大型の霊長類としてはおよそ90年ぶりの新種、タパヌリオランウータンがインドネシアで確認されました。NHKは、メディアがカメラに捉えたことがないとされるこのオランウータンの撮影に成功しました。 ヒトに近い大型の霊長類「類人猿」は、ゴリラやチンパンジーなどこれまで6種類でしたが、今回の発見で7種類となります。しかし、その推定生息数はおよそ800頭。ヒトの進化を探る上でも貴重な存在である新種のオランウータンはすでに、絶滅の危機にひんしています。 (ジャカルタ支局長 川島進之介) タパヌリオランウータンは、インドネシア西部のスマトラ島北部の熱帯雨林に生息しています。スマトラ島の面積は約47万4000平方キロメートル。豊かな熱帯雨林が広がる島としても知られ、スマトラオランウータンというオランウータンも生息しています。 もともとスマトラ島に生息していたタパヌリオランウータン。地元の人たちから「新種では
日本に広く生息するアリが船で米国に渡り、日本にいた時と違うえさを食べて在来種を追いやっているとする調査結果を、琉球大学など日米の研究チームが英科学誌に発表した。「外来種は予測できない大きな影響を侵入地の生態系に与えうる」と警告している。 このアリは日本などアジアに広く生息する、体長約5ミリのオオハリアリ。森の朽ち木などにいてほとんどシロアリだけを食べる。ふだん目にすることは少ないが、昨年日本国内で初確認されたヒアリのように毒針を持つ。米国には日本などの船から19世紀に侵入、生息域を広げたと考えられている。 チームは米国では何を食べているのかを調べた。野外調査に加え、日米にいるオオハリアリの体内の放射性物質の量を調べた。えさとなる昆虫から検出される放射性物質からオオハリアリの食性がわかる。 調査から、米国のオオハリアリはシロアリだけでなく、ほかの昆虫や節足動物を食べていた。さらに米国では在来
矢野健一(文学部・教授)、熊谷道夫(総合科学技術研究機構・教授)は、2017年12月14日に水中ロボットを用い、滋賀県長浜市の葛篭尾崎(つづらおざき)湖底遺跡探査において、飛鳥時代から奈良時代に製作された土師器(はじき)の甕(かめ)と推定される完全な形の土器を水深71.5メートル地点で発見し、映像の取得に成功しました。この映像は発見地点の座標を特定する最深地点での映像となり、学術的に貴重なものです。今回の調査は本学・認定NPO法人びわ湖トラスト・いであ株式会社・TBSテレビが協力し、いであ株式会社の所有する水中ロボットが使用されました。調査は2010年から2017年にかけて16回にわたって行われ、従来確認されていなかった7地点で湖底に沈む土器を数点発見し、その映像を取得してきました。湖底から土器が発見される理由は解明されておらず、謎に包まれています。 これまでの琵琶湖葛篭尾崎湖底遺跡探査に
体の半分がオスで半分がメスの珍しい「雌雄型」のガの標本が、岡山県倉敷市中央2丁目の市立自然史博物館で展示されている。虫を愛する女子高校生が、学校行事の途中で立ち寄ったサービスエリア(SA)で偶然見つけた一匹。同館は「極めて珍しい。奇跡ともいえる発見」と話している。 11月22日。岡山理大付属高校生命動物コース3年の安達由莉さんは、同級生48人と広島県廿日市市の宮島水族館に向かっていた。 休憩で山陽道下り線の小谷SAに立ち寄ると、早々に虫探しを始めた。SAは山林を切り開いて設けられ、外灯で夜通し明るい。愛好家にとっては格好の観察スポットだという。 「何かしら、必ずいる」。この日もそう思いながら歩道や緑地に目をこらしていた。すると自販機の前の路上に見慣れた模様の羽を広げたウスタビガを発見した。自宅では同じ種類のガの標本を作製中。乾燥させるために机の上にあるので、毎日目にしていた。 見間違いはな
国内では初めて、世界でも2匹目の発見となる珍しいハチが三重県総合博物館(津市)で見つかった。県が12日発表した。発見のきっかけは、敷地内にどんな昆虫がいるのかを調べるイベントで、同館は「非常に驚いた。今回の発見が自然環境に興味を持つきっかけになれば」と話している。 同館によると、見つかったのは、ヨーロッパから日本の温帯地域に分布するホソクビカマバチと呼ばれるハチの一種の「ネオドリヌス・イソネウルス」。体長5ミリで、前脚が鎌のような形になっているのが特徴。1997年に中国・雲南省で新種として発見された。農業害虫のウンカなどに寄生し、人に危害を与える心配はないという。 イベントは9月9日にあり、昆虫分類学を専攻する九州大学大学院1年の辻尚道さん(22)の網に名前が分からないハチ1匹がかかった。ハチの分類が専門の九州大農学部昆虫学教室の三田敏治助教(35)が調べたところ、希少種と分かった。今月9
Koizumi lab. Field-based Ecology フィールドワークを中心に野生生物の生態を調べています Homeに戻る 研究紹介 『釣り人は正しかった:支流避難仮説の実験的検証』 The fishermen were right: experimental evidence for tributary refuge hypothesis during floods. Koizumi, I., Kanazawa, Y. and Tanaka, Y. (2013) Zoological Science, 30, 375-379. 簡易版はこちら。北海道新聞をはじめ多くのメディアで取り上げて頂きました。 大雨で河川が増水している時、魚達はどうしているのでしょうか? 河川の氾濫は人間にとって大変危険であり、水生生物にとっても緊急事態と考えられます。しかし、川に生息する生物は何百年も
2017年10月3日、ノーベル物理学賞の受賞者が発表されました。受賞したのは、LIGO/VIRGO Collaborationのレイナー・ワイス(Rainer Weiss)さん、バリー・バリッシュ(Barry C. Barish)さん、キップ・ソーン(Kip S. Thorne)さんの3人で、2016年に発表された重力波を直接検出したという業績がたたえられたものです。業績からノーベル賞受賞までこれほど短期間なのは例外的なことです。 国立天文台では、重力波プロジェクト推進室を通じて、大型低温重力波望遠鏡KAGRAの研究開発・建設に携わっています。 重力波プロジェクト推進室長であり、フランスCNRS/LAPPにてVirgo重力波実験に携わるラファエレ・フラミニオ(Raffaele Flaminio)特任教授のコメント: 3人の受賞者の基礎的貢献はもちろんですが、今回の受賞は、この成果を得るため
当サイトで紹介しているプレスリリースの多くは、単に論文による最新の実験や分析等の成果報告に過ぎませんので、ご注意ください。 詳細 【概要】小笠原諸島の森林では、落葉の下におびただしい数のワラジムシ類とヨコエビ類が住み、土壌動物―森の分解者として重要な働きをしていました。ところが 1980 年代以降、父島全域と母島の広い範囲でこれらの土壌動物が、忽然と姿を消してしまいました。その原因はずっと謎でしたが、東北大学大学院生命科学研究科の篠部将太朗氏(修士課程 1 年)らは、日本森林技術協会、自然環境研究センターと共同で、この奇妙な土壌動物の「集団失踪事件」の犯人が、80 年代初めに小笠原に侵入した外来生物―陸生ヒモムシの 1 種であることを突き止めました(図 1)。 実験の結果、この陸生ヒモムシは、ワラジムシ類、ヨコエビ類、クモや昆虫など節足動物を広く捕食することがわかりました。母島の調査から、
体長26ミリのアマガエルモドキの仲間。ベネズエラに生息する。透けて見える緑色の卵は、川の上に張りだした枝や葉に産みつけられる。生まれたオタマジャクシは、下を流れる川に落ちる。 写真=Heidi and Hans-Jurgen Koch 2008年4月号「大地の素顔」より
お知らせ カテゴリ: 年月: フリーワード: 入札関連情報 2024年11月01日 琉球大学千原キャンパス体育施設の活用に関するサウンディング型市場調査 お知らせ 2024年11月01日 2024年度「鎌倉フェローシップ・沖縄ロースクール奨学金」目録贈呈式を開催しました 入試情報 2024年10月29日 令和7年度 琉球大学 医学部医学科の入学定員について(決定) お知らせ 2024年10月29日 2024年度 琉球大学 大学院特別プログラム入学式を開催 お知らせ 2024年10月29日 第73回琉大祭を開催 お知らせ 2024年10月29日 2024年度9月期琉球大学 大学院理工学研究科 留学生特別プログラム修了式及び学位記授与式を開催 お知らせ 2024年10月28日 国立中山大学(台湾)一行が本学を訪問されました お知らせ 2024年10月25日 学長候補者意向調査の公示について お
リョコウバトは乱獲が原因で絶滅した。写真は最後の1羽となったマーサ。ワシントンD.C.にあるスミソニアン協会アメリカ自然史博物館所蔵の剥製標本。 Photograph by Robb Kendrick / National Geographic Creative 100年前の9月1日、かつて強大な勢力を誇っていた1つの種が絶滅した。シンシナティ動物園で飼育されていたリョコウバトのマーサが29歳の生涯を終えた日だ。 1800年代半ばまで、耳をつんざくような声で鳴くリョコウバトの群れがアメリカの東半分に何十億羽も生息していた。ところが、人間にはかなわなかったようで、急激に進歩した技術によってものの数十年で絶滅まで追い込まれた。 絶滅から100年が経過した現在も、リョコウバトは象徴的な存在であり続け、技術的な偉業を目指す人々にひらめきを与えている。遺伝子工学やクローニングを組み合わせ、絶滅したリ
前回お話しした”ハキリアリ”に続き、恐怖の殺人アリ”ヒアリ”について紹介しよう。 世界に拡がる殺人アリ ヒアリ(Fire ant, Solenopsis invicta)は、南米ブラジルとアルゼンチン国境付近の亜熱帯域を原産とするフタフシアリ亜科のアリである。見た目は、ぱっとせず、これといって特徴のないアリだ。働きアリの体長は2.0−6.0 mmと幅がある。 ヒアリの働きアリ(写真提供:島田拓氏) 原産地では、このアリはとくに目立つことはない。林縁や川縁の赤土が露出した場所くらいしか巣を作ることができないからだ。しかし、1930年代にアラバマ州モービル港に侵入し、北米大陸に拡大していった。現在、この北米大陸の侵入個体群を起源として、カリブ海諸国、オーストラリア、ニュージーランド、中国上海、台湾と環太平洋地域は、このアリの侵入を受けている。 ヒアリの巣。アメリカ合衆国のフロリダ州ゲインズビル
Chameleon Mummified Alive by the Tropical Sun pic.twitter.com/BRPieQtHyl — Romina Jakki (@ThursthylpSumpl) 2017年6月21日 干からびて死ぬなんて、さぞつらいだろう。しかし、愛らしい死体ができることもある。 1匹の不運なインドカメレオンがそんな運命をたどることになった。実際のところはともかく、閉じた水道から水を飲もうとしているうちに息絶えたように見える。野生生物の映像も制作しているジャーナリストのジャナキ・レニン氏がインドで目撃した。(参考記事:「なぜか生まれたことに気づかない赤ちゃんカメレオン」) レニン氏の報告によれば、このカメレオンはハンドルにつかまった状態で息を引き取ったようで、熱帯の強烈な日差しを浴びてすぐミイラ化した。死体に2つの小さな穴が開いていることから、アリが体内
カラスの巣を残しています――。中部電力が、そんな標識を電柱にはっている。巣は停電の原因となり、2月から7月にかけては社員が対策に追われる日々だ。その巣を、わざわざ残すわけは? 名古屋市守山区の交差点付近にある高さ約14メートルの電柱。「カラスの巣 残置中」と知らせる緑色の標識が巻かれていた。見上げると、カラスの巣。今年3月に見つかり、中電が標識を設置したという。 カラスは、雨にぬれた木の枝や針金など電気を通すものを巣作りに使う。電線に触れることで漏電やショートを引き起こし、停電につながる恐れがある。 名古屋市と近隣35市町村を管轄する名古屋支店は、昨年約100件の停電があり、そのうち約10件がカラスの営巣によるものだった。今年もすでに8件(6月5日現在)あり、4月上旬には名古屋市北区と西区で計約1400戸の停電があった。 名古屋支店では、素材に針金が使われるなど停電リスクの高い約2100カ
図1. オリオンKL電波源Iの想像図。大質量原始星の周囲に円盤が取り巻いており、円盤外縁部の表面からアウトフローが吹きだしている様子を描いています。 Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO) 研究の背景 宇宙には、さまざまな質量の星が存在します。太陽の10%以下の質量のものもあれば、太陽の100倍を超える質量を持つものもあり、実に多様性に富んでいるのです。一般的に星は、宇宙空間を漂うガス雲が自らの重力によって収縮することで誕生します。太陽のような小質量の星の形成過程は比較的よく解明されていますが、大質量星(太陽の10倍程度以上の質量を持つ星)の誕生メカニズムについては未解明の点が多く残されています。これは、小質量の星の数が豊富で、太陽系の近くに小質量星の形成現場が多くあって観測しやすいからです。一方で大質量星は数が少なく、形成現場も非常に遠くにしかないため、これまでは詳しい
物質のもとになる「分子」を組み合わせてできた、大きさが100万分の1ミリという「分子の車」による世界でも初めてのレースが、日本時間の28日から30日にかけてフランスで行われました。日本チームは、走行距離の記録を残したものの、2度にわたって車が壊れるトラブルが発生し、「途中棄権」という結果になりました。 「分子の車」は炭素や水素などの原子が数十個から数百個つながったもので、大きさは100万分の1ミリから100万分の3ミリほど、形はチームによってさまざまです。どのチームの「分子の車」も、特殊な顕微鏡を使って電気を流すと、車の一部が回転したり振動したりして前に進む仕組みになっています。 レースは直径8ミリの丸い形をした金の板の上で行われ、準備を含めて36時間の制限時間内にどれだけ進めるかを競いました。 日本からは、茨城県つくば市にある物質・材料研究機構の3人の研究者が現地に入り、顕微鏡の画像を見
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