夕刻、書店街に連れて行ってもらった。本を探して路地裏にまで行くと、往年の香港の九龍城もかくや、と思わせるようなワクワクしてしまう空間へ。便利なGoogle Earthだってここまでは入り込んで見せてはくれまい。 地元の先生は普通に入っていく。ついていくと、アーチの中は薄暗い。生活圏を垣間見られた。通りの窓から誰かの室内が見え、筆字の漢字文が額に入っているようだ。フランス統治時代からの有名なアイス屋がなぜかそこにあり、一番おいしくて人気だという大豆から作られたアイスを買ってかじる。 ベトナムでは本は「冊」、助数詞は「巻」。日本では「1冊の本」「本1冊」が一般的で、「冊子」や「1巻」というと質が変わる。中国では「1(一)本書」が普通の言い方。韓国は、なんとベトナムと同じだ。漢字は失われてたとしても、古い中国語は、辺境に残りやすいのだ。 本屋に入ると、表紙に漢字が散見される。クオックグウと併記さ