◆欧州では、気候変動対策に端を発する物価上昇、いわゆる「グリーンフレーション」の危険性に対し、警戒が高まっている。ここ数年はデフレへの懸念に焦点が集まっており、グリーン経済への急速な移行によるインフレに気を留める人は少なく、むしろ歓迎される傾向にあった。しかし、コロナ危機によるサプライチェーンの混乱と同時期に、グリーン経済へ急速に移行させるための製品への需要増が重なったことが、ここに来て仇となっている。 ◆欧州では気候変動対策による物価上昇が既に一般市民の生活に大きな影響をもたらしている。その中でも英国は特に大きな打撃を受けている。英国のエネルギーセクターでは天然ガス価格が年初から1.5倍以上に上昇、発電コストも急上昇し、8月から小売向けのエネルギー業者10社が破綻する混乱が起きている。エネルギー価格急騰の背景には、石炭・石油への依存を減らそうとする英国政府の方針が影響している。 ◆グリー
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