8月22日に掲載した前回のコラム「サムスン移籍の理想と現実」は、当日のアクセスでトップとなり、筆者自身、大変驚いた。賛同や異論反論、批判など数多くのコメントをいただき、反響の大きさを実感した次第だ。筆者の意図がうまく伝わらなかったのか、誤解の多いコメントも散見されたが、今後もこうした忌憚のない意見をもらえれば幸いである。 前回のコラムの冒頭で、日本の大手電機メーカー各社でリストラが相次いでいることに触れたが、韓国サムスングループでは日常茶飯事といった光景だ。若手社員から幹部社員に至るまで、会社を去る人間は後を絶たない。 例えば若手社員の場合、グループ全体で大卒以上の新入社員数は毎年約1万に達するが、1年後にはその約10%が、3年後には約30%が去っていく。会社側が退社を命じているわけではない。最大の理由は、仕事がきつくて大変、あるいは社内の過酷な出世競争を目の当たりにし、自信を喪失すること