■金融サービス業の人がマーケティングに取り組む時、まずは「定量的」な手法を好むことは以前にも書いたことがある。数字で結果が出るようなアンケート調査を行いたがり、それが複雑な解析手法で分析されていたりすると有り難がる傾向がある。 だが今のマーケティング界の1つの大きなテーマは「定性情報の活用」である。1つには定性情報をデータマイニングといった手法を使い分析するアプローチもあるが、もう1つは、定性情報を収集分析する専門マーケッターの養成が大きなテーマだ。今回はこの「定性情報の活用」について取り上げてみよう。 ●定性情報とは何か 統計的、あるいは情報学の分野では定性データ(qualitative data)とは、 ・名義尺度(性別、職業など) ・順序尺度(○○が一番好き・・、赤より黒が好き) ・態度尺度(○○についてどう思う・・・) の3つに区分する。この定性情報、とりわけ顧客のニーズや意見に関