僕はこのGXRを手にした瞬間、心に何か引っ掛かるものを感じた。過去にこのようなカメラを見たことがある。しばらく考えて、それはブロニカの「RF645」というカメラだと気がついた。ブロニカはブローニー版カメラの専業メーカーだった。のちにタムロンの一部門となり、2005年にカメラ事業から撤退している。その最後の機種となったのがRF645である。 発売時期が10年も違い、片やフィルムカメラでGXRはデジタルである。しかしそこには相似するものがいくつかある。まずデザイン。GXRの外観は、直線を基調としたクラシカルな雰囲気と、がっしりとしたグリップが目を惹く。このグリップの形状が、僕にデジャブを起こさせたのだ。 GRやGXのグリップが、フィルムカメラ時代のGR1のデザインを踏襲しているのに対して、GXRのそれは太く、スクエアだ。これはGR1から親離れをするためのきっぱりとした主張とも取れる。 二番目の