竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh 中部電力カーリング部 松村千秋インタビュー(後編) 日本選手権連覇を狙う中部電力。今や、チームの最年長となった松村千秋は、現在の若きチームをどう見ているのか。そして、彼女が目指すものは何か。話を聞いた――。 前編はこちら>> ――2018年の平昌五輪出場を逃したあと、同シーズンを最後に、チーム創部以来の唯一のメンバーである清水絵美マネジャーが、第一線から離れることになりました。その大きな出来事が、昨年の日本選手権優勝につながり、松村選手ご自身やチームを救ってくれた、という話(2月14日配信「松村千秋インタビュー(前編)」を参照)について、もう少し詳しく教えてください。 「もちろん、えみずさん(清水)がいなくなることで、アイス内外でのマイナスは大きかったです。不安
竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh 中部電力カーリング部 北澤育恵&中嶋星奈の「名コンビ」対談(後編) 初の五輪出場を目指して、日々鍛錬を重ねている中部電力。今回の日本選手権は、2022年の北京五輪出場権をかけた第一歩となる。そこでの奮起が期待されるフォースの北澤育恵とスキップの中嶋星奈に、大会への意気込みを聞いた――。 中部電力のフォースを務める北澤育恵――五輪出場へ向けて、重要な日本選手権が始まりました。同大会への抱負をうかがう前に、昨季から今季ここまでの過程を振り返っていただきたいと思います。よかった点、課題となった点など教えてください。 北澤 よかったことは、日本代表として臨んだPACC(※1)で、しっかりと世界選手権の出場枠を獲れたこと。あの大会は、アイスの変化が大きくてたいへんでしたけ
竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh 中部電力カーリング部 石郷岡葉純インタビュー(後編) 日本選手権で大会連覇を狙う中部電力。リードの石郷岡葉純も「目標は優勝」と語る。今回は、そんな彼女の素顔に迫りつつ、チームメイトについての話も聞いてみた――。 ――石郷岡選手のカーリング歴については、意外と知られていないような気がします。まずは、カーリングを始めたきっかけから教えてください。 「最初にストーンを触ったのは、青森のカーリング場で、小学校3年生の時です。チーム青森主催のカーリング体験会で、小笠原歩さん(※1)をはじめ、当時のチーム青森の選手に(カーリングを)教えてもらいました。 ※1=旧姓・小野寺歩。チーム青森のメンバーとして、2002年ソルトレイク五輪、2006年トリノ五輪に出場。その後、北海道銀
竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh 中部電力カーリング部 石郷岡葉純インタビュー(前編) 昨年の日本選手権において、2018年平昌五輪銅メダルのロコ・ソラーレを破り、全勝優勝を飾った中部電力。その後の世界選手権(デンマーク・シルケボー)でも4位という好成績を残し、さらに世界への扉を開こうと強化を続ける。目前に迫った今年の日本選手権(2月8日~16日/軽井沢)でも連覇が期待されるが、メンバーたちの手応えはどうか。まずはリードの石郷岡葉純に話を聞いた――。 ――ディフェンディングチャンピオンとして臨む日本選手権が、今年はチームの拠点となる軽井沢で開催されます。軽井沢開催と言えば、2017年大会も優勝されていますが、その時々で、チーム状況や大会への意気込みというのは違うものですか。 「2017年は、メデ
中国・深センで行なわれたカーリングのパシフィック・アジア選手権(以下、PACC)。日本代表として出場した中部電力は、チーム初の太平洋アジア王座を狙ったが、地元・中国と対戦した決勝で、8エンドコンシード(※1)による3-10と大敗を喫し、準優勝に終わった。 ※1=点差が大きく開いた際などに相手への敬意を示す握手を求め、すべてのエンドが終了する前に相手の勝利を認めること。 PACCで2位となり、世界選手権の出場枠を獲得した中部電力 ラウンドロビン(予選リーグ)は、順調に見えた。 大会序盤、会場の温度調節がカーリングに対応し切れず、アイスに霜が張るというタフなシチュエーションを強いられたが、中部電力はリスクを避けながらゲームを展開。ラウンドロビンは6勝1敗という成績で1位通過し、準決勝進出を決めた。 変化の多いアイスで戦いながら、準決勝も含めた8試合までに記録したビッグエンド(※2)の数は参加8
「満足感と悔しさは半々でした」 今年2月に札幌で開催された日本カーリング選手権を制し、3月にチームとして2度目の世界選手権(デンマーク・シルケボー)出場を果たした中部電力は、前回出場の2013年大会(7位)を上回る4位入賞という結果を残した。 これは日本代表としても、ロコ・ソラーレの準優勝(2016年大会/カナダ・スウィフトカレント)に次ぐ好結果だった。ラウンドロビン(予選リーグ)では、強豪カナダ代表から金星を奪うなど、世界のトップと互角以上に戦えるチーム力を存分に示した。 しかし大会後、フォース(※1)の北澤育恵は、「世界の舞台で戦えたのは自信になる」と手応えを口にしながらも、冒頭のようなコメントを残して、チームも、選手個々も向上の余地があるとした。そのうえで、さらなる高みを目指す意欲を見せて、こう語った。 ※1=4番目に投げる選手でフィニッシャーの役割を担う。 「私にはまだ(最後のショ
平昌からの1年半で変わったこと。 今、日本の女子カーリング界で最強といえば、中部電力である。この競技で思い出すのは、昨年開催された平昌オリンピックであろう。女子日本代表のロコ・ソラーレが見事、銅メダルを獲得して、カーリングは一気に盛り上がった。 今年2月に行われた日本選手権で、中部電力はこのロコ・ソラーレと3回戦い、3連勝して優勝したのだ。そして、世界選手権に出場。3位決定戦で韓国に敗れたが、4位入賞を果たした。平昌からほぼ1年半。なぜこんなにも短い時間で、素晴らしい進化を遂げることができたのであろうか。そう質問すると、リードの石郷岡葉純は、まずこう話し始めた。 「ポジション変更をしたんです。各人がどのポジションが合っているか、全員で話し合って決めました。自分を一番わかっているのは自分なので、それがよかったんだと思います」 簡単にカーリングのルールとポジションについて触れたい。まず、敵味方
「初めての世界選手権で、自分たちがどこまでできるかわかった」(フォース・北澤育恵) 「長い大会で最終日まで残れたのは自信になる」(サード・松村千秋) カーリング女子日本代表の中部電力が、7年ぶりに世界選手権(デンマーク・シルケボー)に出場して4位という好成績を残した。冒頭のコメントは、帰国した選手たちの第一声だ。選手たちは皆、疲労の色を少し見せながらも、それぞれ充実した表情で各々の思いを語ってくれた。 2016年のスウィフトカレント(カナダ)大会で、ロコ・ソラーレが日本勢初の世界選手権でのメダル(銀)を獲得した。それに次ぐ今回の4位という結果は、2008年のバーノン(カナダ)大会でチーム青森が残した成績と同じだが、当時は参加12カ国だったことを思えば、今回のほうが躍進という印象が強い。快挙とまではいかなくとも、大健闘と言っていいだろう。 世界選手権で4位という好結果を出した中部電力。左から
カーリングの女子世界選手権最終日は24日、デンマークのシルケボーで3位決定戦が行われ、日本代表の中部電力は韓国に5-7で敗れ、4位に終わった。 第9エンドに2点を奪い、5-4とリードしたが、最終第10エンドに3点を奪われ、競り負けた。日本勢としては2016年に準優勝したLS北見(現ロコ・ソラーレ)以来、3大会ぶり2度目のメダル獲得を逃した。 中部電力は23日のプレーオフでロシアに11-3で快勝したが、準決勝では平昌冬季五輪金メダルのスウェーデンに3-6で敗れた。(共同) 松村千秋の話「負けた試合もたくさんあるけど、その中から学ぶこともたくさんあったので、すごくいい大会になった。世界選手権で表彰台争い、もしくは優勝できるようなチームになっていきたい」 中嶋星奈の話「悔しい。決勝トーナメントでは調子が悪くて足を引っ張ってしまった。また練習を頑張ってパワーアップしていきたい。投げと技術をもう少し
6勝6敗のタイで終えたラウンドロビンを総括するのは、平昌五輪の男子代表で、現地でテレビ解説をしている両角公佑(ANAビジネスソリューション)だ。この秋から中部電力のコーチに就任した両角友佑の実弟でもある。 「もちろん、世界戦ですから勝ったり負けたりです。でも、どの試合も自分たちのゲームをやり切って、あるいはトライしての結果ですから、敗戦にも引きずられることなく、うまく切り替えていますね。特に年下3人は初めての世界戦とは思えないです。僕とは違って」 両角公自身、初めての世界戦では「普通と思っていたんですけど、それも分からないくらい緊張していたんでしょうね」と1投目のガードストーンが、遥かにハウスを超えてしまった苦い経験があるという。 大会が開催されているシルケボーのスポーツセンター バックアップは万全と言っていい 確かに中部電力の若い3人、石郷岡、中嶋、北澤は特にリラックスしてゲームに向き合
チーム最年少で新スキップの中嶋星奈は小首を傾げ、笑いながらチームのフィニッシャーである北澤育恵について言い放った。昨年の夏のことだ。 中部電力はワールドカーリングツアーの国内タイトル「どうぎんカーリングクラシック」に出場していた。平昌五輪というマイルストーンは過去のものになり、チームは次の4年、北京五輪を目指し、そこで勝てるチームに強化すべく、新しい布陣を模索している過程だった。 創部からの唯一のオリジナルメンバーで、昨季まで主将としてチームを牽引していた清水絵美をマネージャー兼フィフス(控え選手)としてコーチボックスに置く。 安定したショットとスイープが求められるリードに石郷岡葉純、チーム最年少の中嶋をセカンドの投げ順ながら司令塔・スキップに抜擢し、スイープとショットでリスク管理をする攻守のスイッチャーとして松村千秋をサードに。そして得点に直結するポジション、最後に投げるフォースを北澤に
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