CD不況が取りざたされるようになって久しいが、いまでもなおレコード屋は僕たちにとって馴染み深い存在だし、棚いっぱいのCDや試聴機に囲まれれば、僕のようなアラサー男でもスイーツ・ビュッフェに来た女子高生並みにテンションがブチアゲになってしまうのは音楽好きあるあるだと思う。 とは言っても、僕も現代人の端くれとして人並みに利便性も追求したいわけであって、数年前、所有するCDのデータベース化を決意し、某・音盤同盟さんで計500枚近くのCDを買い取ってもらった。その頃の僕はミニマリストの著書(レコード・コレクターにとっては禁断の書物であろう)に感化されたてホヤホヤだったとはいえ、思い切った決断だったと思う。直後は喪失感もあった。物理的な意味だけではなく、情緒的にもだ。 学生の時分、なけなしの小遣いやバイト代をつぎ込んでは買い揃えてきたものもたくさんある。社会人になり、羽振りが良くなった頃に大人買いし