教科書の言葉 Q&A 2015年9月29日 更新 教科書編集部 光村図書出版 教科書にまつわる言葉へのさまざまな疑問について、編集部がお答えします。 Q:「ひとり」を漢字で書くとき、「一人」と「独り」は、どのように使い分ければいいのでしょう。 「独りで決めて一人でしゃべるから、こっちは困って顔を赤くした」。 これは、光村図書平成28年度版中学校『国語』1年に掲載されている夏目漱石「坊っちゃん」の中の一文です。同じ「ひとり」という言葉を、「独りで決めて」「一人でしゃべる」と漢字を使い分けています。 「一人」と「独り」の使い分けを明確に割り切ることは難しいですが、それぞれの字義から考えてみると、「一」は数を表しています。つまり「一人」と書いて「ひとり」と読ませる場合は、人数を意味しているといえます。一方の「独」は、この漢字自体に「ひとり」「ひとりだけ」「自分だけ」「自ら」という意味があります。