狙った遺伝子を改変する「ゲノム編集技術」を、人の受精卵に対して試みたところ、約半数で遺伝子を含む染色体に大きな異常が生じたと、米コロンビア大などの研究チームが発表した。受精卵のゲノム編集は、重い遺伝病の根本治療につながる可能性があるが、安全性への懸念を改めて突きつけた結果といえる。成果は米科学誌セルに掲載された。 チームは、失明を起こす遺伝子変異を持つ精子と、変異を修復するために必要な酵素などを、正常な卵子約70個に注入し、受精させた。受精卵の約半数は狙った通りに変異が修復されたが、残りは精子由来の染色体が消失したり、一部が欠けたりしたという。受精卵は子宮には移植していない。 実験で利用したゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」は、遺伝子改変が効率的に行えるとして、今年のノーベル化学賞の授賞テーマとなった。農水産物の改良などに広く使われている。 一方、中国の研究者が2018年、人の受精卵に
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