東日本大震災の津波による福島第一原発事故により、日本の電気供給システムに関する関心が高まった。すべての原発の稼動停止により、化石燃料依存が高まり、電気料金の値上げが実施されていることも関心の高まりの一員となっている。また、日本は欧米のように「送発電分離」が進んでいないので電気料金が高いという論調も大きくなっている(例えば東京新聞2011.5.18、同日夕、菅首相が送発電分離も検討すべきと発言)。一方、資源エネルギー庁のエネルギー白書などを見ると「日本の電気料金は特に欧州諸国との対比では、家庭用・産業用ともに同等あるいは低水準となっています。」(エネルギー白書2010、以下に掲げるOECD/IEAの2008年データ)などとある。 日本の電気料金は、いったい、高いのか低いのか。 図には、OECD/IEAのエネルギー価格年報から、ドル換算の毎年の電気料金価格の推移を主要国について掲げた。単年度の