自民党は21日、昨年12月に参院で可決された野党提出の「郵政株式売却凍結法案」を今国会中に衆院で採決せず、廃案とする方向で調整に入った。麻生太郎首相の凍結容認発言が党内に波紋を広げており、このまま野党の求める採決に応じた場合、民営化賛成派と見直し派の対立を助長しかねないと判断した。 凍結法案は、政府が保有する持ち株会社「日本郵政」の株式と、同社が持つ「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」の株式の売却を当面停止する内容。大島理森国対委員長が19日、国民新党の糸川正晃国対委員長に衆院での修正協議に応じる考えを伝えていた。 しかし、麻生政権で造反組が復権したうえ、首相の勇み足気味の凍結発言もあり、自民党内では「小泉改革の否定だ」との不満が続出。このため大島氏と山口俊一首相補佐官が21日、国会内で対応を協議した。大島氏は会談後、記者団に「与党内で協議し、結論次第では廃案もあり得る」と述べた。 短期間で