宮崎駿監督といえば、その初期の作品「ルパン三世 カリオストロの城」でも有名です。作品中欠かせない小道具といえば伯爵が搭乗するオートジャイロですが、その基礎理論にはなんと希代の哲学者・ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインが関わっていました。分析哲学の歴史に偉大な一歩を刻んだ彼は、航空工学の分野においても確かに足跡を残していたのです。航空工学者としてのウィトゲンシュタイン、その業績を追った論文を読みました。 Ian Lemco, "Wittgenstein's Aeronautical Investigation", Notes & Records of the Royal Society, 61, 2007, pp.39-51 ここで閲覧可能。 ウィトゲンシュタインと航空工学 ウィトゲンシュタインの父カール・ウィトゲンシュタインは製鉄業で財を成した実業家でした。息子にも跡を継いでほしいという父