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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (78)

  • IS-LMの発端:ヒックス「ケインズ氏と『古典派』たち」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ベネチアの運河のほとりで、趣味の翻訳の続き。これぞIS-LMモデルの出発点。 J. R. ヒックス『ケインズ氏と「古典派」たち』 ほとんどの人はヒックスの原論文を読んだことがないはずなので。しかしこれでわかること。 ヒックスもちょー性格わりぃ。特に冒頭部分のぶちかまし方は……陰湿な日の風土なら一斉ハブ攻撃レベル。 もっとケインズ様マンセー論文だと思っていたら…… ケインズがこれを見て「古典派の扱いがよすぎる」と文句を言ったのもよくわかる。 しかしこのまとめは見事。ヒックス、天才。やはり歴史に残る名論文だと思う。 で、その後ヒックスが、このすべてを否定したとかいうIS-LM: An Explanation (1980) が読みたいんだが、どっかに転がってないものだろうか? jstorとかにあるはずなんだけど…… 付記:……と書いたら、すかさずこっちに転がってきた。TNX!! うーむ、ケイン

  • ケインズ「一般理論」山形浩生訳(部分):新しい、英語知ってる、原文に忠実。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ホント、みんなケインズの英語が名文すぎるとか実に難解だとかなんとかいうけど、ふつうだよ。当時の人の多くはああいう書き方したんだよ。マーシャルとか読んでごらんよ。みんな、自分の英語力がないのをごまかそうとして、わかりもしないのに美文だとか言ってるだけ。 すでに要約は一通りあげたけど、そんなに難しいと思わなかったし、普通に訳してみたよ。古くてうだうだしい感じを吸収するために、ですます調にしてみた。関係代名詞で長くだらだらつなげる文章は、遠慮なくぶった切った。でも、ケインズなんてこんなもんだよ。 ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』山形浩生訳(全訳) (pdf 780kb) これまでの訳は、英語経済学もよくわかってないやつが、もったいつけてむずかしく訳そうとするから難しくなってただけの話なんだよ。 まあこの調子で全訳あげるかどうかもわからないけど(スミスとマルクスも途中なんだよなあ)……とい

  • 宇沢弘文「ケインズ『一般理論』を読む」(岩波現代文庫) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ケインズ『一般理論』を読む (岩波現代文庫) 作者: 宇沢弘文出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/08/19メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 53回この商品を含むブログ (13件) を見る 『一般理論』の解説としてはまとも。でも、これ読んで『一般理論』がわかるのかなあ。 一般理論の個別の章に沿って、あれやこれやと説明していくんだけれど、個別の章の話にいきなり入ってしまう。その前に全体の構成と論旨についての説明があってしかるべきじゃない? とにかくすべての部分で、全体像が提示されないうちから細かい個別の話をしすぎて、実に見通しが悪い。 あと話が全体にとてもうだうだしい。ケインズ経済学は、iS-LMモデルが期待の役割をはっきり反映していないので、期待を重視しないと思われているし、それがその後のフリードマンに始まる批判の入り口になった。でも、ケインズ自身は期待をとても重視して

    宇沢弘文「ケインズ『一般理論』を読む」(岩波現代文庫) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    walwal
    walwal 2011/08/17
    学生時代、途中まで読んで挫折しましたorz/全体の見通しが悪すぎるという指摘に同意。
  • ルッツァット「反ファシズムの危機:現代イタリアの修正主義」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    反ファシズムの危機―現代イタリアの修正主義 作者: セルジョルッツァット,Sergio Luzzatto,堤康徳出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/05/26メディア: 単行 クリック: 57回この商品を含むブログ (7件) を見る 反ファシズムへの批判に対する痛烈な反批判、と見返しには書いてあるが、全然そんなふうには読めなかったんですけど。 ファシズムに対して戦後のイタリアでは、当然ながらファシズムを絶対的な悪として批判する反ファシズムが強かったんだけれど、もうリアルタイムで第二次大戦を経験した連中はみんなロートルになってきて、もうかつてのような強い反ファシズムは維持できない。それどころか、その反ファシズム連中がネコもしゃくしも気にくわないものすべてをファシスト呼ばわりしたもんで、いまの多くの人はファシズムって何だかよくわかんなくなってきた。そしてまた反ファシズムは、(実は

    ルッツァット「反ファシズムの危機:現代イタリアの修正主義」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ドライヴァー『FBI式 人の心を操る技術』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    FBI式 人の心を操る技術 (メディアファクトリー新書) 作者: ジャニーン・ドライヴァー,高橋結花出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2010/06/29メディア: 新書購入: 9人 クリック: 259回この商品を含むブログ (18件) を見る 特にボディランゲージ中心に、人の考えていることを見破って心を引きだそうというで、FBIも使ってる技術だそうな。で、そのボディランゲージを使うことで、デートとか交渉ごととかでも、話を自分に有利なほうにもっていけるよ、という実用。ふーん。ボディランゲージとしてはそれなりにおもしろいのでは? これはそのまま日でも通じるのですか、とか、ボディランゲージはどこまで偽装できるんですか、とか疑問はわくけれど、話のタネにはなりそうだし、トンデモなことも書いていないので、相手に体を向けるとか話をきくようにするとか、書いてあることを少しやって

    ドライヴァー『FBI式 人の心を操る技術』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    walwal
    walwal 2011/07/19
    新書で手軽に買えるから、買ってみるか。
  • ベーコン『アート・オブ・コミュニティ』:是非ともやりたかったんだが。紹介しないのが惜しい本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには (THEORY/IN/PRACTICE) 作者: Jono Bacon,渋川よしき出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2011/05/26メディア: 大型購入: 38人 クリック: 1,022回この商品を含むブログ (30件) を見る 最近のオライリーはMake 関連のおかげもあって、コンピュータ書の枠におさまらない一般性のあるヒットをたくさん飛ばしている。その筆頭格が「子どもが体験するべき50の危険なこと (Make: Japan Books)」と並んでこの。いまや Linux を代表するディストリビューションとも言うべき ubuntu (でも最近いじってねーや。がんばらないと) を例に、ボランティアのコミュニティをどうまとめ、どんな形でみんなのやる気を引き出し、トラブルを解決して目的を実現するか

    ベーコン『アート・オブ・コミュニティ』:是非ともやりたかったんだが。紹介しないのが惜しい本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 新幹線を運転、人妻、カツ丼 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    なんだか新書シリーズを出しているメディアファクトリーが、出す新書を送るので、ウェブなどでコメントしてくれ、とのこと。ほめる必要はないとのことなので、ここでやることに。特にお金はくれないとのこと。

    新幹線を運転、人妻、カツ丼 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    walwal
    walwal 2011/07/14
    メディアファクトリー新書のコンセプトは読み捨てなのかφ(..)メモメモ/まあ、良い言葉を使えば気軽に読めて時間をつぶせますよと言うことかなw
  • タイミングがあわずに採り上げられないのがとても残念。今後日本のインフラ更新や維持のためにすべきことを具体的にまとめたよい本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機 作者: 根祐二出版社/メーカー: 日経済新聞出版社発売日: 2011/05/25メディア: 単行購入: 41人 クリック: 617回この商品を含むブログ (20件) を見る これはとてもよいだし重要なテーマを扱っているので、スペースやタイミング的な問題で採り上げられないのは残念。上下水道や学校その他、各種の公共インフラ(書では主に地方自治体負担分)がどんどん老朽化しており、改修更新が必要なものがどんどん増えている。そのための公共投資は莫大なものとなるので、いまから戦略的に考えておかないと大変、というもの。 その計算方法と今後の資金確保の方策などはきわめて具体的で現実的。高度成長期の想定で作られたインフラをそのまま維持することはできない。やはり人口減少に伴い、必要インフラが減ることを考え、優先順位をつけて経費を圧縮しつつ、インフラの廃止を考

    タイミングがあわずに採り上げられないのがとても残念。今後日本のインフラ更新や維持のためにすべきことを具体的にまとめたよい本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • 初歩から最先端の成果までを実に平易に説明、日本の研究水準紹介としても有益。あとは値段さえ…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    自己変革するDNA 作者: 太田邦史出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2011/01/21メディア: 単行購入: 29人 クリック: 1,105回この商品を含むブログ (5件) を見る みすず書房で「画期的概念の創出へ」などと帯の背に書いてあるもんで、また例によってDNAのトンデモ解釈に変な現代思想をからめて悦に入ってるようなアホダラ経じゃねえだろうなあ、と警戒して読みはじめたが、まったくの杞憂。実にすばらしい。 DNAとは何か、という初歩の話を、ワトソン=クリックのエピソードもからめて楽しく説明、その後だんだん高度な内容にまで入る。DNA修復の話と時差ぼけ解消の日向ぼっこの関係、有性生殖の意義など、おもしろい話も(ちゃんとまじめな内容と関連づけて)満載。そして、その有性生殖の話を一つの核に、遺伝子の組み換えと、書のタイトルでもある自己変革につながるあたりは、面倒な話を当にわ

    初歩から最先端の成果までを実に平易に説明、日本の研究水準紹介としても有益。あとは値段さえ…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    walwal
    walwal 2011/06/28
    購入リストに入れておくか。
  • だれかの設定に基づくアニメの話だけで、一般性ある「自己/自我」の話はできない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    SFで自己を読む: 『攻殻機動隊』『スカイ・クロラ』『イノセンス』 (青弓社ライブラリー) 作者: 浅見克彦出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2011/05/22メディア: 単行 クリック: 101回この商品を含むブログ (3件) を見る 押井守のSFアニメをもとに、自己とか自分とかいう概念のふしぎさと奥深さみたいなものとの関わりを表現しようとしただが、成功していない。 自己というテーマはおもしろいし、それを考えるうえで、アンドロイドや人形――押井守が好きなテーマ――に対する人間の態度が重要、というのは事実。でもそれぞれのレベルで何を語らせるかが重要。小説やアニメの登場人物の行動、学者の単なる感想文、多少は説明に使えそうな仮説、実証的な裏付けのある理論、それらをきちんと分けないと、著者として何に何を説明させたいのかがさっぱりわからず混乱するばかり。 ところが書は、それらをすべていっ

    だれかの設定に基づくアニメの話だけで、一般性ある「自己/自我」の話はできない。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • サーヴィス『レーニン』(上) 岩波書店 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Formerly supported by WindowsLiveJournal

    レーニン (上) 作者: ロバート・サーヴィス,Robert Service,河合秀和出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/03/22メディア: ?行-精装購入: 4人 クリック: 262回この商品を含むブログ (2件) を見るレーニンについて、白井「「物質」の蜂起を目指して――レーニン、〈力〉の思想」など恣意的な解釈にばかり耽溺するようなが出てきたので、基的な全体像を抑えるべくレーニンに関するをいくつか読んだ。その中で最も標準的で歪曲のない、レーニンの優れていたところと欠点とをバランスよく記述した伝記。原著も、レーニン伝の定番として評価が高い。 社会主義屋にありがちな、レーニンは正しくて、社会主義の悪いところはすべてスターリンがレーニン思想をゆがめただけ、というような変な持ち上げ方もしておらず、一方でかれがその後の強制収容所国家のすべての元凶たる悪魔だといった書き方もし

    サーヴィス『レーニン』(上) 岩波書店 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Formerly supported by WindowsLiveJournal
    walwal
    walwal 2010/07/16
    「Amazon Rejects」タグがついているが、読んだ所、どこの部分が引っかかったのか分からない。バランスのとれた書評だと思うのだが。
  • 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Supported by WindowsLiveJournal - クイズ:経済学者3人にきいてみました。

    生産性の議論が勝手に終わったことにされてしまった(でもなんか続いているようだ)、ちょいと寂しい山形@ガーナです。が、It ain't over till it's over ということばもございます。もう少し続けるよ。 ただ、理論的にはぼくはこれ以上言うことがない。池田くんの議論(の変な部分)はご自身のコメント欄で論破されている。ぼくのほうも言うべきことはすべて言っているので、これ以上の理屈で何を言っても、いままでの説明を繰り返すしかない。これまでの話で理解できなかった人は――そしておそろしいことに池田くんの議論に納得してしまった人は――それではまったく追加の判断材料を得られないだろう。 唯一言うとすれば……池田くんはしつこく、同じ経済の中での格差の話をしている。同じ経済の中での賃金差は、平均的な生産性では説明できない、と。はい、その通り。でもそれが何か? ぼくは最初から、同じ経済の中での

    walwal
    walwal 2007/02/19
    本筋とは関係ないけど、海外の経済学者って気さくな人が多いのかなぁ?
  • 山形より上手でていねいな説明をごろうじろ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ガーナはネットがダイヤルアップしかないよう! 21 kbps しか出ないよう! ブチブチ切れるよう! 一年前から状況がまったく改善されてないよう! そんなこんなで、その後の展開を全部は見きれてないけど、池田くんの言う「メカニズムがない」というのがそういうレベルの話だとは思いもよりませんでしたよ。それに対する説明としては分裂かんちがい劇場の図解を読んでおいてください。I couldn't have said it any better. 付け加えることはほとんどありません。これでも池田くんが説得されるとは思えないけれど、たぶん半年くらいして別の議論をしているときにハタと思い当たって赤面したりしてくれるといいな。 あと、野次馬諸君のなかで外貨がどうしたこうした言ってるおばかさん、外貨なんてまったく関係ありませんよ。これも分裂かんちがい劇場をよく読めばわかりますので。 すみませんねえ、来なら楽

  • 生産性の話の基礎 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    「ゴッドランドの経済学」で生産性の話を書いて、インドから戻ってきてみると反応がいろいろついてた。この連載はその意味で毎回楽しいね。もちろんそれが楽しいのは、読者のみなさんが有益で生産的な議論をいろいろ展開してくれるから……ではない。はてなブックマークにしてもトラックバックにしても、多くは単なるバカと無知の表明にすぎないものばかり。ぼくがまったく考えなかったような論点を指摘してくれるものなんてほとんどありゃしない。きみたち、ワタクシを震撼させるような議論ができないのかね!! ……って、できるわけがない。だってぼくが書いていることは経済学のほんの基礎の基礎で、考えられる反論や揚げ足取りはもう過去 100 年以上で出尽くしてるんだもん。でも、それはそれでありがたいのだ。というのも、何をぼくが説明しなきゃならないかがかなりよくわかるし、その説明内容がかなり基礎的なものでいいことが見えるからだ。 そ

  • 日本の教育ってそんなにすごいと思われてるのか! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    こないだ、一泊四日という強行軍で、日の発展と教育についての話をクウェートでしてきたのだ。日教育は高い経済成長の原動力となりました、でもつめこみ教育やゆとり教育でなかなかうまくいかないし、問題も多発してますよ、というごく標準的な話だ。いや、標準的でもないな。ぼくは日教育が経済成長の原動力といえるかについて、ちょっと疑問を抱いているもので、なぜそれが疑問なのかについてもいろいろしゃべったのだ。この話はまたあとでしよう。 で、みんな結構おもしろがってきいてくれたんだけれど、クウェート側から出た質問で非常に意外だったものがある。「いや俺たちはクウェートの教育がだめで、日教育は完璧ですばらしい成果をあげていると思っていて、今日はいろんなサクセス・ストーリーが聞けると思っていたら、そんなにいろんな問題を抱えているとは知らなかったよ」というものだ。 えー、日教育ってそんなすごいものだと

    日本の教育ってそんなにすごいと思われてるのか! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    walwal
    walwal 2006/12/08
    海外では「日本教育神話」(って言えばいいのか?)がまだ信じられているらしい
  • 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Supported by WindowsLiveJournal - アフリカのエイズの新しい分析……それと経済学の何たるか。

    ちょっと間があいたので、他人のふんどしで相撲をとろう。 経済学お金だけの学問じゃない。 今年の経済書で、話題性から見てもおもしろさから見ても重要性から見ても、ぼくはレヴィット&ダブナー『ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』がダントツだったと思う。その重要性その他(そしてそれについてまるっきりピンときていないとおぼしき業界への不満)は、『論座』の書評に書いた。経済学は経済成長ばかり重視するとか、それ以外のものを見ていないのではないかとかいったことを、何やら大発見のように言い立てる人は、素人ばかりでなく、実は経済学のかなりえらい人でも(救われないことに)結構いる。そしてその指摘自体はまちがいじゃない。経済学に限らず、あらゆる分野において、新しい領域を切り開ける人は少なくて、たいがいの人はすでに確立されているもののちょっとした変奏しかできない。お金は数値化できるし、数学の道具立てを

    山形浩生 の「経済のトリセツ」  Supported by WindowsLiveJournal - アフリカのエイズの新しい分析……それと経済学の何たるか。
  • 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Supported by WindowsLiveJournal - 経済成長の意味。

    ここでのやりとりを見ていて思ったこと。 http://bewaad.com/20061103.html#p01 もう経済成長はいらないとか、お金だけがだいじなのではない、とかを他人に対して(それはたとえば「日は」とか「人々は」とか「先進国は」といった表現になることも多い)口走る連中は、みんな衣足りているどころか飽している人々だということ。そしてその人々が、そのだいじでないはずのお金を手放そうとしたりすることはおそらくほとんどないということ。 が、それより重要なこととして、そうした人々の多くは想像力が欠如していること。経済成長ってことの意味がまったく理解できていない。 ぼくたちが経済成長するということは、別にぼくたちがお金を貯め込むということではない。たくさん生産して、その分たくさん買うようになるということだ。そしてその買う相手は日だけじゃない。アメリカやアジア、各種発展途上国もある

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  • マイクロファイナンスあれこれ:来世を借金のかたに取る - 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Formerly supported by WindowsLiveJournal

    ノーベル平和賞をグラミン銀行とその親玉が受賞したとのこと。大変結構。おかげでぼくが昔書いたグラミン銀行に関する解説も、再び読まれているみたい。マイクロファイナンスやグラミン銀行に関する文書はそれなりにあるけれど、勝手な思いこみに基づいているだけのものも多いし、ましてぼくみたいに実際に訪問してインタビューした人間というのはそうそういないから、まあ精々勉強してくれたまえ。5年前の文章だけれど、まったく訂正の必要なく現在でも立派に通用するのはわれながら大したもんだ。 さてあの文章のポイントは、マイクロファイナンスといえども人の善意なんかに頼るのではなく、ちゃんと人が借金を返さざるを得ないような仕組みを作っているんだよ、ということだった。グラミン銀行の場合には、それは村落共同体における五人組の連帯保証システムだった。が、他にもやり方はあるのだ。要は、その人が失うと困るものをちゃんと押さえておけばい

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