東日本大震災で壊滅的な被害を蒙った河北新報。津波に呑まれて九死に一生を得た総局長、殉職した販売店主、倒壊した組版システム…。自らも被災者でありながら、報道の使命を担い闘い… 河北新報のいちばん長い日―震災下の地元紙 [著]河北新報社 東日本大震災にさいして、東北の地元紙・河北新報がいかに対応し、何をどう伝えたか。そのドキュメントである。報道部、支局、写真部の第一線はもとより、印刷、販売、さらに裏方の「おにぎり班」まで、震災下の新聞社の日々が克明に伝えられている。 地元紙は被災者でもあった。本社ビルは持ちこたえたが、組み版が潰れ、新潟日報の助けを得て新聞は出された。海沿いにある支局は流失あるいは壊滅し、店主が亡くなった販売店が3店、全壊19店、配達員の死亡・行方不明者は宮城県内で24人にのぼっている。 テレビもネットも途絶えた避難所で、新聞はむさぼるように読まれた。店も自宅も流された宮城県女
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