☆★☆★☆ジム・ローチ監督の作品「オレンジと太陽」(原題「オレンジ・アンド・サンシャイン」、2010年、英豪合作、106分)を試写会で観た。原作は、英ノッティンガム在住のソーシャルワーカー、マーガレット・ハンフリーズの著書『からのゆりかご-大英帝国の迷い子たち』。 ★4月14日から東京・神田神保町の「岩波ホール」をはじめ、全国で順次公開される。 英国政府が児童養護施設などに預けられた白人児童を長年にわたって、制度的に旧英植民地(その後の独立国)に移住させていた史実を、移住先を豪州に絞って描いている。 1973年まで存続していた悪名高い人種差別政策<白豪主義>の一端を強制的に担わされていたのは、不幸な子どもたちだった。この過酷な歴史的事実を突きつけられ、胸が痛んだ。 この事実を暴き出した原作を踏まえた、極めて重要にして重厚な劇映画である。 豪州政府は09年11月16日、英国政府は10年2月2