26日投開票の自民党総裁選で新総裁に選出された安倍晋三元首相の経済政策は、経済成長とデフレ脱却を重視する「上げ潮」路線が濃厚だ。デフレ下での消費税率引き上げには否定的で、日銀に対してさらなる金融緩和を求めている。政府が決定した2030(平成42)年代の「原発稼働ゼロ」目標を「無責任」と批判するなど、野田佳彦首相の政策との違いが目立つ。 「デフレから脱却し、経済を力強く成長させないといけない」。安倍氏は総裁選を通じてこう訴えた。成長戦略の推進のため、「日本経済再生本部」を創設。産業構造の転換や雇用創出を進める考えを公約に盛り込んだ。 消費税率を平成26年4月に8%、27年10月に10%に引き上げる社会保障・税一体改革関連法をめぐっては、デフレから脱却できない場合は、税率引き上げは先送りすべきだと強く主張。食料品など生活必需品の税率を低くする「軽減税率」の導入を促している。