琴欧洲との取り組みを前に、大きく息を吐き目を閉じる魁皇=愛知県体育館で2011年7月19日、兵藤公治撮影 幕内在位107場所。2カ月に1度の本場所を18年近く勤め、ようやく到達する数字だ。気が遠くなるような道のりを歩んできた魁皇が、土俵に別れを告げた。 体の手入れを怠らなかったことも、力士寿命を延ばした。24歳だった97年夏場所で左足付け根に大けがをし、故障との長い闘いが始まった。以後、腰や両足の痛みに次々と見舞われたが、取組前後のマッサージでケア。節制を重ねて170キロ台の体重を10年以上キープした。その結果、右上手をつかめば負けないという「型」で押すことができた。 魁皇がトップに立つ幕内勝利数の2~6位は、上から千代の富士、北の湖、大鵬、武蔵丸、貴乃花。また、優勝5回は柏戸らと同じ回数。一時代を築いた横綱たちに引けを取らない数字を残しながら、最高位に届かなかった。一因は、優しすぎる性格