西村賢太著「小銭をかぞえる」を読みました。 小銭をかぞえる (文春文庫) 作者: 西村賢太出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/03/10メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 40回この商品を含むブログ (27件) を見る 前回の『苦行列車』に引き続きまして、最高のクズっぷりを遺憾なく発揮する主人公「私」なのですが、今回は、同居している「私の女」との、悲しくもリアルな生活模様を綴っております。 今作も全編を通じて、健気で気丈な「私の女」の善意を、「私」が、容赦なく押しつぶしていきます。その苛烈なまでに人々の善意を蹂躙していく様は、まるで濃厚な戦争ドキュメンタリーを鑑賞しているようで、なんとも胸がアツくなります。 借金の心理本書に唯一、学びがあるとすれば、それは「借金を繰り返す人の心理」を、的確に描写しているところでしょうか。 彼らは、人に「なにを語ればお金を引き出せるのか」を