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ブックマーク / charkid.seesaa.net (5)

  • 新しい金ぴか時代: 愚の論理

    所得格差の拡大が指摘されて久しい。いま、世界は二つの「金ぴか時代」を迎えているーー発展途上国も先進国も、ともに。19世紀末に泥棒男爵が経済を席巻していたのと似たような状況なのが前者であり、グローバル化による低賃金労働力との競争と機械化による人員削減に曝されているのが後者だ。書は古今の実務家がいかなる生態であるのかを描写してゆく。 Crystia Freeland, "Plutocrats: The Rise of the New Global Super-Rich and the Fall of Everyone Else" かつて所得階層の最上段を占めたのは大地主だったが、現在では高い報酬を受け取る労働者だ。ウォールストリートのトップたちは、その社内の働き手と比べても遥かに高い給与を受け取っている。トップ1%内部でも競争は激しく、トップ0.1%との差は拡大していっている。教育への熱は高

  • うつるんです: 愚の論理

    ネットを漂流すると、色んな炎上が散見される。ではどんなコンテンツが広がりがちでどんなコンテンツなら広がらないのだろう?それを調べているがあった。 Contagious: Why Things Catch On, by Jonah Berger もちろん売り出しに成功しているものだけをみてもしかたない。失敗しているものを含めて比較しないと意味が無いのだ。事例と統計によって筆者は以下の6つの要因(STEPPS)があると説いていく; 1. イケてること(Social Currency) その内容を話していると格好良く見えるような内容を語りたがるもの。良い印象をもたれたいのが人間というものだ。希少であったり排他的であったりすると、自分がその製品の仲間であると思うようになる。秘密にしてねと言われた「からこそ」ついしゃべってしまった経験は誰にでもあるだろう。そんな気持ちを利用して口コミで広まる秘密の

  • 繁栄へのキーは信頼: 愚の論理

    吸血経済学者、オキシトシンの威力を語る。 "The Moral Molecule: The Source of Love and Prosperity", by Paul Zak 1章はトラストゲームについて。妊娠に関わる女性ホルモンのオキシトシンは、トラストゲームにおいてどれだけ相手を信頼して振る舞うかどうかにも関連する。国富論で自己利益の追求が社会に善をもたらすかもしれないと説いたアダム・スミスは、道徳感情論では共感のもつ重要性を理解していた。一方経済学は彼の後自己利益の追求というモデルを追うことになった。 2章は信頼の進化について。オキシトシンの供給はセロトニンとドーパミンの供給を引き起こす。セロトニンは不安を打ち消し、ドーパミンは目標達成する気分にさせる。オキシトシンを与えられた被験者はトラストゲームでも最後通牒ゲームでも相手を信じてより多くを分配するようになる。 3章は共感につい

    walwal
    walwal 2012/06/11
    いろんな経済学者がいるもんだw 「吸血経済学者」/しかし、「オキシトシン」というホルモンは広範囲に影響を与えているのね。
  • AIDSの起源: 愚の論理

    AIDSの起源を辿ってみた。 "The Origins of AIDS", by Jacques Pepin 1章は基知識。DNAは代を重ねれば重ねるほど多様になる。最も細菌が多様なアフリカに起源がありそうだ。 2章はチンパンジーについて。種によって広がる細菌の型が違う。 3章は発生期について。1930年代のコンゴでの鉄道建設にあたった労働者の中に、AIDSとおぼしき症状の患者が多数いるようだ。分子時計を利用し、1921年頃に発生したのではないかと推測している。 4章はチンパンジーからヒトへの感染経路について。ポリオワクチンにチンパンジーの血液が混ぜられたためだとか、チンパンジーの血液をヒトに注射していた実験のせいだとか、臓器移植の実験のせいだとかいった仮説は棄却されている。ハンターもしくは料理人から感染したのではないかと推測され、感染確率の概算がある。 5章は中央アフリカ歴史について

  • データ公開と科学の加速: 愚の論理

    ネットによって知の発見はこれまでになく加速している、そんな現状を分析したを紹介してみよう。タイトルは"Reinventing Discovery"、著者は量子コンピュータを専門にするMichael Nielsen。 科学は慈善事業じゃない。競争は激しく、週80時間労働する若い学者はザラだ。大事なデータを公開したらライバルに出し抜かれるかもしれない。論文を書き上げるという旧来の目的を持ったブログ(PolyMathなど)は成功しているけど、ウィキペディアやGenBankみたいなプロジェクトは最初は上手く始動しなかった。著者はIT技術の発展によって科学発見の過程が緩やかな革新を経験しつつあるととらえており、その利点を活かすにはどうしたらいいか考察していく。 1部では集合知の高めかたについて。バカとネットは使いよう:チェスの伝説的王者たるカスパロフと接戦に持ち込んだのは、世界中のチェスプレイヤー

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