国連環境計画・金融イニシアテイブ(UNEPFI) 特別顧問 末吉竹二郎氏は、早稲田大学で講演し、「もはや企業にとって空気を使うこと自体にもコストがかかる時代になった。世界的金融グループはCO2排出量を注視し、融資審査の重要な基準として動き始めている」として、地球環境問題が経済、産業、そして個人生活まで幅広く影響するという時代の変化を訴えた。以下はその講演内容の一部をまとめたものだ。 空気を使うこと自体にコストがかかる時代に ある新聞に、こんな記事があった。かの古典派経済学の祖であるアダム・スミスと、古典派経済学を批判的に取り入れたカール・マルクスが、くしくも同じことを言っていたというのだ。その言葉とは、「この世には、値段がつかないものが2つある。1つは水であり、もう1つは空気だ」というものだったそうだ。 かつては確かに水と空気は、いくら使ってもタダだった。しかし、水はすでに明らかに高価なも