【上】現在の第2砲台跡。左の砲台跡は、絵はがき写真左側の中央建物と同じ。絵はがき写真の右側部分が崩壊し、現在は海が臨める=稲生陽撮影【下】絵はがきに残っていた崩壊する前の第2砲台=唐澤教授所有の絵はがきから 旧日本軍の砲台跡が残り、観光客が急増している和歌山市沖の無人島「友ケ島」で、第二次世界大戦の終戦時に米軍が爆破したとされてきた砲台跡1カ所が実は完全な形で残り、戦後に老朽化で崩壊したとみられることが分かった。軍事施設の遺構の研究者が戦後に発売された絵はがきを発見し、写真で確認した。文化財保護と崩落事故防止のため補修が必要だが、島を管理する市は「史跡化して補修しないといけないが、史跡指定されると近くで見てもらうことが難しくなる」と頭を抱えている。 友ケ島は大阪湾口にある沖ノ島など4島の総称で、れんが造りの砲台跡が計6カ所残るなど島全体に国防遺構が見られる。1948年から南海電鉄(大阪市)