タグ

ブックマーク / blog.excite.co.jp/t-director (127)

  • 文字と社会との関わりを考える言葉ふたつ | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    からの更新です。 鳥肌が立つ瞬間、というのがあるんだな。きょう、まさにそういう経験をしました。 Monotype 社の二日間連続のイベント「Type&(タイプアンド)」一日目の日行われた児山啓一氏のトークでは、日を初め世界の空港や鉄道の駅のサイン表示などのスライドを丁寧な解説付きでご紹介いただきました。 最後に、ロンドン地下鉄書体の例で締めくくるとき、児山氏が用意した最後のスライドが、 Frank Pick の言葉でした。ロンドン地下鉄書体を工芸家の Edward Johnston に発注するなど、今のロンドンの街の声をつくる動きを起こした彼の言葉がこれです。児山氏のスライドにあった文章をそのまま載せます。 ‘The quality of our surroundings contributes decisively to our quality of life.’ 「周囲の環境の

    文字と社会との関わりを考える言葉ふたつ | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • Didot と Bodoni の共演 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    ドイツのタイポグラフィ関係の出版物でかなりの位置を占めている出版社 Hermann Schmidt Mainz の最近のカタログ。 これは開いたところ。 日でだけ言われている都市伝説「Didot はフランスの書体、 Bodoni はイタリアの書体であって、使う国を間違えると大変なことになる」を軽くふっとばすように、Didot と Bodoni を混ぜて使ってます。 目的は、見出し数行の全体の濃度やヘアライン(細い線)の太さを揃えることにあったんだと思います。 見出しの文章で使う Bodoni Bold Italic を拡大してイニシャルに使うと、確実にヘアラインが太くなってもっさりした感じになる。だから、元々ヘアラインが極端に細くて大きく使ってもシャープさを保てる Linotype Didot Headline Roman を使ったんじゃないか。 日の都市伝説は、書体選びは出自が大事、

    Didot と Bodoni の共演 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • フォントをつくった本人がびっくりする組み合わせ | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    よく、「フォントの組み合わせはどういうのがベストなんですか?」みたいな質問を日で受けます。内容とか遊びの要素をどこまでいれるかとか、状況によっていろいろ変わるんだから、ベストな組み合わせなんかないよ、と答えます。 タイポグラフィ関係を中心に多くの出版物を出しているドイツの出版社 Hermann Schmidt Mainz の最新のカタログが届きました。

    フォントをつくった本人がびっくりする組み合わせ | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • ITC Bodoni Seventy-Two の微妙な曲線 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    読者の方から ITC Bodoni Seventy-Two について、こういう質問をいただきました。「(前略)あの独特な曲線は想定された pt 以上に大きく使うと、美しく映らなくなってしまうものでしょうか・・・?」 図版がないと説明が難しいので、記事にしちゃいます。 ITC Bodoni は、アメリカのサムナー・ストーン氏をはじめ数人の書体デザインチームがイタリアに行ってボドニの活字の原型(父型)を見て、ボドニのつくったオリジナル活字の微妙なニュアンスまでをデジタルで再現しようとしたファミリーです。詳しくは、『欧文書体2』134–139 ページのストーン氏のインタビューをご覧ください。 金属活字は、その大きさによってデザインが少しずつ違っているので、それに合わせて字形の違うファミリーになりました。 ITC Bodoni のなかで、Seventy-Two は、72ポイント程度の大きいサイズで

    ITC Bodoni Seventy-Two の微妙な曲線 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • c-h 合字・t-z 合字 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    これ、こんだけ短いのに二つ間違いが。ドイツのチームなのにドイツ文字の使い方がおかしい! 4月1日に投稿したから、「冗談でしょ」って思われそうですが、当なんです! まず、最初の間違い。「アイントラハト」のほうは、c と h をばらばらに組んでいますが、当は c-h 合字を使うんです。まあ、今はそんなに気にする人もいないんでしょう。でも、当のドイツ語組版では合字を使うのが決まりです。 こういうのを見ると、私の友達だった組版工のおじいさんゲオルクが亡くなる前に街を歩いて店の看板などを見ながら私に何回も「ここでも c-h 合字を使っていない!まったく困ったもんだ」みたいな愚痴をこぼしていたのを思い出します。 二つ目の間違いは、ロゴの右側。「フランクフルト(Frankfurt)」でなくて、「フランツフルト(Frantzfurt)」になってます。k の入る場所に、間違って t-z 合字を使っちゃ

    c-h 合字・t-z 合字 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • T-h 合字 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    おととい3月24日は TypeTalks でした。 テーマは、欧文組版について。私はスカイプで参加していました。経験豊富なコンさんの用意してきた組版例がとても良くて、会場のみんなもききたかったんでしょうね、いつも以上に活発な意見交換がされていて面白かった。 Adobe Caslon や Adobe Garamond を InDesign などアドビ社のグラフィック用アプリケーションで使うと、英文でよく出てくる「The」などの T-h の組み合わせが自動的に合字(ごうじ)になるように設定されているんです。下の図、左側二つがアドビのフォントを使って組んだ「The」。 これは好みの問題で、使ったから、あるいは使わないから間違いとかそういうことはないです。 24日の TypeTalks では、会場から「どうやって T-h 合字を避けるか」という質問が出ました。みんながいろいろ知恵を絞っているところ

    T-h 合字 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • バーゼルの手書き文字 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    昨日は、アドリアン・フルティガーさんと打ち合わせのため、スイスのベルンまで車で日帰り出張でした。 これは、同僚が用事のため途中でバーゼルで立ち寄ったときに、街をぶらっと歩いて撮りました。雪がちらちら。外はマイナス10度です。 手書きの文字は「Coiffeur」、フランス語で床屋さんです。ドイツ語に「Friseur」という言葉があるんですが、それを使わずにフランス語の方を使ってます。フローリッシュがキレイです。

    バーゼルの手書き文字 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • セールの文字 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    ここドイツでは、年が明けてすぐ冬物のセールになりました。私は仕事やら何やらで忙しく、だいぶ出遅れてこないだようやくセールの残り物を探しに行きました。 セールのウインドウディスプレイとか写真に撮ろう!と思ってカメラを持って行ったんですが、これが意外と面白くない。でかでかと FF Dax (FF ダックス)でこんなふうにされてもなー、と思うわけです。あんまりそそられないというか。その右のヘルベチカっぽいフォントとも合ってないし。 そこにいくと、これはちょっと面白いな、と思った。布を切り抜いて縫い付けたのを拡大している。文字の輪郭は ITC Bodini Seventytwo (ITC ボドニ・セブンティトゥー)っぽい。

    セールの文字 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
    satoschi
    satoschi 2012/02/01
    書体に関してまだ目が利かない。まだまだだなオレ。一寸だけ精進せねば。
  • カリグラフィの画期的な入門書(1) | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    「今年こそ何か新しいこと始めよう!」なんて思いながらも、肝心の「何か」を決めかねている人に。 カリグラフィがいいですよー。自分で手書きの凝ったカードを書きたい、という人はもちろんですが、グラフィックデザイナーの人にもおすすめですよ。目が鍛えられる。空間とか曲線の訓練になる。ぜったいためになる。 この2冊は、どちらもつい最近出たばかりのもの。今は、こんなにいい手があるんだね。始めるしかない! 左は英語で、右は日語です。どちらも、カリグラフィ用ペンを持ったことのない初心者向けらしく、始めの部分は内容が似ています。写真やイラストで丁寧に用具の種類や使い方の説明がある。ペンの持ち方、専門的な用語の解説、歴史についてもちょっとある。 だったら2冊とも同じじゃない?って思われそうなんですが、内容を見比べてみました。 まず、この『カリグラフィー・ブック: デザイン・アート・クラフトに生かす手書き文字

    カリグラフィの画期的な入門書(1) | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • 糸井重里さんの本 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    に行くと、欧文タイポグラフィを勉強するにはどうしたらいいか、あちこちで尋ねられます。 そのたんびに、「古屋に行って洋書やファッション雑誌を手当たり次第に買ってページをめくって書体を使われ方を見ればいいよ」というようなことを言います。良いものも良くないものもあるだろうけど、それがまた、ためになるんです。 何とかしてそれをうまく伝えられないか考えていたときに出会った、実にぴったりの文章があります。TypeTalks でも、新潟の話し会でも例に出しました。その後、いろんな人にこの話をしたら、そのとおり!という返事をもらうので、私のお話会に参加できなかった人のためにここでちょっと書きます。 糸井重里さんの『思い出したら、思い出になった。』の中の、「『まずは、ボールだ』」っていう文章が良いんですよ。 こう始まります。 あなたが、サッカーをしたいのなら、 まず、何を手に入れますか? ボールでし

    糸井重里さんの本 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
    satoschi
    satoschi 2011/12/06
    とりあえず手を動かす。頭はあとから。
  • Stempel Garamond (2) | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    Stempel Garamond は、1920年代にドイツの活字会社 Stempel が出して、活字の時代からけっこう評判が良くて、いまでもドイツでほとんど毎日見かける。 これは、私が持っている、活字時代の Stempel Garamond 見帳。 11月前半に出張で行っていた日では、いろんなところでフォントの話をしてきました。参加者の話を聞くと、まだまだ「Garamond はフランスの国家的書体だから他の国で使うととんでもないことになる」みたいな都市伝説に振り回されている人がいるようで、そのたんびに、全然違うよって説明してきます。このブログでも時々言っとかないとダメかな。 国によって使うべき書体がキッパリ分かれるなんて思っている人は、実際にヨーロッパに来て、ヨーロッパの国々が陸続きだって実感することをオススメします。ドイツの真ん中から車で何時間か走れば、フランスとかベルギーとかオラン

    Stempel Garamond (2) | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
    satoschi
    satoschi 2011/12/02
    見本帳欲しい。あとGaramondはフランスだけのものぢゃない、世界中で使われてるよ、というお話。
  • Stempel Garamond | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    ドイツの現地校に通っているうちの長男が、学校の教材で借りてきたブレヒトの『セツァンの善人』。ズーアカンプ社の文庫です。これを題材に、道徳の授業をするんだって。 キレイな組版です。ながめるだけでうっとり。文は Stempel Garamond(ステンペル・ガラモン)で、細かいことを言っちゃうと、ライノタイプ自動鋳造植字機用にデザインを変更したバージョンです。自動鋳造のシステムからくる制約のために、イタリックがちょっとパラパラしているところが、一鋳造されている Stempel Garamond との違いです。見出しでこのパラパラな感じだとつらいけど、文組ならとくに問題ない程度かなと。 を開いたときに、この書体で組んであると、ホッとする。落ち着くんです。また読みやすいんだよね。 の中身。芝居みたいです。登場人物はスモールキャップ、ト書きはイタリックで、台詞の部分がローマン体という

    Stempel Garamond | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • 秋の空 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    きのうの夜は、フランクフルトの Alte Oper (旧オペラ座)に、ベートーベンの第九交響曲を聴きに行きました。 コンサートは東日大震災被災者のための慈善公演で、オペラ座には日の丸の旗が掲げてありました。気持ちの良い一日でした。街灯の後ろには澄みきった秋空が広がります。 こういう秋空を見て思い出す和歌があります。しかも書体デザイナーの視点に近いところが面白いんです。私のふるさと新潟の歌人、會津八一(あいづ・やいち、1881–1956)の歌です。 すゐえんのあまつおとめがころもでの ひまにもすめるあきのそらかな この歌は奈良の薬師寺の塔のてっぺんにある水煙を詠んだものです。八一の詠んだのは、薄暮時ではなく昼間の深い青い空だったろうと思いますが、たまたま私の頭の中ではこの風景と重なってしまったので。 以下は八一自身による解説の引用です。 「このすゐえんの意匠は寺によって少しづつ違ふが、薬師

    秋の空 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • 柔らかさのある輪郭って | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    柔らかい輪郭を持たせた活字、どうやってるんでしょう。大きいサイズの活字で見るとハッキリ分かると思います。 ヘルマン・ツァップさんも輪郭のデコボコした活字書体をつくっています。この Sistina(システィーナ)がそうです。 これは刷られたもの。

    柔らかさのある輪郭って | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • アイスランドからのおみやげ | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    アイスランドのレイキャビクで開かれていた書体デザイン関係の コンファレンス に参加した同僚から、おみやげをもらいました。「アキラはいろんな新聞を集めてるから買ってきたよ。」 おお、これは読めない。

    アイスランドからのおみやげ | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
    satoschi
    satoschi 2011/09/21
    おお、改めてþ[thorn]とÐ, ð[eth]が現役なんだと実感。ところで、Đ[U 0110]とÐ[U 00D0, eth]って見た目同じのがあるのね。因みにĐ[U 0110]の小文字はđ[U 0111]。勉強になります。
  • Zapf 展の見どころ(2) | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    これは、Zapf 展の図録に付いてくる図版解説です。制作年みたいに、おきまりの情報だけでなく、ヘルマン・ツァップさんのコメントとか、字の形の解説などが要所要所に入ってきます。 これとは別に、展覧会の会場入り口でもらえる作品解説もすごいよー。 カリグラフィ作品の多くは、英語ドイツ語で書かれています。一部にはフランス語やラテン語も。先人達の遺した言葉の中からツァップさんご夫が選りすぐって、その言葉にふさわしい形を与えられたものなんだから、その文章の意味がわかるのとわからないのとでは、味わい方に大きな差が出てきてしまいます。 でもご心配なく。J-LAF さんの協力により、作品の文章のほとんどには、ちゃーんと日語訳がついてます! 長いのになると2600字以上。これで外国語に明るくなくても安心…いや、逆に別の心配が。それを読んでいて思ったんだけど、これって会場で涙を流してしまう人がたくさんいる

    Zapf 展の見どころ(2) | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • Zapf 展の見どころ(1) | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    9月13日から開催される Zapf 展 、あと一週間となりました。 それに先がけて9月10日に開かれる TypeTalks「Zapf 展の見どころ紹介」 のために、きのう展覧会の準備段階の記録や写真を引っぱり出してきました。そういえばこんなこともあったなー、とか思い出しながら。 これは、お借りした作品の制作年や使った材料などの確認のメモ。 ツァップさんご夫に、ご自分の作品のことをじかに書き込んでいただきました。制作年が分かりにくいものもあって大変でした。メモをよく見ると、いちど書いては消した、みたいな部分もあります。 展覧会の図録もながめていたら、展覧会の見どころを今からいろんな人に伝えたい、という気になってきました。だって、こんなのをお借りして日で展示できるなんて思わなかったんだもん。 これは、展覧会の図録です。細かいところまで近くで見たい、という皆さんの気持ちにこたえた気の利いたレ

    Zapf 展の見どころ(1) | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
    satoschi
    satoschi 2011/09/05
    来週から始まります。
  • ツァップさんの最初の活字書体 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    9月の「Zapf 展」準備も整ってきました。図録解説とかほんとうに手が込んでいて、カリグラフィと活字制作の展示物の細かな解説付きです。日でこれだけの解説って無いんじゃないか?というのは手前味噌かも知れませんが、当にそう思う。 校正とかしていると読み込んじゃって、ふーんとか感心していてばかりで、全然はかどらないんですよね。 ところで、これは、ちょっと前にインターネットで見つけて即買いしたです。 ヘルマン・ツァップさんのいちばん最初に世に出された活字書体 Gilgengart (ギルゲンガート)で組まれた。アンデルセンの『裸の王様』です。 たまたま見つけた一冊を買ってツァップさんにお見せしたら、意外なことにご自分ではこのを持ってらっしゃらなかったので、その場で差し上げようとしたんですが「500部くらいしか刷っていなくて貴重なんだからアキラが持っていろ」と受け取ってもらえず、別の屋か

    ツァップさんの最初の活字書体 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
  • ケルンのローマ・ゲルマン博物館 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    ケルンでは、 ローマ・ゲルマン博物館 にも行ってきました。ケルン周辺で見つかった碑文がたくさん展示されている。これは西暦100年よりちょっと前の碑文だそうです。 私は朝一番で博物館に入り、まっすぐこの碑文のフロアに来ました。係の人にきいたら、ストロボを使わなければこのフロアの撮影は問題ないよ!とニコニコの笑顔で返事をくれました。点数が多くて、このフロアをざっと見て要所要所の写真を撮るだけで3時間かかった。 地下のフロアには、古代ローマ時代の筆記具が。タブレット状のロウ板は、iPad よりちょっと小さいくらい。

    ケルンのローマ・ゲルマン博物館 | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
    satoschi
    satoschi 2011/08/07
    うわぁ、行きたいなぁ。
  • フットとインチ | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

    アメリカ出張で泊まったホテルの玄関の車寄せの高いところに、こんな表示がありました。「高さ制限 13フィート2インチ」という意味。 数字の次の記号が、いわゆる「マヌケ引用符」ではなく、ちょっと傾いている。これは長さの単位「フット・インチ」を表示するときの正しい記号です。あと、普段の生活で見ることは少ないけれど、緯度経度や時間を表すときの「分・秒」とかにも。 数字の間の「–」は、来はここでは使わず、スペースのみで とするのが英国オックスフォード大学出版局の組版ルールの『The Oxford Guide to Style』(通称オックスフォードルール)流。 アメリカの『The Chicago Manual of Style』(通称シカゴルール)では、間にスペースも入れない。

    フットとインチ | デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」