東京電力福島第1原発事故に関連し、水産庁が魚介類に対する放射性物質の影響をまとめた資料で「放射性物質は、食物連鎖を通じて魚体内で濃縮・蓄積しない」としていた記述を「蓄積しつづけるわけではない」と変更していたことが12日分かった。 専門家から「まったく蓄積しないというのは誤り」と指摘する声が上がっていた。資料を作成した水産庁研究指導課の担当者は「濃縮はするが、それが蓄積し続けないという意味だった。全体を見てもらえば意味が分かると思うが、うまく伝わらなかったので変えた」と釈明している。 資料は、3月29日に自治体や漁業団体の関係者を集めて開かれた説明会で配布したもので、現在は水産庁のホームページで公開されている。修正前には「食物連鎖を通じた生物濃縮・蓄積はほとんどない」「放射性元素は体外に排出されるので、蓄積していかない」などと記述されていた。