「津波てんでんこ」 研究家死去 12月13日 19時3分 津波からいち早く逃げることの必要性を「津波てんでんこ」ということばを使って呼びかけてきた岩手県の津波の歴史の研究家、山下文男さんが、13日未明、入院先の盛岡市の病院で亡くなりました。87歳でした。 山下さんは、大正13年に現在の岩手県大船渡市に生まれ、昭和8年に三陸沿岸を襲った大津波で、一族9人を亡くしました。その経験から、津波の歴史の研究を進め、防災に関する本を数多く出版するとともに、大地震が起きたら、津波が来る前に家族がばらばらになってもいち早く逃げることの必要性を「津波てんでんこ」ということばを使って呼びかけてきました。また、おととしには、太平洋戦争の末期に当時の情報統制で詳細が明らかにされていなかった、東海地方で発生した2つの大地震の実態に迫った本を出版し、注目を集めました。山下さんはことし3月の震災当時、入院先の陸前高田市