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ブックマーク / dictionary.sanseido-publ.co.jp (260)

  • Sanseido Word-Wise Web [三省堂辞書サイト] » 【2018年4月から小学校で学ぶ漢字が一部かわります】

    2018年 2月 28日 水曜日 筆者: 辞書ウェブ 編集部 2017年に告示され、2020年度より完全実施される小学校新学習指導要領では、「学年別漢字配当表」(各学年で学習することが決められている漢字を示した表)が一部変更されました。 完全実施に先立つ移行措置として、2018年度の4年生、2019年度の4年生および5年生は、新しい「学年別漢字配当表」に基づいて学習することとなります。 この移行措置の内容に関するリーフレットをご用意いたしました。 詳しくは以下のページをご覧ください。 「新しく小学校で学ぶ漢字、学ぶ学年がかわる漢字」リーフレットのご案内 2018年 2月 28日 好評の既刊 『新明解国語辞典 第七版』日でいちばん売れている小型国語辞典、7年ぶりの改訂新刊!「文法」欄を新設、さらに詳しく。判型を大きくし、文字が読みやすく。12月1日発売。 『三省堂国語辞典 第七版』最新の日

  • 第300回 皇帝が書かせた手書きの『康煕字典』―後編 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    かくして、乾隆帝の勅令によって書き写して叢書に収められた康煕帝勅撰の漢字字典『康煕字典』を、早稲田の図書館に籠もり、重たい写真版を10冊以上抱えて来て、改めてそういう眼で閲覧してみた。さすがに、小楷の名手が筆を執り、歴代の書写体を交えて記した序文ほどの自由さはなく、文の楷書は、ある程度明朝体の字体に従おうとしている。しかし、示された画数というものに触れるほどの筆法、さらに字体の差も生じている。もともと金代以来、画数の数え方というものは必ずしも定まっておらず、その基準には怪しいものがあった。この字書の殿版でさえも、そういう箇所が散見される。 「四庫全書」の大もとである文淵閣版を開いているその時、ふとあるページが目に止まった。講義の前でゆっくりしてはいられない時だったが、目の隅にぼんやりと飛び込んできたのである(図)。面白い用例は、ある段階に至ると、向こうから飛び込んでくる、そんなようなこと

    第300回 皇帝が書かせた手書きの『康煕字典』―後編 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第132回 「塲」と「場」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    旧字の「場」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。新字の「塲」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「塲」と「場」の新旧には議論があるのですが、ここでは、「塲」を新字、「場」を旧字ということにしておきましょう。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表2528字を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、土部に「場」を収録していましたが、新字の「塲」は収録されていませんでした。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、そこでも旧字の「場」だけが含まれていて、新字の「塲」は含まれていませんでした。 昭和21年11月5日、国語審議会が答申した当用漢字表にも、やはり旧字の「場」が収録されていて、新字の「塲」はカッコ書きにすら含まれていませんでした。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、

    第132回 「塲」と「場」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第131回 「戸」と「戶」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    新字の「戸」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「戶」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。でも実は、旧字の「戶」が、子供の名づけに使えた時期もあったのです。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されており、戶部に、旧字の「戶」が含まれていました。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、 そこでも旧字の「戶」が収録されていました。 昭和21年11月5日、国語審議会が答申した当用漢字表にも、旧字の「戶」が収録されていました。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、旧字の「戶」は当用漢字になりました。ただし、当用漢字表のまえがきには「字体と音訓の整理については、調査中である」と書かれていました。当用漢

  • 第129回 「仐」と「傘」と「繖」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    新字の「仐」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。旧字の「繖」も、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。こんな妙なことになってしまった原因は、俗字の「傘」が常用漢字になってしまったからなのです。なお、新字の「仐」と俗字の「傘」は、いわゆる象形文字ですが、旧字の「繖」は、サンという音を「散」で表した形声文字だと考えられます。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されていました。標準漢字表の人部には「傘」が含まれていて、その直後に、カッコ書きで「仐」が添えられていました。「傘(仐)」となっていたわけです。簡易字体の「仐」は、「傘」の代わりに使っても差し支えない字、ということになっていました。一方、旧字の「繖」は

  • 第96回 「猫」と「貓」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    新字の「」は常用漢字なので子供の名づけに使えるのですが、旧字の「貓」は子供の名づけに使えません。「」は出生届に書いてOKだけど、「貓」はダメ。どうしてこんなことになっているのでしょう。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されており、新字の「」が犬部に含まれていました。しかし、旧字の「貓」はカッコ書きにすらなっておらず、標準漢字表のどこにも収録されていなかったのです。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、そこでも新字の「」だけが収録されていて、旧字の「貓」は含まれていませんでした。 昭和21年11月5日、国語審議会は当用漢字表を、文部大臣に答申しました。この当用漢字表で、国語審議会は、新字の「」を削除してしまいました。当用漢字表

    第96回 「猫」と「貓」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 「巫」は常用平易か(第2回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    それでは家庭裁判所が、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を、戸籍法第50条で言うところの「常用平易」だと認めた例は、あるのでしょうか。実は「穹」が、その一例なのです。(『民事月報』平成20年5月号141~172頁) 平成18年のこと、大阪市都島区のとある夫婦のもとに、男の子が誕生しました。両親は、子供の名に「穹」を含む出生届を提出しようとしたのですが、都島区役所は、この出生届を受理しませんでした。当時「穹」は、常用漢字でも人名用漢字でもなかったからです。やむを得ず両親は、「名未定」とした出生届を提出し、都島区役所は「名未定」の出生届を受理しました。その上で両親は、大阪家庭裁判所に不服申立[平成18年(家)第7444号]をおこないました。子供の名に「穹」を含む出生届を受理するよう都島区長に命令してほしい、と申し立てたのです。 平成19年4月10日、大阪家庭裁判所は両親の主張を認め、都島区長に

    「巫」は常用平易か(第2回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
    satoschi
    satoschi 2012/04/26
    人名用漢字はまだ増えてるのか。
  • 「巫」は常用平易か(第1回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    平成23年5月11日、北海道中頓別町のとある夫婦のもとに、女の子が誕生しました。両親は、子供に「巫空」と名づけ、中頓別町役場に出生届を提出しました。中頓別町役場は、この出生届を受理し、戸籍に「巫空」ちゃんを登載しました。ところがその後、中頓別町役場は、ある間違いに気づきました。「巫」は常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけには使えなかったのです。「巫空」ちゃんの出生届は、来、受理できないものだったのです。しかし、いったん受理してしまった出生届は、もちろんそれはそれで有効なものです。そこで中頓別町役場は、両親に戸籍訂正をお願いすることにしました。「巫空」ちゃんの名を、別の名に訂正してもらうよう、お願いすることにしたのです。 平成23年7月19日、東京都北区のとある夫婦のもとに、女の子が誕生しました。両親は、子供に「巫琴」と名づけ、7月20日、北区役所に出生届を提出しました。しかし

    「巫」は常用平易か(第1回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
    satoschi
    satoschi 2012/04/19
    人名用漢字のこの手の問題はまだまだ続く、か…。
  • 第158回 ここでも揺れる「葛」の字体 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    高知での一場面。田舎の駅の跨線橋の階段を、女子中学生同士が手を繋いで降りてくる。また腕を組んで駆け登っていく。大学近くの線路を渡ったところにある神社では、学生たちかデートをする光景もあり、のどかだ。地域文字はないか、と探すのは卑しい感じがしないでもない、自然に眼に入ってくるのを待つのだ。 「葛島」だ。歩き回っているうちに自然に着いた。空港からのバスの中からも見ていた所まで来てしまった。この「葛」は、ときどき字体に問題ありとして扱われる字で、教え子もこの字を丹念に観察して修士論文を仕上げた。皆さんのパソコン画面では、この字は、どういう字体で見えているだろうか。高知のその地名では、 かづら かずら と、仮名遣いも揺れているが、字体が気に掛かる。 「島」と、明朝かゴシック体で看板にあった。ほかに、 「島」と明朝体。 「島」と筆字とゴシック体。この手書き用とデザイン用の両方の書体が、互いに似てくる

    satoschi
    satoschi 2012/01/27
  • 第153回 高知らしい漢字 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    高知特産の「文旦」は、文字通り「ぶんたん」が一般的なようだ。鹿児島など九州と山口辺りでは2字目を常用漢字の表外音とし、「ぼんたん」とも読み、ぼんたん飴が有名だ。こうした果実には概してルビは書かれておらず、関東では学生たちはこの果実自体に縁が薄く、意外と読めない。 土佐の伝統工芸の「サンゴ」には表外漢字による「珊瑚」も目立つ。名産品ということで、看板に大きく書かれている。 一釣りで有名な「鰹」という字も、看板・貼り紙・パンフレットに多用されている。売りの物だけに滞在中によく見た。表外字だがたいてい振り仮名もなく、看板ではしばしば大きく書かれている。「鰹のたたき」とのぼりにもあるほか、「鰹群家」で「なぶらや」と読ませる店名もパンフレットにあった。後者はルビが必須だろう。ガイドブックにはカタカナで「カツオ」「戻りガツオ」ともあり、これならばいかにも魚名であり、この漢字を見慣れていないようなよそ

    第153回 高知らしい漢字 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第133回 図書館の集団文字(位相文字) | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    一時期、これは、と思ってパワーポイントでの資料作成に凝ったことがある。準備に手間が掛かるが、作ってしまえば発表当日はそのきれいな画面と時には音声にまで頼って話すことができる。 ある学会で、アニメーション機能まで付いた労作の動画を、レジュメ代わりとして眺めていたときに、これは自分の頭の中を素通りしてしまっている、と気付いた。面白かったかな、といった感想は残るが、中身が箇条書き風に整理されすぎているためもあるのか、聴き手のものにならないように感じたのである。 私は、それから自分にとっての基に立ち返ろうと思った。聴きに来て下さっている方々に合わせられるように「ぶっつけ番」を旨とするようになった。様々な理由からパワーポイントを使わない主義だと公言する教授もおいでとのことで、その思想に共感し、意を強くする。一方、パワポを使わない先生は怠けているというような評価も一部で耳にするが、講義も講演も、私

    第133回 図書館の集団文字(位相文字) | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第122回 「福」の広がり | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    「福」というめでたい字は、中国はもちろん韓国からの年賀状でも、キーワードとして用いられている。韓国では、宝くじは「福券(복권)」と今でも言うし(日では歴史的な用語となった)、不動産屋のことは「福徳房(복덕방)」と言っていた。それぞれ、ありがたそうだ。日でも「福」は同様にめでたがられ、年賀状にも登場するし、福笑いは正月の古典的な遊びとなった(だいぶ日的なお多福顔に見える)。「福」は、ベトナム語の年賀状にも、ローマ字で登場する。ベトナムでは、年号(元号)が行われていた。中国よりも時代としては短い期間であり、また中国の年号を用いた時もあったにもかかわらず、中国以上に「福」が多用された。阮福映(暎)など、皇帝の名にも「福」は愛用されていた。 (画像はクリックで拡大します) 【玉山祠で。「福」の字好き。第106回も参照。】 「福」を上下倒して貼る風習は、ハノイでは中華料理の店でしか見かけない点

    第122回 「福」の広がり | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • (53) 「実は」:franklyとto tell (you) the truth | 『英語談話表現辞典』覚え書き(内田 聖二) | 三省堂 ことばのコラム

    前回は、相手の話を受けて「実はそうなんです」という肯定的な応答と「実はそうではないんです」といった否定的な応答のふたつの意味に使うことができる in fact と actually について考えてみました。今回は同じく「実は」に意味が重なる、frankly と to tell (you) the truth を中心に述べたいと思います。 ‘Frankly I can’t help you.’にみられる文修飾語としての frankly は frankly speaking の speaking が省略されたものですが、話しことばでは通例 speaking が省かれます(三省堂コーパスの話しことばでは speaking frankly の例は2例しかありません)。次に続くことを言う前に「率直に言えば」という前置きをして、これから言うことが相手にとって必ずしも好意的な内容ではないことを示唆する言

    (53) 「実は」:franklyとto tell (you) the truth | 『英語談話表現辞典』覚え書き(内田 聖二) | 三省堂 ことばのコラム
    satoschi
    satoschi 2011/08/19
  • 内容紹介 | タイプライターに魅せられた男たち(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    1870年代から1970年代にかけて、タイプライターと呼ばれる機械が一世を風靡しました。A〜Zのボタンを押すだけで、活字で書かれた文章を紡ぎ出すことができるこの機械は、人が文章を書く、という行為そのものを変質させてしまいました。それまでペンや鉛筆で書いていたものが、ボタンを押す、という動作に変化してしまったのです。その影響は、現代のパソコンや携帯電話にまで及んでいる、と言っても過言ではありません。 タイプライターの発明・発展は、多くの人たちに支えられていました。ある者はタイプライターの発明に心血を注ぎ、ある者はタイプライターの特許で一儲けしようとし、ある者はタイプライター市場の独占を狙い、ある者はタイプライターに知的労働の将来を託し、とにかく多くの人々がタイプライターに魅せられたのです。そんなタイプライターに魅せられた人々のうち、ごく一握りの代表的な人たちを、この連載では順に紹介していこう

    内容紹介 | タイプライターに魅せられた男たち(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
    satoschi
    satoschi 2011/08/11
  • 第120回 漢字の現在、単行本に | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    連載中の「漢字の現在」が単行として、書店や図書館などに並ぶという幸いに恵まれた。このWEBで読んで、直接、間接に励ましてくださり、また情報をお寄せくださった方々、そして書籍の形に不眠不休で誠実に仕上げてくださった編集の方のお陰である。 連載は、まだまだ続くことになるが、とりあえず第108回までで、1冊にまとめてみた。世に百八煩悩というが、現代日の漢字を中心として、文字や語から、字体や表記から、内側や外側から、身近なものや縁遠いものから、あれこれと目に付き、気になり、考え悩んだ経過と結果と見れば、なるほどもっともな数だと思う。そのうち、別の媒体に発表したものや、これから形を変えて公刊するものを除き、100回分近くを再編集したものである。 毎回アップしてもらった原稿のままでほぼいいかな、と初めは思っていたが、真っ白な校正紙を目の前に置くと、ついついあれこれと思い当たり、赤字を書き加えたくな

    satoschi
    satoschi 2011/08/09
  • (52) 「実は」:in factとactually | 『英語談話表現辞典』覚え書き(内田 聖二) | 三省堂 ことばのコラム

    語の「実は」は相手の話を受けて「実はそうなんです」という肯定的な応答と「実はそうではないんです」といった否定的な応答のふたつの意味に使うことができます。この日語にほぼ対応する英語表現に in fact があります。in fact についてはこの「『英語談話表現辞典』覚え書き」の第27回に解説があります。詳しくはそちらを参照していただきたいのですが、簡潔に言えば、「肯定的な」用法では、前言より強い言い方やほかの補足的事実が続き、「否定的な」用法では、前言と逆の事実を述べるということです。典型的な例をひとつずつあげておきます。 1 〈前言を強調して〉それどころか, むしろ:I don’t like sake much, in fact I hate it. 日酒はさほど好きじゃない. むしろ, 嫌いな方だ. 2 〈前言を否定して〉ところが実際は:The issue sounds rat

    (52) 「実は」:in factとactually | 『英語談話表現辞典』覚え書き(内田 聖二) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第113回 漢字の密集地 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    書店の書棚には、怪しげな漢字の並びをもつ辞書もある。縦書きの背表紙で、書名の漢字が1字ずつ下から上に、逆に置かれている。いくら修飾語が後ろに置かれる性質の文法をもつといっても、これは奇妙だ。何冊かそういう物が並んでいて、漢字が読めない人がデザインしたのか、確信を持っての独自の配置法なのか、気にかかる。 (クリックで拡大) 不可思議な書体字典も並んでいる。道士のような編者名のものもあり、気になり、ビニールが掛かっているが、2冊買ってみた。日でよく使われている書体字典はそれ自体を遡ってみると面白い物のようだが、それを左右に組み替えたようなものがそのうちの1冊で、ベトナム書道史を反映したものでなかったのが残念だった。 実は、文廟では売っていなかった『三千字』を探していた。 「天地」をティエン・チョイ、ディア・ダットと、字音と、字義に対応する固有語とを重ねて読みながら学習するテキストだ。日でい

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    satoschi
    satoschi 2011/07/05
  • 第112回 ハノイの冊(サッキ 書籍) | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    夕刻、書店街に連れて行ってもらった。を探して路地裏にまで行くと、往年の香港の九龍城もかくや、と思わせるようなワクワクしてしまう空間へ。便利なGoogle Earthだってここまでは入り込んで見せてはくれまい。 地元の先生は普通に入っていく。ついていくと、アーチの中は薄暗い。生活圏を垣間見られた。通りの窓から誰かの室内が見え、筆字の漢字文が額に入っているようだ。フランス統治時代からの有名なアイス屋がなぜかそこにあり、一番おいしくて人気だという大豆から作られたアイスを買ってかじる。 ベトナムではは「冊」、助数詞は「巻」。日では「1冊の」「1冊」が一般的で、「冊子」や「1巻」というと質が変わる。中国では「1(一)書」が普通の言い方。韓国は、なんとベトナムと同じだ。漢字は失われてたとしても、古い中国語は、辺境に残りやすいのだ。 屋に入ると、表紙に漢字が散見される。クオックグウと併記さ

    第112回 ハノイの冊(サッキ 書籍) | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • Sanseido Word-Wise Web [三省堂辞書サイト] » 人名用漢字の新字旧字:「父」と「父」

    2011年 6月 30日 木曜日 筆者: 安岡 孝一 第89回 「父」と「父」 新字の「父」は、常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「父」(右図参照)は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。旧字の「父」と新字の「父」の違いは、4画目の筆押さえの有無なのですが、出生届に書いてOKなのは新字の「父」だけなのです。 昭和21年11月16日に官報告示された当用漢字表には、旧字の「父」が収録されていました。官報の印刷をおこなっていた印刷局の活字が、そういう字体だったのです。昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字は、この時点の当用漢字1850字に制限されました。旧字の「父」は当用漢字に含まれていたので、出生届に書いてOKですが、新字の「父」は出生届に書けなくなってしまったのです。 一方、国語審議会は、昭和23年6月1日、当用漢字字体表を答申し

  • 第111回 ハノイの博物館で | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    ベトナムでは、西山(タイソン)朝の時代には、キリスト教文献にまでチュノムが用いられていたとのことで、チュノムが公認されたのはそれを含めて歴史上2回だけだが、資料は多く残っているそうだ。チュノムには、仮借から形声へという時代差があることが指摘されており、最近のチュノムの研究書にも実例とともに述べられている。竹を表す「椥」(チェ)は、形声文字だから新しいだろう、というようにも言及される。 漢字にこのような時代による変化が生じることは、中国では古くから指摘されているが、地域差への言及は比較的新しい(いわゆる六国古文、『方言』や唐詩に現れる方言文字についてなど)。 地域的な差異についても、チュノムにも見つかっているとのことだ。日のエビのような細々とした事象を含めた複雑な歴史も扉が開かれるのを待っているのではなかろうか。チュノムは、研究すればまだまだ開拓の余地があるのだそうだ。ベトナムでは資料はた

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