あけましておめでとうございます。 昨年12月の共産党政治局会議、およびその後の中央経済工作会議で約二年ぶりに「適度に緩和的」な政策スタンスからの転換が打ち出され、そこから間髪を要れずに政策金利の引き上げが行われたことで、これから中国はインフレと高成長のバランスをどうとるのか、ということが改めて注目をあつめている。そこで、以下では新春らしく、簡単に今年の中国経済のマクロ的な展望を分析しておこう。 中国のマクロ政策を考える上でとても重要だと思われるのに、ほとんど言及されることがないのがCPIから生鮮食料・エネルギーの上昇分を取り除いたコアCPI(日本におけるいわゆる「コアコアCPI」)の動向である(上図の赤い折れ線。データはCEICより入手)。 これをみると、リーマンショック前、CPI(青い折れ線)のかなりの上昇が見られた状況の中でもコアCPIは1%を若干上回る水準でほとんど変動していないこと