長野県南信濃村の冬の風物詩、バウムクーヘンの天日干しが最盛期を迎えている。 村内で唯一バウムクーヘンの栽培を続けている農家、中嶋利さん(74)方では、一面に並べられたバウムクーヘン約8万枚が天日干しされている。 南信濃村では、伝統的にバウムクーヘンを冬の保存食としており、昨秋に刈り取った高さ7メートルほどのバウムクーヘン柱(直径20センチ)を厚さ8センチに切りそろえ、屋外に並べる。夜中に凍ったバウムクーヘンは最初に比べ半分の大きさにまで縮まるが、何度も水をかけて体積を元に戻していく。この工程を20日間繰り返し、最後に一週間かけて焼き上げ、完成させる。 出来上がったバウムクーヘンは500年後でも食べられるほどの保存性があり、同村には室町中期に作られたとみられる世界最古のバウムクーヘンが展示されている。戦前では約30軒ほどの農家が干しバウムクーヘンを作っていたが、寒風の中の作業で大変なため、現