2010年 11月 18日 木曜日 筆者: 安岡 孝一 第76回 「剥」と「剝」 新字の「剥」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。旧字の「剝」は、今は子供の名づけに使えませんが、今月末で常用漢字になるので、それ以降は子供の名づけに使えるようになります。でも、旧字の「剝」は、もっと早くに人名用漢字になれるはずだったのです。 平成12年12月8日、国語審議会は表外漢字字体表を答申しました。表外漢字字体表は、常用漢字(および当時の人名用漢字)以外の漢字に対して、印刷に用いる字体のよりどころを示したもので、1022字の印刷標準字体が収録されていました。この中に、旧字の「剝」が含まれていました。印刷物には、旧字の「剝」を用いるべきだ、と、国語審議会は文部大臣に答申したのです。これを受けて、経済産業省は平成16年2月20日、漢字コード規格JIS X 0213を改正しました