『ドキュメント灰野敬二』が7.7から公開されている。映像の中の灰野さんは言葉を1つ1つ噛み締めるように、静かに熱く語っている。気が遠くなるように麻痺していく感覚。瞬間で満たすその圧倒的な音。『ドキュメント灰野敬二』はただただかっこよかった。インタビュー当日、緊張が溢れていたわたしに一言、灰野さんが優しく言ってくれたことがある。「緊張しなくていいよ。緊張するとね、僕にもそれが伝わって、そういうインタビューになっちゃうから。楽にね、全然問題ないから」と笑いながら。実際にお会いした灰野さんはただそこにそっと柔らかく存在していた、空気みたいに。そして、真意をつく独特のブラックユーモアのセンス。とても茶目っ気のあるキュートな方だった。映画のこと、黒を纏うこと、完全菜食主義について、川越のこと、そして、最後に一番聞きたかった宇宙観を伺った。「今まで僕のことを知らない人に観て、聴いてもらおうっていうある