いま、福島で荒れ狂っている原発をみていて、今年、生誕100年をむかえる、花森安治のこの文章を思い出した。 もうけてなにがわるい、という、そのとおりだ。 他人の不幸を踏み台にして肥ったりせず、 人間の弱点につけこんで売り上げをのばしたりもせず、 ぼくらの暮しに役立つ いい品だけを作ったり、 売ったりしているかぎり、もうけてわるいはずがない。 そんなふうに考えて、仕事をしている会社や人間だったら、 大いにもうかるのが、ほんとうなのだ しかし、いま、そんな会社や人間が、 どれだけあるというのか。 ひとの暮しに役に立たなくても、 人の暮しをダメにすることがわかっていても、 売れさえしたら それでいい、 売れるためなら、どんなことでもする、 そんな会社や人間ばかりだ。 そんな会社や、そんな会社の後押しをした政府が、 いま、日本の繁栄をつくりあげてやったのは、 じぶんたちだ、と胸を張っているのだ。 そ