梅農家や梅産地の和歌山県内5市町、JA紀南とJA紀州、県などでつくる「紀州うめ研究協議会」は、暖冬でも安定的に実をつける南高梅の「優良樹」を地域から選抜し、産地に普及させる計画を進めている。今年は暖冬の影響で不完全な花が多かったことから着果数が少なく、過去にない「凶作」となった。今年のような状況が今後も起こる可能性を考え、産地を挙げて対策に乗り出す。 産地から優良樹を探し出すため、今年5月から6月にかけて、両JAが中心となって凶作の年でも実をよくつけた木の情報提供を、農家に呼びかけた。 8月から9月にかけては、提供された情報を基に、県うめ研究所(みなべ町)が、それらの木が遺伝子的に南高梅かどうかの調査などをする。9月ごろから2年半ほどかけて優良樹候補の苗木を育成する。 その後、昨冬のような暖冬を再現した状況で、着果率や不完全な花の割合を調べて苗木を1次選抜する。さらに数年後、実際に畑(圃場