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‡.VN ベトナムとsa 笹原宏之に関するsatoschiのブックマーク (9)

  • 第112回 ハノイの冊(サッキ 書籍) | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    夕刻、書店街に連れて行ってもらった。を探して路地裏にまで行くと、往年の香港の九龍城もかくや、と思わせるようなワクワクしてしまう空間へ。便利なGoogle Earthだってここまでは入り込んで見せてはくれまい。 地元の先生は普通に入っていく。ついていくと、アーチの中は薄暗い。生活圏を垣間見られた。通りの窓から誰かの室内が見え、筆字の漢字文が額に入っているようだ。フランス統治時代からの有名なアイス屋がなぜかそこにあり、一番おいしくて人気だという大豆から作られたアイスを買ってかじる。 ベトナムではは「冊」、助数詞は「巻」。日では「1冊の」「1冊」が一般的で、「冊子」や「1巻」というと質が変わる。中国では「1(一)書」が普通の言い方。韓国は、なんとベトナムと同じだ。漢字は失われてたとしても、古い中国語は、辺境に残りやすいのだ。 屋に入ると、表紙に漢字が散見される。クオックグウと併記さ

    第112回 ハノイの冊(サッキ 書籍) | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第111回 ハノイの博物館で | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    ベトナムでは、西山(タイソン)朝の時代には、キリスト教文献にまでチュノムが用いられていたとのことで、チュノムが公認されたのはそれを含めて歴史上2回だけだが、資料は多く残っているそうだ。チュノムには、仮借から形声へという時代差があることが指摘されており、最近のチュノムの研究書にも実例とともに述べられている。竹を表す「椥」(チェ)は、形声文字だから新しいだろう、というようにも言及される。 漢字にこのような時代による変化が生じることは、中国では古くから指摘されているが、地域差への言及は比較的新しい(いわゆる六国古文、『方言』や唐詩に現れる方言文字についてなど)。 地域的な差異についても、チュノムにも見つかっているとのことだ。日のエビのような細々とした事象を含めた複雑な歴史も扉が開かれるのを待っているのではなかろうか。チュノムは、研究すればまだまだ開拓の余地があるのだそうだ。ベトナムでは資料はた

    第111回 ハノイの博物館で | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • Sanseido Word-Wise Web [三省堂辞書サイト] » 漢字の現在:「阮」さんと「佐藤」さん

    人は、中国人や韓国人よりも、ベトナム人に似た性格をもっていると思えることがある。気質自体は生真面目さが強い点で近いが、おおらかさでは日人は概して引けをとるかなとも感じられる。ただし、「♡」にとどまらない多彩なマークや丸文字、ヘタウマ文字など、美化語ならぬ美化字、正確には美化書風、美化表記、より厳密には「可愛化書風」、「可愛化表記」は、やはり日人、とりわけ若年層の女性たちが「かわいさ」に与えた価値の高さが生み出してきたものであろう。 これらは、語を飾り、物事を飾り、紙面を飾り、イメージを膨らませ、ついには書き手をもかわいく見せようとするものであり、それが受け手に好印象とともに影響を与え、そこからまた他者、とくにグループ内の仲間にも良い印象を、と循環する。その連鎖でかわいい書体や表記の意義がいっそう強化され、ついには社会的な暗黙の目標やルールのようになっていくものも現れる。 (クリック

    Sanseido Word-Wise Web [三省堂辞書サイト] » 漢字の現在:「阮」さんと「佐藤」さん
  • 第108回 ベトナムの筆跡 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    ベトナムの漢越語には、漢詩文に出てくるような古い漢語が残っている。律令の用語である「戸律」をベトナム式に修飾語を後ろに置き換えた「律戸」という語が民法を指す、というのはさすがに古めかしくなってきたようだが、漢籍に見られる「客桟」(カッキサン)はホテルのことを意味し、会話に普通に出てきていた。 「暫別」(タムビエット) これは、「さようなら」のことで、何だかすてきな表現だ。日語でも暫しの別れ、という。また高知では「すぐに」のことを今でも漢語で「暫時」というそうだ。「暫別」は、中国の「再見」と発想が共通する。韓国語で別れの言葉にも使われる「安寧」は、ベトナム語では安全などの意として通じる。中国人から見ても、この「暫別」という漢字の表現はかっこよく見えるのだそうだ。 (クリックで周辺も含めて拡大) ハロン湾で注意書きに記された簡体字の中国語 ベトナムの漢字とそれにまつわる文化を若いベトナムの皆

    第108回 ベトナムの筆跡 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第107回 ベトナムで漢字は復活する? | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    ベトナム語のクオックグウという名のローマ字は、世界の中でも字の種類が多い。母音の「a」にも、音韻の差を示すために「ˆ」が被さったり、「ˇ」が乗っかったりすることが多い。そこにさらに6つの声調(アクセント)を表すために「~」「・」など5種類の記号が上下に付される。 (クリックで拡大) チュノムで書かれた文と遭遇。ハノイの文廟で。このたぐいのチュノムの現代での使用例を数例見つけることができた。 「ẫ」など、不便で識別もたいへんなのでは、と外国人として思うことがある。25年前の授業のプリントは、英文タイプ打ちのローマ字に、そうした記号が手書きで添えてあった。「・」などと解されるものが印刷時のただの汚れであることもあった(思えば、かのJISの幽霊文字の原点のようだ)。 ネイティブの方々の手書きは、記号の形がいっそう不明確に見え、特定しにくいときがある。しかし、そうした老婆心とは裏腹に、学生たちには

    第107回 ベトナムで漢字は復活する? | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第94回 漢字が好きなベトナムの人たち | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    四半世紀以上前に、学部生として、当時は卒業単位にならず、さらに授業料を払って取ったベトナム語の授業は、前年に同じ条件で履修した朝鮮語よりも一層人気がなかった。途中からはマンツーマンの特別贅沢な講義となった。昭和も終わりに近づくその頃、教室で習ったローマ字の短文や文章を、家に帰ってから復習として漢字と字喃(チュノム)に直すことに励んでいた。 パソコンやネットはもちろんなく、あまり良い辞書もない時代で、越漢辞典まで用いるなど、もろもろ苦戦したが、人生、何が役立つか分からない。ありきたりだし言っても詮ないことだが、もっとたくさん勉強しておけば良かったとも思う。今、その建物の教室で、後悔を含めた僅かな経験から、興味があることは何でもやっておくことを、現在の学生たちに勧めている。 ハノイの教室内に集まった学生と修士課程の院生たちは、これも単位になるのだそうで、どうやるのか成績も付くらしい。東洋学・ノ

    第94回 漢字が好きなベトナムの人たち | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第93回 ハノイの大学(ダイホック)で | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    ハノイ市内で、見慣れぬ黄色い外壁と、若めのちょっとした人だかりに目を奪われると、そこが首相直属の国家大学ハノイ校とのこと。人文社会科学大学と、なにやら私の今の所属と共通点がある。よその大学に入るのは、いつも興味津々だ。いや、学校というものは一体、同じような仕組みで成り立っているものだが、それぞれに経緯や個性があるため微妙な差が見て取れて面白い。異業種ほどの意外さはないが、むしろ似ているもののもつ違い、異質さというものに、私はどうも惹かれるところがあるらしい。 大学が出してくれる乗り心地の良い大きめの車というのは、中国とシステム自体もよく似ている。書類を何枚も書く手間は、やはり面倒そうで申し訳ない。ベトナムではハンコは土産物になってはいるが、ここでは書類はサインだけでよいのだそうだ。渡航費などはともかく、こうした点は至れり尽くせりなことがありがたい。中国でも似た状況となるのだが、日では社会

    第93回 ハノイの大学(ダイホック)で | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第92回 越の国の漢字 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    かつて外務省は、表記法もやや独特な決まりを有し、「ベトナム」 (Việt Nam)を「ヴィエトナム」としていると報道された。「ヴェトナム」は一般にも見られ、内閣告示・訓令の認める範囲にあろう。これは漢字で書けば「越南」であり、日の新聞などでも、ベトナム訪問は「訪越」、中国とベトナムは「中越」などと省略されることもある。かつての「訪ベト」や「ベ平連」は、漢字離れをした略し方だった。こうした漢字による略記は、日となじみ深い国であることの証左となる。学生たちは、すでにベトナムのこの1字での略を忘れつつある。国境紛争の記憶も薄れ、新潟の人には新聞見出しの「中越」は、つい新潟中央部の中越地方に見えてしまうと言う。漢字への反応には、国内でも小さめながら地域差がある。 この国名の漢字表記は、「アメリカ」を「亜米利加」と書くの似ているようだが、これは来、ベトナム人自体が選択した字と語であり、当て字と

    第92回 越の国の漢字 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第89回 河内(ハノイ)の漢字 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    この年度末に、ベトナムの首都ハノイへ発った。海外旅行は、まず国内の時点で、羽田ならともかく成田までの道程が遠い。特急なのに途中、事故で止まってしまい、1日に1しかない中国行きの便に乗り遅れさせられたこともある成田エクスプレスは、今回はこの大災害に伴う計画停電の影響で運休したままであるなど、もろもろ心配や不安をかかえた出発だった。 ハノイ(Hà Nội)は漢字では「河内」と書く。河内と書いても無論、大阪府の「かわち」ではなく、「城舗河内」のほうだ(この4字の漢字列が何やらかっこいい)。カタカナで「ハノイ」、ローマ字で「Hanoi」と書くのとはだいぶ印象が異なるが、かつてのベトナムでは地図でもそう記されており、今でも中国語圏ではそれで通用している。旧名はタンロン、漢字では「昇龍」だ。中華料理店の名前にもありがちだが、この「皇城昇龍」は、11世紀初めに、約1000年間の悲願であった中国からの独

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