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ブックマーク / blog.tatsuru.com (59)

  • 統一教会、安倍国葬について他 - 内田樹の研究室

    あるネットメディアからインタビューを受けた。もう公開されているので、少し長い別ヴァージョンをあげておく。 ―これから安倍系右翼はどうなると思いますか? 内田 おっしゃっている「安倍系右翼」という言葉の定義を僕は知らないのですけれど、言いたいことは何となくわかります。それが「安倍晋三という個人の求心力やカリスマ性に依存して存在感を発揮していた政治勢力」という意味でなら、その人たちはこの事件をきっかけに力を失い、弱体化すると思います。 実際に安倍元首相の死後、彼の庇護下でこれまで「いい思い」をしてきたネット論客たちはいまほぼ沈黙状態にあります。どういうスタンスでこの事件に向き合って良いのかについての組織的な合意形成ができていないのでしょう。もともと安倍晋三個人が手作りしたネットワークですから、ハブが不在になると、合意形成のための場も、ルールもない。代わりを務めることのできる人がいない。ですから

  • 統一教会問題についてのインタビュー - 内田樹の研究室

    ::: ― 安倍首相と統一教会の関係がクローズアップされていますが、内田さんは旧統一教会とのかかわりはありましたか? 内田 統一教会と勝共連合の名を知ったのは1970年代はじめです。でも、名前だけで実体は知りませんでした。学部の頃は新左翼の時代ですから、原理研の活動する余地なんかありませんでした。院生になった頃にはじめて「原理」という名前を学生たちの口から聞くようになりました。勝共連合が60~70年代の全世界的なベトナム反戦運動や、学生運動・市民運動・労働運動、革新自治体の広がりといった「左傾」に対抗するために日韓の極右が連携して作った組織で、岸信介、笹川良一、児玉誉士夫らが絡んでいるということもその時に知ったと思います。 - 先生と統一教会の接点は? 内田 一度だけあります。75年に大学を卒業する時、統一教会から「3週間無料アメリカ旅行ご招待」という案内が来ました。卒業生全員にばらまいた

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    Barak 2022/07/25
  • 統一教会というタブー - 内田樹の研究室

    信濃毎日の先週号に寄稿したものをブログに採録しておく。 安倍元首相の暗殺事件を契機に、久しぶりに「統一教会」という文字列がネットや新聞紙面を賑わすことになった。当初大手メディアは政権に配慮してか、この固有名詞をひた隠しにしてきた。なぜこの銃撃事件とカルトの間に関係があるのか、それを説明することが政権にとって痛手になることが予測されたからである。しかし、隠し切れなかった。 自民党にとって頭の痛い問題は、統一教会の広報誌に登場したり、教会や関連団体のイベントに参加したりしていた所属議員たちが統一教会の危険性をどれくらい認識していたのか、それを問われた場合である。 「危険な団体だとは知らなかった。世界平和と家族のたいせつさを訴える穏健な団体だったと思っていた」というのがさしあたりの「模範回答」だろうが、これは端的に嘘である。全国霊感商法対策弁護士連絡会によれば、統一教会は過去30年に国内で霊感商

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    Barak 2022/07/21
  • 安倍元首相銃撃の報に接して - 内田樹の研究室

    信濃毎日に寄稿したもののロングヴァージョン。 この信濃毎日の「今日の視点」の私の連載分は金曜日の正午が締め切りなので、参院選の結果がわからない段階だったけれども、「参院選の歴史的意味」というタイトルですこし長めのタイムスパンの中でこの選挙の歴史的意味について思うところを書いた。 原稿を書き上げた直後に「安倍元首相が銃撃されて心肺停止」というニュースが飛び込んで来た。少し締め切りを遅らせてもらって、とりあえずニュース第一報が入った時点でのこの事件についての私のコメントを記しておくことにした。さいわい、新聞社は締め切りを遅らせてもいいと言ってくれた。雅量を多としたい。 安倍氏の容態についても、犯人が何者でいかなる動機に基づくテロであるのかも、決定的な情報がない段階で書いているので、この原稿が紙面に出る頃には、私の書いていることが事実誤認であったり、無意味なものになっている可能性は残るが、それで

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    Barak 2022/07/08
  • 桜を見る会再論 - 内田樹の研究室

    もうこの話をするのにも飽き飽きしている。「桜を見る会」についての話である。 どうして「飽き飽き」しているかというと、ふつうの人間の受忍限度を超えて、この話が続いているからである。 続く理由は簡単で、ふつうは申し開きのできない証拠をつきつけられて「申し訳ありませんでした。私がやりました」として「犯人」が白状して、火曜サスペンス劇場が終わるところで、ぜんぜんドラマが終わらないからである。 でも、「私がやりました」と言わないというのは、ある意味では「合理的な」ふるまいなのである。 昔、東京地検に勤めていた友人から、推理ドラマはあれは嘘っぱちだという話を聴いたことがある。検察官に供述の矛盾を衝かれて、顔面蒼白となって、「もはやこれまで」と自白するのは「自分が知性的な人間である」ということにおのれの存在根拠を置いている人間だけだというのである。 「そんな人間は実はめったにいないんだよ。そんなのはね、

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    Barak 2020/02/02
  • 受験生のみなさんへ - 内田樹の研究室

    「サンデー毎日」の先週号に「受験生のみなさんへ」と題するエッセイを寄稿した。 高校生や中学生もできたら小学生も読んで欲しい。 受験生のみなさんへ。 こんにちは。内田樹です。この春受験を終えられた皆さんと、これから受験される皆さんに年長者として一言申し上げる機会を頂きました。これを奇貨として、他の人があまり言いそうもないことを書いておきたいと思います。 それは日の大学の現状についてです。いま日の大学は非常に劣悪な教育研究環境にあります。僕が知る限りでは、過去数十年で最悪と申し上げてよいと思います。 見た目は立派です。僕が大学生だった頃に比べたら、校舎ははるかにきれいだし、教室にはエアコンも装備されているし、トイレはシャワー付きだし、コンピュータだって並んでいる。でも、そこで研究教育に携わっている人たちの顔色は冴えません。それは「日の大学は落ち目だ」という実感が大学人の間には無言のうちに

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    Barak 2018/03/24
  • 『日本の覚醒のために』まえがき - 内田樹の研究室

    みなさん、こんにちは。内田樹です。 書は講演録です。中身はけっこうばらばらですけれど、全体のタイトルは『日の覚醒のために』といういささか気負ったものになっています。 僕は個人的には「気負う」というのはあまり好きじゃないんです。 気負ってる人の話って、最初は気圧されても、そのうちにうんざりしてきますからね。僕だってそういうものを読まされると、「気負うの はわかるけれど、そうのべついきり立っていると、読むのつらいです」という気分になります。にもかかわらずかなり気負ったタイトルをつけてしまったのは、僕の側にそれなりの緊張感があってのことです。 僕の眼にはいま日のさまざまなシステムが劇的な劣化局面にあるように見えます。僕が直接に見聞して、事情を熟知しているのは大学教育ですけれども、これはもう「手が付けられない」というくらいにひどいことになっています。昨年の10月にはアメリカ政治外交研究誌で

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    Barak 2017/07/01
  • ルモンドの記事から - 内田樹の研究室

    政府、ナショナリストを防衛相に任命 『ルモンド』8月3日 Philippe Mesmer (東京特派員) 日の首相安倍晋三は側近を彼の政府に登用したが、とりわけナショナリスト的立場で知られる女性を防衛相に任命することによって彼の権力掌握を一層強化しようとしている。 新内閣は8月3日水曜日に明らかにされたが、彼のスポークスマンである菅義偉、副総理兼財務相の麻生太郎、外相岸田文雄は留任した。 「アベノミクス(安倍の経済政策)を一層加速する」ための布陣と首相によって公式に紹介されている新内閣は参院選における自民党の大勝の三週間後に任命された。参院選によって自民党とその同盟者たちは両院で3分の2を制し、これによって安倍氏が憲法改定という彼の年来の野心を実現する可能が高まっている。 彼は防衛相に稲田朋美を任命した。このポジションを女性が占めるのは2007年第一次安倍政権の小池百合子以来である。

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    Barak 2016/08/06
  • Japan Times の記事から「日本の厄介な歴史修正主義者たち」 - 内田樹の研究室

    海外メディアは連日安倍政権の歴史修正主義と国際的孤立について報道している。 ドイツの新聞に対してフランクフルト総領事が「親中国プロパガンダン」と抗議したことが、世界のジャーナリストたちに与えた衝撃を日の外務省も日のメディアも過小評価しているのではないか。 日では「政治的主人たち」(political masters)に外交官もジャーナリストも学者も無批判に屈従しているのが、外から見るとどれほど異様な風景なのか、気づいていないのは日人だけである。 日の厄介な歴史修正主義者たち(Japan Times, 14 April) by Hugh Cortazzi(1980-84 英国駐日大使) 日の右翼政治家たちは海外メディアの報道を意に介さないでいる。彼らが外国人の感情に対する配慮に乏しいのは、外国人を蔑んでいるからである。 右翼政治家たちは日をすべての面で称讃しない外国人、日の歴

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    Barak 2015/04/16
  • ドイツのあるジャーナリストの日本論 - 内田樹の研究室

    ドイツのある新聞の東京特派員が過去5年間の日の政府と海外メディアの「対立」について記事を書いている。 安倍政権の国際的評価がどのようなものかを知る上では貴重な情報である。 でも、日国民のほとんどは海外メディアが日をどう見ているのかを知らない。 日のメディアがそれを報道しないからである。 しかたがないので、私のような門外漢がドイツの新聞記者の書いたものをボランティアで日語に訳して読まなければならない。 このままでは「日で何が起きているのかを知りたければ、海外のメディアの日関連記事を読む」という傾向は止まらない。 そんなことまで言われても日のジャーナリストは平気なのか。 「ある海外特派員の告白 5年間東京にいた記者からドイツの読者へ」 Carsten Germis さて、荷造りも終わった。ドイツの日刊紙Frankfurter Allgemeine Zeitungの特派員として東

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    Barak 2015/04/10
  • アパルトヘイトをめぐるThe Daily Beast の記事から - 内田樹の研究室

    曾野綾子が産経新聞のコラムに掲げた「アパルトヘイト支持」発言について、海外のメディアはこれを大きく取り上げない日の主要メディアと政府の不誠実さに対してつよい懸念を抱いている。 一人の人間が人種差別的な思想の持ち主であることは、その想念がその人の脳内にとどまる限り咎めることはできないし、咎めるべきでもない。けれども、それを公開するときは、それが伴う「社会的責任」がどのようなものかを意識する必要がある。大人なら、誰でもそうしている。 曾野綾子の知性が不調なのは、彼女の個人的信念が世界標準では「許されない非人道的なもの」として認定されているという「事実」を勘定に入れることを怠った点にある。 そして、さらに問題なのは、このように低調な知性の持ち主に定期的なコラムを掲載していた新聞が存在し、そのような人物を教育政策の諮問機関に「有識者」として登用してきた政府が存在するという事実の方である。 個人の

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    Barak 2015/02/19
  • 共同通信のインタビュー - 内田樹の研究室

    共同通信のインタビューがあり、配信が始まった。地方紙が主なので、お読みになれない方もいると思うので、こちらに再録。選挙を前にして政治状況を俯瞰する「いつもの話」であるが、今回は「脱市場」という点にすこし軸足を置いて話している。 どぞ。 ―景気の足踏みを理由に消費税引き上げが先送りされた。 個人消費が冷え込んでいるが、その背後には「生活に必要なすべての財を、市場で商品として購入する」という私たちが知っている以外の経済活動、「非市場的交易」が広まりつつあるという事実がある。 メディアはほとんど報じないが、原発事故以降「帰農」が大きなムーブメントになっている。それと並行して生産者と消費者が市場を介さないで、「顔と顔」のネットワークの中で財やサービスを交易するという動きが広まっている。 貨幣を介さない経済活動が広まることを政府は嫌う。それは政府のコントロールを離れた経済活動であり、経済指標にも捕捉

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    Barak 2014/12/06
  • ネット時代の共生の作法 - 内田樹の研究室

    ある学会誌からインタビューの申し込みがありました。携帯の廃棄物としての重要性を論じるという切り口だったのですけれど、いつのまにあぜんぜん違う話になってしまいました・・・ 学会誌なので、一般読者の目に触れる機会がないと思いますので、ここに採録しておきます。 現在、人口比一人1.3台所持しているといわれる携帯電話。その一方で、出荷数2,610万台のうち、その70%の1,780万台が廃棄されています。これだけ消費されている携帯電話ですが、ケータイやネットによるいじめや犯罪など、現代の社会問題としてもクローズアップされてきています。この膨大な廃棄物となる携帯電話は、何のために利用され、わたしたちのくらしとどう折り合いをつけていくのか。人間の社会活動に造詣の深く日和らない、武道家であり思想家である内田樹氏に、ネット社会のありようやこれからの社会の行方を伺いました。みなさんとともに考えていきたいと思い

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    Barak 2014/09/14
  • 『憲法の空語を充たすために』まえがき - 内田樹の研究室

    『憲法の空語を充たすために』というリーフレットを来月出版する(かもがわ出版)。その「まえがき」をさきほど送稿したので、どういうかご理解いただくためにここに採録。 みなさん、こんにちは。内田樹です。 このリーフレットは2014年5月3日の憲法記念日に神戸市で行われた兵庫県憲法会議主催の集会で行った講演に加筆したものです。 この講演のあと、予想通り、安倍晋三政権は7月1日の閣議決定によって歴代政権が維持してきた「集団的自衛権は行使しない」という方針を転換し、海外派兵への道を開きました。日の平和主義を放棄するという歴史的決断を首相個人の私的諮問機関からの答申を受けて、自公両党の与党協議による調停だけで下したのです。 国のかたちの根幹にかかわる政策の変更に立法府がまったく関与していない、つまり国民の意思が徴されないという異常な事態にもかかわらず、国民の側からはつよい拒否反応は見られません。讀賣

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    Barak 2014/07/06
  • Japan Times の記事から - 内田樹の研究室

    安倍、デモクラシーをハイジャック、憲法を空洞化。 JEFF KINGSTON 民主的プロセスを簡略化することで、安倍晋三首相は有権者からの負託を濫用している。憲法九条の解釈変更によって日の軍事行動への制約を解除し、集団的自衛権を容認しようとする彼の動きは安倍が日のデモクラシーを破壊しつつあることの直近の実例である。 日米両国における彼と彼の支持者たちは、憲法九条は時代遅れであり、増大しつつある地域の脅威に対処すべく、日はより断固とした軍事的役割を果すことが重要であると主張している。 日が安全保障においてよりマッチョな役割を演ずべきだと主張しているこれらの人々は、日は危険な隣国に囲まれており、日の軍事的行動への制約が日米同盟を傷つけていると指摘する。 それゆえ、日は集団的自衛権を含む軍事行動に参加する喫緊の必要性があるというのが彼らの所見である。 なるほど。だが、ほんとうに安倍

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    Barak 2014/06/22
  • NewYork Times 「日本の平和憲法」 - 内田樹の研究室

    5月8日付けのNew York Times の社説Japan's Pacifist Constitution が、日の民主制がいよいよ危機的状況に直面していると報じた。 改憲の動きにアメリカはこれまでもつよい警戒心と不快感を示してきたが、官邸はアメリカの反対をかわす意図で、「憲法をいじらずに解釈改憲で実質的に九条を空洞化する」戦術を選択した。 これまでのところ、ホワイトハウスは解釈改憲が専一的にアメリカの軍事戦略への協力をめざすものであるという説明を受け入れてきたが、ニューヨークタイムズに代表されるアメリカリベラル派の世論は安倍内閣の「積極平和主義」路線がその質においてアメリカの国是である民主主義そのものを否定するモメントを含んでいることを指摘している。 アメリカ政治理念を否定する政権がアメリカの戦略的パートナーであるということは、開発独裁や対露、対中戦略を見るとありうることである

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    Barak 2014/05/14
  • 法治から人治へ - 内田樹の研究室

    安倍政権は集団的自衛権の行使について、行使の範囲を明確にしない方向をあきらかにした。 「行使を容認できるケースを『放置すれば日の安全に重大な影響が及ぶ場合』と定義し、これが自衛権を発動できる『わが国を防衛するための必要最小限度の範囲』に入ると新たに解釈する。『重大な影響』『必要最小限度』の基準が何を指すかは解釈変更後の政策判断や法整備に委ねる。 今の政府解釈は、武力行使が許される必要最小限度の範囲を『わが国が攻撃(侵害)された場合に限られる』と明示し、個別的自衛権だけ認めている。政府原案は、これに集団的自衛権の一部が含まれると新たに解釈するものだ。政府は解釈変更後に個別の法律で行使の範囲を示し、法で縛ることで行使は限定されると説明する方針。だが、憲法上の解釈が『安全に重大な影響』と曖昧では、時の政府の判断で範囲が際限なく広がる可能性があり、歯止めはなくなる。 政府原案では、憲法九条の下で

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    Barak 2014/04/18
  • 赤旗日曜版のインタビュー - 内田樹の研究室

    3月16日付け、『赤旗日曜版』にインタビューが掲載されました。 こちらには少し加筆したロングバージョンを転載しておきます。 安倍晋三首相は音はもちろん改憲して、憲法9条を廃棄したい。だが、それはアメリカ政府の強い抵抗があって実現がむずかしい。それゆえ、アメリカの軍事活動を支援するという、アメリカから正面切って反対できない口実を掲げて、解釈改憲による「集団的自衛権」の行使容認を持ち出してきたのです。 しかし、日が集団的自衛権を行使するというのは、政治史的に見てありえない想定です。 集団的自衛権は、同盟国が武力攻撃を受けたとき、国連が介入するまでの緊急避難的な措置として認められた権利ですが、実際にそれを行使したのは軍事的超大国ばかりです。米ソのような超大国が自国の勢力圏で起きた反政府運動、独立民主化運動を弾圧するためにこの権利を行使しました。 これまで集団的自衛権が行使された実例を見ればわ

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    Barak 2014/03/17
  • 毎日新聞のインタビュー - 内田樹の研究室

    3月5日の毎日新聞朝刊にインタビューが載りました。 お読みでないかたのためにオリジナル原稿をアップしておきます。ちょっと紙面とは文言が変わっているかも知れませんが大意はそのままです。 ー中国韓国との関係改善が進まず、米国も懸念しています。 内田 長い歴史がある隣国であり、これからも100年、200年にわたってつきあっていかなければならないという発想が欠けている。安倍政権は外交を市場における競合他社とのシェア争いと同じように考えているのではないか。韓国中国との「領土の取り合い」と経済競争における「シェアの取り合い」は次元の違う話だということを理解できていないように見える。 昨年12月の靖国神社の参拝も、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移転先の名護市辺野古への埋め立てについて沖縄県知事との話し合いがついた直後に行われた。米国に「貸し」を作ったので、今度は米国が厭がることをする「権利」が発

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    Barak 2014/03/08
  • NewYork Times 3月2日の記事から - 内田樹の研究室

    アメリカの対日世論はしだいに疑惑と不信の論調に傾きつつある。 New York Times の昨日の記事「安倍氏の危険な歴史修正主義」を訳してみた。 安倍首相の「真意」を記者が読み切れないのは、つねづね申し上げているとおり、「対米従属を通じての、対米自立」という自民党の伝統的な戦略の「意味」と、それを支える「心性」がアメリカ人には理解しにくいものだからである。 記事は首相の真意を「hard to decipher」と評しているが、decipher というのは「意味不明の言葉・暗号・古文書などを解読する」というかなり特異な含意の動詞である。 首相の対米姿勢は友好的なのか対立的なのか、よくわからないという先方の当惑がよく伝わってくる記事である。 なにより「does not want to be dragged into a conflict between China and Japan」(ア

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    Barak 2014/03/04