タグ

ブックマーク / book.asahi.com (117)

  • 「河北新報のいちばん長い日」書評 解のない自問自答、新聞の役割の原点|好書好日

    東日大震災で壊滅的な被害を蒙った河北新報。津波に呑まれて九死に一生を得た総局長、殉職した販売店主、倒壊した組版システム…。自らも被災者でありながら、報道の使命を担い闘い… 河北新報のいちばん長い日―震災下の地元紙 [著]河北新報社 東日大震災にさいして、東北の地元紙・河北新報がいかに対応し、何をどう伝えたか。そのドキュメントである。報道部、支局、写真部の第一線はもとより、印刷、販売、さらに裏方の「おにぎり班」まで、震災下の新聞社の日々が克明に伝えられている。 地元紙は被災者でもあった。社ビルは持ちこたえたが、組み版が潰れ、新潟日報の助けを得て新聞は出された。海沿いにある支局は流失あるいは壊滅し、店主が亡くなった販売店が3店、全壊19店、配達員の死亡・行方不明者は宮城県内で24人にのぼっている。 テレビもネットも途絶えた避難所で、新聞はむさぼるように読まれた。店も自宅も流された宮城県女

    「河北新報のいちばん長い日」書評 解のない自問自答、新聞の役割の原点|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/11/29
  • 「科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純」書評 物理学のあり方論じた真の学者|好書好日

    【桑原武夫学芸賞(第15回)】日で初の相対論と量子論の論文を書いて日の理論物理学の基礎を築き、湯川秀樹や朝永振一郎などをその書で物理学の道へ導いた「科学の巨人」石原純… 科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純 [著]西尾成子 「石原純」という名前は、多くの人にまずなじみがないことだろう。とすると、「科学ジャーナリズムの先駆者」という表題だけでは、やや誤解を招くかもしれない。 著者が冒頭で記しているように、何より、第一級の理論物理学者であるからだ。20世紀初め、物理学に革命をもたらした相対論や量子論について、日で最初の論文を発表し、議論をリードした。 歌人でもあり、岩波書店の月刊誌「科学」が1931年に創刊された時の初代編集主任も務めた。物理学や科学に関する数多くの著作は、湯川秀樹、朝永振一郎といった、後のノーベル賞受賞者たちが物理学の道に進むきっかけともなった。 その初の評伝である

    「科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純」書評 物理学のあり方論じた真の学者|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/11/15
  • インタビュー : 絆描き、震災後に新たな光 大沢在昌さん『絆回廊』 - 加藤修 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    作家・大沢在昌さんの『絆回廊 新宿鮫Ⅹ』(光文社)が人気を集めている。外国人犯罪や海外の害虫など新たな犯罪や事件のかたちに迫り、未来を予見するとも言われた「新宿鮫」シリーズの最新刊で、警察や暴力団を組織として描いた前作から一転、人間を描くハードボイルドの原点に戻った作品だ。 大沢さん自ら「今回は直球ど真ん中」という作品は、主人公の新宿署の刑事・鮫島を中心に、困難な状況を突破しようとする人間たちの絆を見つめている。一人ひとりが自分の責任で生き抜かなければならない震災後の状況のなかで「鮫」は新たな光を帯びる。 「オレの小説の書き方は震災の前後で変わってはいない。ただ、前作の『狼花』で組織としての警察や暴力団を書ききったと思ったので、今回はもう一度原点復帰で人を描きたくなった。連載は震災前からだったけれど、単行を出すときに『絆』がこんなに注目されることばになっているとは思わなかった」 大沢さん

    インタビュー : 絆描き、震災後に新たな光 大沢在昌さん『絆回廊』 - 加藤修 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/11/13
  • 円城塔「これはペンです」書評 小説の可能性を広げる煌めき|好書好日

    文章の自動生成装置を発明し、突飛な素材で自在に文章を生み出す叔父と、その姪の物語「これはペンです」(芥川賞候補作)。存在しない街を克明に幻視し、現実・夢・記憶の世界を行き… これはペンです [著]円城塔 小説は様々な主題を軸にして書かれる。それは恋愛であったり、暴力であったり、人生の夢や挫折であったりする。だが、多くの優れた小説が、それら多様な主題の裏側にもう一つの主題を隠し持っている。小説とは何か? の謎である。小説を書くこと自体が小説の主題となる、いわゆるメタフィクションは、このジャンルを根において特徴づけているといってよい。 小説とは何か? それは文字の一定量の集積からなる何かである。という以上の定義をするのは意外に難しい。だが、この定義では電話帳も小説ということになってしまい、いや、電話帳もまた小説とみなしてよいのではあるまいかと、考えてみなかった小説家は少ないはずだ。小説を細胞

    円城塔「これはペンです」書評 小説の可能性を広げる煌めき|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/11/09
  • 「スティーブ・ジョブズ」書評 「天才」の生と死、いちはやく活写|好書好日

    スティーブ・ジョブズ ペーパーバック版 1 著者:ウォルター・アイザックソン 出版社:講談社 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション 未来を創った、今世紀を代表する経営者スティーブ・ジョブズが、積極的かつ全面的に取材に協力した評伝。1は子ども時代、リード・カレッジ進学、インド放浪、アップル誕生、マックの… スティーブ・ジョブズ(1・2) [著]ウォルター・アイザックソン 書を手に取る人で、スティーブ・ジョブズを知らない人はいないはず。過去十年以上、彼の各種製品はコンピューターや音楽流通、携帯電話のあり方を一変させ、社会現象にまでなったのは周知のこと。 それが書のつらいところだ。基線では目新しさの余地がないのだから。 評者のような古参パソコンマニアは、アップル草創期からジョブズの活動はリアルタイムで知っている。また近年のアップル製品のファンも、書の記述に違和感はないはず。絞り込ん

    「スティーブ・ジョブズ」書評 「天才」の生と死、いちはやく活写|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/11/08
  • 「テクノロジーとイノベーション」書評 大胆に描く、技術の自律的変化|好書好日

    テクノロジーとイノベーション 進化/生成の理論 著者:W.ブライアン・アーサー 出版社:みすず書房 ジャンル:経済 新技術はどこから生れ、どこへ行くのか? ドメイン、構造の深化、機会のニッチ、生成的な経済…。数々のモチーフが鳴り響く、新テクノロジー創成のメタ理論。【「TRC MARC」… テクノロジーとイノベーション 進化/生成の理論 [著]W・ブライアン・アーサー 書の手柄は中身よりアプローチにある。イノベーションは経済、いや人間社会と文明の発展に決定的な重要性を持つ。が、どうすればそれが起こるのか? これについての既存研究は多いし、著者の答えも目新しくはない。あらゆる技術は、他の技術の組み合わせである。だから技術のモジュール化とその自由な組み合わせを促進すれば、イノベーションは起こる! これは内外の多くの識者が何度も指摘したポイントだ。 が、書の視点が異様だ。技術が経済に貢献すると

    「テクノロジーとイノベーション」書評 大胆に描く、技術の自律的変化|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/11/02
  • 「時間はだれも待ってくれない―21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集」書評 現実と非現実の曖昧な境界で|好書好日

    時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集 著者:高野 史緒 出版社:東京創元社 ジャンル:小説・文学 二十一世紀に入ってからの東欧SF・ファンタスチカの精華、十か国十二作品を、新進を含む各国語の専門家が精選して訳出した日オリジナル編集による傑作集。【「BOOK」データベ… 時間はだれも待ってくれない―21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集 [編]高野史緒 チェコの首都、プラハに数日滞在した折、ある日研究者に「東欧」ということばを漏らしたところ、すぐさまこう遮られた。「いや、私たちは中欧と呼んでいます」。ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終結した現在、ソ連の衛星国として社会主義体制を敷いていた国々は、もう「東側」ではないのだ。 しかし、そうした歴史の中で育まれた文学は、西欧とは異なる独特の雰囲気をまとっている。カフカ、チャペック、スタニスワフ・レム、と名前を挙げて

    「時間はだれも待ってくれない―21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集」書評 現実と非現実の曖昧な境界で|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/11/01
  • 「日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか」書評 「まね」から文化は生まれるのに|好書好日

    どんどん厳しくなっている日の著作権。厳しい著作権をむやみに外国に広げることは、文化の伝播を阻害する。日の著作権法の変容の経緯と関わる人びとの思惑を丁寧に追い、現状に介… 日の著作権はなぜこんなに厳しいのか [著]山田奨治 『計画と無計画のあいだ』というが出るそうな。ひょっとして拙著『生物と無生物のあいだ』のパクリではないか。しかし私はどうすることもできない。書名は、著作権で保護される著作物には当たらないから。一方、昔、♪夜と朝のあいだに、一人の私……♪なんて曲もあったなあ、などとつらつら全文書き写せば、たちまち著作権料を払わねばならなくなる。歌詞は立派な著作物(ちなみに、なかにし礼・作)。著作権侵害は、個人なら最高で「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金」(法人ならなんと三億円)。単なる窃盗罪が、五十万円以下であることに対し遥(はる)かに重い。 なぜそんなことになっているのか。

    「日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか」書評 「まね」から文化は生まれるのに|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/11/01
  • 「〈起業〉という幻想」書評 安易な「夢」にデータで冷や水|好書好日

    起業〉という幻想 アメリカン・ドリームの現実 著者:スコット・A.シェーン 出版社:白水社 ジャンル:経済 失業率やGDPをはじめ、各種統計から浮かび上がる「起業家」大国アメリカの実像とは。起業家にまつわるさまざまな“神話”と現実とのギャップを綿密に検討し、アメリカでの起業=自… 〈起業〉という幻想―アメリカン・ドリームの現実 [著]スコット・A・シェーン 近年のアップル社の成功で、日版ジョブズ待望論や、景気回復には起業による創造的破壊が必須、といった物言いをあちこちで目にする。そしてアメリカ起業に有利な環境だから、日も政策的に起業家支援を、という話も多い。 が、それは当か? 書はアメリカ起業についての実証データを元に、そうした物言いに冷や水を浴びせる。 そもそも、アメリカはさほど起業が多くはない。またみんなのイメージするハイテクベンチャーなんかごく少数。実際にはほとんどがカ

    「〈起業〉という幻想」書評 安易な「夢」にデータで冷や水|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/10/26
  • インタビュー : 〈対談〉ノーベル賞を機に 翻訳文学を考える | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ) 1963年生まれ。翻訳家、エッセイスト。著書に『の寄り道』(河出書房新社)など。 ノーベル文学賞が6日、発表された。例えば日の文学が賞の選考過程に乗るには、翻訳されることが必須の条件になる。発表を機に、文学と翻訳の関係について、文芸評論家の加藤典洋さんと翻訳家の鴻巣友季子さんに語り合ってもらった。 ◇ ■訳されて豊かになるのが世界文学 ――今年のノーベル文学賞は、スウェーデンの80歳の詩人、トーマストランストロンメルに決まりました。日では、1999年に詩集『悲しみのゴンドラ』が訳されています。 鴻巣友季子 毎年のように候補にあがってきた人ですね。 加藤典洋 去年、マイケル・ハイムというミラン・クンデラの訳者でUCLAの教授の話を聞く機会があったんです。スウェーデン・アカデミーの人と会った際、「ノーベル賞をとるには何が一番大事ですか」と尋ねたら、たちど

    インタビュー : 〈対談〉ノーベル賞を機に 翻訳文学を考える | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/10/16
  • 『イスラームから見た「世界史」』書評 欧州・日本、中心史観を相対化|好書好日

    西洋版世界史の後景に追いやられてきたムスリムたちは自らの歴史をどう捉え、いかに語り伝えてきたのか。ムハンマドの誕生から現代までのイスラーム通史を、血の通った人間ドラマとし… イスラームから見た「世界史」 [著]タミム・アンサーリー 日人がもつ「世界史」の観念は、基的にヨーロッパ中心である。むろん、日人はそれだけでなく、東アジアから世界史を見る視点ももっている。しかし、その間にある西アジアに関しては、無知も同然である。西アジアはある時期からイスラム圏であり、それはアラビアやアフリカからインド、インドネシアなどに及ぶ。2001年9・11以来、このイスラム圏が突然、大きく浮上してきた。ところが、われわれにはまるで見当がつかない。その政治社会についても、宗教についても、皮相的で紋切り型の知識しかない。しかし、それを補うためにたくさんのを読んでも、いよいよ不鮮明になるばかりだ。 書は、イス

    『イスラームから見た「世界史」』書評 欧州・日本、中心史観を相対化|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/10/12
  • 「ぼくは上陸している」書評 華麗な語り問う、科学は万能かと|好書好日

    ぼくは上陸している 進化をめぐる旅の始まりの終わり 上 著者:スティーヴン・ジェイ・グールド 出版社:早川書房 ジャンル:自然科学・環境 「ロリータ」の著者ナボコフは、蝶の分類の専門家としての顔も持っていたが、多くの文芸評論家に誤解されている。その誤解とは? 人文学への深い造詣を織り交ぜ、進化生物学の真髄を… ぼくは上陸している 上・下 [著]スティーヴン・ジェイ・グールド グールドとドーキンス、どっちが好き? 同じ1941年生まれ。科学作家としてライバルであり、実際、激しい論争を交わした。生物は利己的な遺伝子の乗り物にすぎないと、切れ味鮮やかに登場したドーキンスよりも、私はグールドの方が圧倒的に好きだ(ドーキンスの著作を翻訳したこともあるにもかかわらず)。 進化の単位は遺伝子ではなく、個体である。なぜなら生物は個体として生き、淘汰(とうた)は個体のレベルにこそ働くから。そういって対ドーキ

    「ぼくは上陸している」書評 華麗な語り問う、科学は万能かと|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/10/04
  • アマルティア・セン「アイデンティティと暴力」書評 「単一帰属」の幻想を打ち砕く|好書好日

    相次ぐテロ、内戦、文明の衝突…。暴力に満ちた世界を救うのは「アイデンティティの複数性」だ! 世界史、哲学、経済学などの豊富な知見をもとに、現代世界を読み解く新たな枠組みを… アイデンティティと暴力―運命は幻想である [著]アマルティア・セン グローバル経済の格差と貧困を温床とするテロと暴力の連鎖。この、それこそグローバルなテーマにどう向き合ったらいいのか。 書は、ノーベル経済学賞受賞のセンによる渾身(こんしん)の処方箋(しょほうせん)である。そのキーワードは、アイデンティティーだが、書が心打つのは、センが自らのアイデンティティーをめぐる「生体解剖」的な分析を通じて、アイデンティティーの複数性と「選択」の必要を説いていることにある。 この揺るぎない信念から、センは、暴力への誘因となる「単一帰属」のアイデンティティーの幻想を打ち砕こうとする。その一つが、狭隘(きょうあい)な利己的功利主義に

    アマルティア・セン「アイデンティティと暴力」書評 「単一帰属」の幻想を打ち砕く|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/10/04
  • ル=グウィン「いまファンタジーにできること」書評 真偽の見え方、美醜の基準示す|好書好日

    いまファンタジーにできること 著者:アーシュラ・K.ル=グウィン 出版社:河出書房新社 ジャンル:小説・文学 【ローカス賞(2010年)】ジャングル・ブック、ピーターラビット、ドリトル先生、指輪物語、ゲド戦記から、ハリー・ポッターまで。ファンタジーや児童文学の名作・話題作を読み解… いまファンタジーにできること [著]アーシュラ・K・ル=グウィン ヒトはサルの幼形成熟(ネオテニー)として進化した。そんな魅力的な仮説がある。子供時代が延長され、子供の特徴・特性を残したままゆっくり成長する。すると好奇心に満ち、探索し、道草をう。攻撃よりも接近、争いよりも遊び、疑いより信じることが優先され、合理より物語に惹(ひ)かれる。つまり、学び、習熟し、想像力の射程が延びる。これがヒトをヒトたらしめたのだと。 『ゲド戦記』で世界を魅了し、愉快な『空飛び』(邦訳は村上春樹)を生み出したル=グウィンは実作者

    ル=グウィン「いまファンタジーにできること」書評 真偽の見え方、美醜の基準示す|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/09/28
  • 木村衣有子「猫の本棚」書評 「猫」文学を通して見る人間たち|好書好日

    をこよなく愛する人へ贈る、名作「文学」ブックガイド。武田百合子から夏目漱石、浅生ハルミンまで、数々の「文学」に登場するたちの尽きない魅力を丁寧に読み解く。【「… 棚 [著]木村衣有子 たとえば、の前で小さなねずみのおもちゃを振ってみせる。は目を輝かせてじゃれついてくる。でも、と思う。生まれてから一度も物のねずみを見たことのない彼は、果たしてこれを「ねずみ」と判(わか)っているのだろうか。それとも、ただ動くものへの能的な反応なのだろうか。 こんな私ととの風景を、注意深く、興味深く見ている目がある。それが、書の著者の目だ。多々ある「文学」案内とはちょっと違う木村さんのスタンスとは、描かれたそのものの魅力というよりも、を通して見えてくる人間たちをとらえようとするものなのだ。 ここには、夏目漱石の「」や内田百けんの『ノラや』といった文学として名だたる名作をは

    木村衣有子「猫の本棚」書評 「猫」文学を通して見る人間たち|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/09/13
  • コラム別に読む : 電子書籍と本の未来 仲俣暁生さんが選ぶ本 - 仲俣暁生(フリー編集者) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■小さなメディアか「制度」か 「文字を紙に刷って綴(と)じたもの」だった書物()が、「文字をディスプレー上に表示したもの」になる——ごく大雑把にいえば、後者が「電子書籍」と呼ばれるものだ。日でも昨年からさまざまな企業がこの分野に乗り出し、「電子書籍元年」と喧伝(けんでん)された。「」はこれからどうなるのか。その未来を考える手がかりとなる3冊を選んだ。 アマゾンの「キンドル」や、ソニーの「リーダー」の成功で、アメリカでは電子書籍による読書が根づき始めている。その現状と背景を明快に語るのが『ルポ 電子書籍大国アメリカ』だ。出版エージェントとして米国の事情に通じている著者によれば、電子書籍は大活字やオーディオブックなどと並ぶ多様な読書スタイルの一つであり、安価なペーパーバックに代わる消費形態という面が大きい。ただし紙のが未来永劫(えいごう)にわたり安泰ということはなく、「紙の」の読書

    コラム別に読む : 電子書籍と本の未来 仲俣暁生さんが選ぶ本 - 仲俣暁生(フリー編集者) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/08/31
  • コラム別に読む : 小松左京を読む 東浩紀さんが選ぶ本 - 東浩紀(批評家・作家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■娯楽と知の融合を実現 去る7月26日に永眠したSF作家、小松左京。日SFの創設者のひとりであり、戦後日を代表するベストセラー作家だ。筆者自身、小学生時代からの熱心な読者でもある。そんな小松の代表作を三つ紹介したい。 まずは1964年の『復活の日』。生物兵器として開発されたウイルスが事故で漏洩(ろうえい)、全人類がひと夏で死滅し、極寒の南極大陸と原潜乗組員だけが生き残る物語。——と要約するとハリウッド映画のような大味の印象を与えるが、実際に小説を読むと、最新科学を取り入れた設定の大胆さ、国際政治や分子生物学、社会思想まで自在に語る著者の博学、そして周到に配置された伏線に驚くだろう。 とりわけこの小説で感銘を受けるのは、物語の最後、無人の世界に降り注いだ米ソの核の爆発が、結果としてウイルスを無力化し人類社会の復活を促すという逆転の展開である。冷戦下の死の技術によって滅びた人類が、もうひと

    コラム別に読む : 小松左京を読む 東浩紀さんが選ぶ本 - 東浩紀(批評家・作家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/08/24
  • 「世界の夢の本屋さん」書評 観光客まで引きつける老舗書店|好書好日

    を愛する人が幸せになれる世界の屋さんを取り上げ、お店の歴史、お客さんとのエピソード、その場所で働くことの喜びやのプロとしての知識・経験・勉強法といった名店を支えるス… 世界の夢の屋さん [著]清水玲奈、大原ケイ 西洋の老舗書店というと、古の墓場か中世の牢獄かと見誤るような老建築を連想するかもしれない。しかし書を見てびっくり、これは夢のように美しい店内を紹介する写真集であり、著者2人が女性というところも、男性マニアの作りそうなかび臭い書店ガイドとは異なる。 まず書店の選び方からしてファッショナブルだ。 たとえば創業250年の大老舗ヘンリー・サザラン(ロンドン)は、稀覯(きこうぼん)目白押しなのに誰でも気軽に入れ、高価なも手にできるポリシーのすばらしさを紹介する。 名店が多いパリ。モネの大作『睡蓮(すいれん)』が見られるチュイルリー公園内の園芸書専門店ジャルダン書店を取り上げて

    「世界の夢の本屋さん」書評 観光客まで引きつける老舗書店|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/08/24
  • 「Made by Hand―ポンコツDIYで自分を取り戻す」書評 自作で世界の仕組みを理解する|好書好日

    Made by Hand ポンコツDIYで自分を取り戻す (Make:Japan Books) 著者:Mark Frauenfelder 出版社:オライリー・ジャパン ジャンル:暮らし・実用 「Makerムーブメント」を主導する雑誌『Make』の編集者によるDIY体験記。野菜作り、ギター作りなどの経験や、個性的なDIY愛好家との出会いを通して、自分の手でモノを… Made by Hand―ポンコツDIYで自分を取り戻す [著]マーク・フラウエンフェルダー 最近のビジネス書を見ると、パソコンやインターネットの世界はマイクロソフト、アップルやグーグルなどの企業活動だけしかないかのようだ。でも実際にそれを支えたのは多くのアマチュアハッカーたちだ。かれらが自由闊達(かったつ)にプログラムを書き、付属機器を組み立て、ウェブページを作る中で、応用範囲が広がり、産業としても成立するようになった。 が、目

    「Made by Hand―ポンコツDIYで自分を取り戻す」書評 自作で世界の仕組みを理解する|好書好日
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/08/23
  • 書評・最新書評 : 男の絆―明治の学生からボーイズ・ラブまで [著]前川直哉 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    書の冒頭はAKB48と男性アイドルグループの不思議な違いから始まる。AKBのほうは仲間で下着姿になったりキスしたりしあうのに、男性グループではそれを見せない。その理由は「同性愛」とみなされる危険を排除するためという。たしかに評者も、『三国志』の冒頭に、義兄弟の契りを結んだ劉備、張飛、関羽の3人が夜も寝台を共にしたとあるのを読んで、妙に興奮した覚えがある。 明治政府が法律で禁止した男色の実情は、森鴎外の『ヰタ・セクスアリス』に詳しい。江戸以来、男色は高齢者が年少者を意のままにする行為であって、「受け身」役が「少年」と呼ばれたように先輩・後輩の関係にあった。いわば武家社会の反映であり、江戸も後期になると流行(はや)らなくなった。ところが明治に入り、学生間で硬派と軟派の対立がおこる。軟派学生は性欲の処理に遊郭通いするが、硬派のほうは、先輩に体を許すが智(ち)や志なども学べる男色に走った。福沢諭

    書評・最新書評 : 男の絆―明治の学生からボーイズ・ラブまで [著]前川直哉 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/08/12