter.com 解説や問題の整理という類のものではなく,実際の研究者がどう考えているかということの1例だと思ってください。とりあえず以下ジェンダーに関わる話はぜんぜんしていません。というか書いた後に思ったのですがとてもごちゃごちゃしているので,もっと良い議論ができる人の叩き台になれば僥倖です(叩けるほどの強度もないかも)。 言語学と規範 言語学の入門では,どれくらい詳しくやるかは差があるでしょうが,必ずと言っていいほど「言語学は規範的ではなく記述的である」というような話が出てきます。重要なポイントの1つなので,内容をかなり絞り込んで作った下記の「言語学入門入門」でも取り上げています
福井大の60代の女性教授らが国際学術誌に投稿した学術論文で、この教授が、論文の審査(査読)を担う千葉大の60代の男性教授と協力し、自ら査読に関与した疑いがあることが関係者の話でわかった。学術誌の出版社が研究不正と認定し、福井大教授側に論文の撤回を勧告したことも判明。福井大と千葉大はそれぞれ調査委員会を設置して内部調査している。 査読は、著者以外の複数の研究者が第三者の立場で論文の妥当性をチェックし、掲載の可否を判断する。科学の客観性や正当性を担保する極めて重要な手続きで、査読を経た論文は研究者の業績になるため、自ら査読することは研究不正とされ「査読偽装」と呼ばれる。研究倫理に詳しい京都薬科大の田中智之(さとし)教授(薬理学)は「日本で発覚するのは初めて」と話している。 福井大教授は2020…
過去を生きた人々の遺骨に、技術革新が新たな価値をもたらしている。骨のゲノムを調べる最先端の人類学研究は、従来の考古学や歴史学に基づく定説を続々と書き換える一方、国内外で民族や先住性を巡る新たな争いも引き起こし、研究倫理や成果の悪用が問題化している。遺骨を巡る「ゲノム革命」の光と影を追う。 「日本人の起源」再考 「日本人の起源」を示す、最も有力な仮説とされる「二重構造モデル」。まず南方系の縄文人が日本列島にいて、弥生時代に北方系の集団が渡来し、徐々に混血して成立したとする考え方だ。人類学者の埴原(はにはら)和郎博士(1927~2004年)が説を発表して30周年となる2021年11月、博士が生前在籍した国際日本文化研究センター(京都市)で、モデルを問い直す会合が開かれた。
6月29日に、朝日新聞のサイト「論座」に『福島の甲状腺検査は即刻中止すべきだ(上)無症状の甲状腺がんを掘り起こす「検査の害」』なる記事が掲載されました。「(下)」も合わせて掲載されています。 これは、大阪大学サイバーメディアセンター教授の菊池誠さんが執筆されたものです。 最初のパラグラフには以下のように書かれています === 本稿では福島で現在行われている甲状腺検査について考える。最初に結論を書いてしまうと、筆者はここで、甲状腺検査が医学研究倫理に反しており、受診者の人権を侵害しているので即刻中止するべきと提言する。 === ここでは、では、上のような主張、特に甲状腺検査は「医学研究倫理に反し」「受診者の人権を侵害して」いるのか、を、現在まで検査がどのように行われてきてそれからなにが明らかになっている、あるいはなっていないのか、という観点から検討します。 まず、「医学研究倫理に反し」ている
山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社)は、「本書は、今日のVTuber文化の中で活躍するVTuberの典型的な特徴を抽出し、その特徴をある統一的な観点から体系的に解釈することを試みる著作であ」り(i)、その目論見に従って、全5章にわたりバーチャルYouTuberというアバターをまとった配信者文化についての研究を行うものだ。 本書評は、山野の議論の中核をなすVTuberの定義と、山野の研究態度についての批判を行う。 山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社) https://amzn.to/4aorG8R 「彼女/彼/彼らをVTuberとする!」と私たちは宣言しているのだろうか? 山野は、VTuberをこう定義している。 我々は、「VTuberとしてデビューし、VTuberとして活動状態にあるという条件を満たす任意の配信者が、VTuber文化において「VTuber」という
国立極地研究所の女性研究者が、領収書を偽造するなどして国の研究費など合わせて130万円余りを不正に受給したとして懲戒解雇の処分を受けました。 研究所を所管する情報・システム研究機構によりますと、田邊助教はことし2月までの6年間に、出張に使った航空券の領収書を偽造するなど合わせて43件の不正な請求で、国の研究費など130万円余りを受け取っていたということです。 この中には、カラ出張や学会の参加費の水増し請求などもあり、パソコンで領収書などを偽造していたということで、ことし2月に領収書に不審な点が見つかり調査が行われていました。 調査委員会は私的流用がなかったか調べるため、振り込まれた口座の資料を求めましたが、提出された資料も偽造されていたことが分かったということです。 情報・システム研究機構によりますと、調査に対し田邊助教は不正を認め、「すぐに使える費用を確保しておきたかった」などと説明して
2022年03月16日 名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所の伊丹健一郎教授らの研究チームによる論文「リビング縮環π拡張重合によるグラフェンナノリボン(GNR)合成」については、2019年6月に、科学誌『Nature』に掲載されましたが、当該論文に使用したデータに疑義があることが判明し取り下げを依頼したところ、2020年11月25日付で同誌から取り下げられました。また、同チームから出されたGNRに関するその他2報の論文についても、取り下げ依頼の上、撤回されました。 本件について、本学では公正研究調査専門委員会を設置し、調査を行ってまいりましたが、このたび調査が終了し不正が認められましたので、ご報告いたします。 このような事態が発生いたしましたことは、誠に遺憾であり、皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを、心からお詫び申し上げます。 今後このような事態を引き起こさぬよう、研究活動に係
俺たちの米山隆一さんが関係している教育機器メーカー「バイタルDX社」が派手にやらかして騒動になっているというので見物に行ってきました。 久喜市の教育委員会がやらかしていそうなこと 確かにこれ、効果検証やりますではなく、いきなり実用段階のようで普通に違憲ですし、手法的にも全然駄目ですね。これ、研究倫理綱領通らないでしょ。本当に埼玉県久喜市が実装しちゃったのであれば、取り返しのつかないことになりそうで面白そうです。 教育データ関連で言うなら、まず「そのバンドで測定できる程度のアウトプットで本当に子どもの集中度が本当に判定できるんですか」っていうエビデンスの問題から始まり、そもそも子どもの心の天気図も含めて子どもの内面に関わることを本人の意図に寄らず個人を特定できる形で収拾して判断に用いることは手法として不適切なのは麹町中学校内申書事件(最判昭63.7.15)でも違憲に近いと言えます。 米山隆一
アリ・アスターの新作『ミッドサマー』を見てきた。 www.youtube.com ヒロインであるダニー(フローレンス・ピュー)はもともと精神的な不安を抱えていたが、妹が両親を無理矢理道連れにして自殺して以来、不眠やパニックアタックに悩まされるようになっていた。そんな中、あまり関係良好とはいえない恋人で文化人類学の博士課程院生であるクリスチャン(ジャック・レイナー)が、友人であるペレ(ヴィルヘルム・ブロングレン)の故郷であるスウェーデンのホルガ村に伝統的な夏至祭を見に行くことを知る。ダニーもこの夏至祭体験に参加することにするが、ホルガ村のお祭りにはいろいろ謎があり… 一応お話としては、誠実とはいえない恋人から離れられず、悩んでいる若い女性が、ふさわしくない相手とのお付き合いを捨ててある種の「解放」を得る、というものである。この「解放」過程が宗教に入ること、というのは『アナと雪の女王2』だし、
はじめに 甲状腺集団スクリーニングは止めるべきという主張に私は賛成。で、反対する人はどこの部分で反対しているのかを整理したくてこのエントリーを書いた。 元エントリー webronza.asahi.com webronza.asahi.com 本稿では福島で現在行われている甲状腺検査について考える。最初に結論を書いてしまうと、筆者はここで、甲状腺検査が医学研究倫理に反しており、受診者の人権を侵害しているので即刻中止するべきと提言する。 (福島の甲状腺検査は即刻中止すべきだ(上) - 菊池誠|論座 - 朝日新聞社の言論サイトより) 批判レベル 以下の4つのレベルにわけられると思う。検討すべき批判点はレベル3の部分のみというのが私の考え。 レベル1: 「ガン検診において過剰診断があり得る」に反対(受け入れない) レベル2: 「甲状腺集団スクリーニングの不利益が利益を上回る」に反対 レベル3: 若
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このページでは、ChatGPT・AI の教育関連情報をまとめていきます。随時更新する予定です。 後半では ChatGPT・AI の全般的な情報もまとめています。 渾身の4時間イベント「教員向け ChatGPT 講座 ~基礎から応用まで~」の資料や動画を公開していますので、ChatGPTに関連する事項を一通り把握したい方はそちらもご覧ください。 また、文部科学省の情報モラルポータルサイトにて、生成AIに関する教員向け研修動画シリーズが公開され、その中で「生成AIの性質と限界」というタイトル(動画リンク)で26分ほどで、コンパクトに生成AIの教育活用について解説していますので、サクッと知りたい方はその動画をご覧ください。 主に先生方から質問いただくこともあり ChatGPT に関する Q&A を新設しました。 ChatGPT・AI の教育活用海外の対応(2024年2月16日時点)アメリカ202
衛藤 幹子(法政大学法学部政治学科教授) 日本政治学会カーストの最下層に位置する私にとって、学術会議は雲の上の縁もゆかりもない存在だ。政治学界から当会議に誰が出ているのか知らないばかりか、関心もなかった。2014年の安保法制をめぐる同僚たちの、ときに横暴とも、また滑稽ともみえる反安保法制運動に嫌気がさして以来、学界から距離を置きたかったというのもある。 私の勤務先は所謂「リベラル」派の牙城、異論が許されない雰囲気だった。私は憲法改正には反対だけれども、集団的自衛権には賛成だ。集団的自衛権反対の大包囲網のなかで、意気地なしの私はただ沈黙し、署名や集会に一切参加しないという消極的抵抗をするだけであった。 2017年3月に学術会議が「軍事的安全保障研究に関する声明」を出したときも、我が大学は即座に声明を支持する立場を打ち出し、強い違和感と失望を感じた。私は戦争には断固として反対だし、私自身はそう
映画『Winny』の公開に伴い、記憶から消えかけている20年前の諸々の思い出話をする「Winnyとは何だったのか v2.0b7.1」。ここで宮本久仁男氏が登壇。Winnyがリリースされた頃に起きた“ブレーキ”について話します。 宮本氏の自己紹介 宮本久仁男氏(以下、宮本):「Back to 2004年ごろ」ということで、(この頃は)もうブレーキがバンバン利いていたのですが、起こったこと、やれたこととして、政府系の話、世の中の話をまとめて、「こんな感じだったんじゃないかな」ということをお伝えします。 ちなみに、スライドはもう少し参考資料などを加筆した上で後で公開するようにします。 いろいろ調べてなるべく間違いがないようにしていますが、あくまで私見です。事実を陳列して、そこに私見を載せたような感じです。 今の自分の立場は、CSIRT(Computer Security Incident Res
","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"
心理学において、これまでに得られた著名な研究結果が再現されないという再現性の危機が話題となっています。その原因の一端は、統計的仮説検定の使用にあると考えられています。そして、仮説検定のオルタナティブとして、ベイズ統計学に対する注目も高まっています。しかし、仮説検定がもつ問題の一部がどのようにしてベイズ統計学によって解決されうるのか、両者の立場の相違、ベイズ統計学の限界などについて、心理学においてまだ十分な議論がなされていないように見受けられます。そこで今回は、こうした再現性の危機と仮説検定の関係、ベイズ統計学の可能性と限界について、テンプル大学統計科学部助教授のマクリン謙一郎先生にご解説いただきました。 ※今回の記事は、統計的意思決定、仮説検定、ベイズ統計学について基礎的な知識があることを前提としています。あらかじめご承知おきのうえお読みください。 はじめに 再現性の危機が心理学を含む諸分
待たされた調査結果公表 いつ公表されるのか…。やきもきした調査結果が2021年5月28日、ようやく公表された。 本学における研究活動の不正行為に関する調査結果の公表について | 昭和大学 上嶋浩順氏論文調査特別委員会 調査結果報告|公益社団法人 日本麻酔科学会 昭和大学の麻酔科に所属する上嶋浩順氏の論文に問題があることは以前から指摘があり、複数の論文が撤回されていた。 上嶋浩順、大嶽浩司 昭和大の2論文が撤回!捏造!! 2020年7月の毎日新聞の報道では、「今月中にも結果を公表する。」とされていたので、ずっと待ち続けていた。それがようやく、10ヶ月遅れて公表されたのだ。 公表が遅れた理由は分からないではない。調査対象になった論文が多すぎるからだ。 147報中117報に研究不正昭和大学の資料によれば、調査対象はなんと147報に及んだ。上嶋氏と上司の大嶽浩司教授、部下2名の合計4名が調査対象に
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